みざき
goukakyakusen no oujisama
本編エピローグ前、一連の騒動がすべて収束した後のお話。
本編では長兄のリヒトが登場していましたが、こちらの小冊子ではタイトル通り、第二王子のロイドが登場。
もうですね、とっても良いキャラクターでした。
ロイド、すごく好きです。
前作で、ロイドは空軍大佐で、戦闘機に乗ると人格が変わるスピード狂だけれど、普段は明るいムードメーカーとありました。
「そのうち会う機会もあるだろう」と言われ、歩途は「あるだろうか。ないと思うのだが」と考えていましたが…ありましたね!
用事があって、たまたまロイドが空軍基地から帰って来ているとの情報を聞き付け、家族での晩餐会の前に歩途を紹介したいと会いに行くことになります。
白い軍服姿。短く刈り上げた金髪。ギロリと睨むような三白眼。
想像していたよりも鋭い迫力があるロイドに腰が引けてしまう歩途ですが、いやいや、そんなことはないんです。
彼、ギャップがものすごく良い…!!
三白眼は一瞬にしてへにゃっと緩み、ジークの愛犬・ヴァルトを「ヴァルちゃん〜!」と呼び、もみくちゃに撫でて、猫ならぬ犬っかわいがりをしている。
動物好きに悪い人はいないんですよ。
もうこの時点で、あまりのギャップの大きさに、ロイドのことが気になって仕方がないです。
緊張しながら挨拶をするものの、自分の名前を噛んでしまった歩途に噴き出し「名前の一部にヴァルトが入っているなんて、もう運命だろ。とっとと結婚しちゃえよ」と言うロイド。
ジークが明るいムードメーカーと評していた通り、明るく気さくで気持ちの良い人なんですよねえ。
ジークとのやり取りもリヒトとのやり取りよりもかなりくだけたもので、読んでいてとっても楽しい。
兄弟のやり取りが楽しすぎて、この辺りももっと読みたいなあ。
ロイドから見てもジークから見てもリヒトはブラコンだそうです。
散々な言われようのお兄ちゃんにも笑っちゃう。
とっても親しみやすくて、魅力あふれる人でした。
歩途のことを「サクラヴァールト」と呼び、親しみを込めてハグを…しようとして嫉妬したジークに阻まれて愉快そうにしたりと、近所の気さくなお兄ちゃんという感じがしてすごく好き。
良い意味で王族らしさのない人でした。
ジークが緊張をしている歩途をロイドに会わせたのも、きっと彼の人柄が良く、彼なら大丈夫だと思ったからだったのでしょうね。
そして、本編エピローグの家族晩餐会へ。
3王子が集まったやり取りも読んでみたいなあと思える、楽しいショートストーリーでした。