kurinn
kemono ni yorite kemono to kasu
本編での両思いになってから裁定の儀式までの幕間のお話のようです。
王宮の中庭で昼食を取っていると侍女のレニエからユノの耳が動いていると指摘をされます。
レニエが言うにはユノの耳は嬉しい時に良く動いているようです。
美味しい物を食べている時、友人のイーサが訪ねて来た時、そして1番良く動いているのはアルドが来た時だとレニエは言います。
ユノは斎宮なので儀式の時に嬉しいならまだしも、負の気持ちが耳や尻尾に出て人々に見られるのは避けなくてはなりません。だから耳と尻尾は出来るだけ動かしてはダメなのです。
ユノが不安になっていた時にアルドが現れて、それならいい物があると何枚かの布を持って来ました。
布をユノの頭に被せて斎宮の公式の番での衣装の一部にすると言うのです。
何枚か被せたアルドは生成りの紗を選びました。レニエもそれが1番似合うと褒めます。
ユノは木漏れ日で金色に輝く生成りの紗が、アルドの毛並みと一緒になったように思いました。
アルドは獣の耳に布の重みを感じている時は、斎宮として人々の前に立っているのだと耳や尻尾が動かない戒めにすれば良いと言いました。そして布で少しくらい動いても隠れる筈だと。
ユノはアルドに感謝しますが、アルドはユノの耳と尻尾を誰にも見せたくないからだと本音を言います。
ユノは自分ばかりアルドに振り回されていると思い、自分が被せられた布をアルドにも被せて布の中でアルドの唇にかぶり付きました。
そして自分の耳と尻尾はアルドの印だから、赤くなった唇はアルドが自分の物だという印と言ったのでした。
アルドを困らせるつもりが、喜ばせてしまったユノでした。
相変わらずユノを溺愛して、ユノの事になると心が狭くなるアルドでした。