みざき
outeidenka no aisare yakushi
本編終了後のお話。
東国ドゥイラインの計略を暴き、精霊に願い川に水を呼び戻した事から、すっかり国の英雄・奇跡の人として扱われているナギ。
城の厨房でちょっとだけ道具と材料を借りたいと訪れただけでも驚かせ、人々を戸惑わせてしまう事に申し訳なさを感じています。
そんな人々に恐縮しながらナギが作りたかったもの。
それはチョコレートでした。
南のデーという国ではカカオが採れるそうです。
本編にも登場した風の民・ウィントが買い付け、高価なそのカカオを水を呼び戻してくれた褒賞としてアリアン王がナギへと贈ったとのこと。
それを知った恋人であるナギに関しては嫉妬深くなってしまうグウィンが密かに自分が買い与えたかったと拗ね、見かねたナギが彼には砂糖をねだり事無きを得たとかなんとか。
恐らく砂糖も高価なものなのでしょうね。
そんなこんなでカカオと砂糖を入手したナギは、厨房の一部を借りチョコレートを作る事に。
この世界では滋養強壮の薬としてしか扱われていないようなので、ナギのチョコレート作りは自己流ということでしょうか…?
もうハーブではないところにまで知識が及んでいっているような。
チョコレート作りに興味津々な料理人達が可愛い。
これは今後お城中で流行りそう。
なんとか完成したチョコレートを食べさせたい人。
それは勿論愛する恋人のグウィン。
初めて食べるチョコレートをひと口頬張り、思わず「おいしい」と言いながら味わう恋人に喜ぶナギ。
グウィンは甘党だから好きだと思ったと語るナギに、それを知るのは兄と料理長のみだと驚くグウィン。
グウィンがナギを愛していて、ナギもグウィンを愛しているから些細な事にも気がつくのだろうと…甘い…!
チョコレートよりも甘さがいっぱいの恋人達でした。
チョコレートは媚薬としての効果も期待されていたと、良かれと思って豆知識を披露し、無意識にグウィンを煽ってしまったナギ。お約束ですよね。
これは今日もとろけてしまうひとときになりそうです。
穏やかな甘い雰囲気たっぷりのショートストーリーでした。