てんてん
oninoko itoshiya momo no koi
本品は『鬼の子いとしや桃の恋』のコミコミスタジオ特典小冊子です。
本編から4年後、2人が旅行に行くお話です。
鬼であるしづるは動物は大好きですが、逃げたり怯えられたりする為に
自分からは寄っていきかないようにしています。光洋はそんなしづるを
つれて静岡の花鳥園への1泊旅行を計画します。
梅雨が明け、夏の日差しが眩しい日曜日、新幹線でもかなりの人数が2人
と一緒に降りた事から、皆目的地は同じようです。鳥達が腹を空かせて
いる朝の時間が一番楽しめると知っているのでしょう。
チケット売り場に並ぶと2人の前の親子連れは入る前からぬいぐるみを欲
しがる妹と兄の会話が微笑ましく、しづるは兄妹の欲しがった鳥達にも
興味津々です。
中に入るとさっそく大勢の梟が出迎えてくれます。しづるはしっばなから
梟に釘付けで光洋の名を呼びながら手を握ってきます。夢中になるとつい
光洋の手を取るようで目は梟に注がれたまま、グイグイ引っ張ってきます。
本館に入ると高い天井には色とりどりの花が丸い形に計上されてぶら下が
った広場に出ます。天井いっぱいの花はまるでシャンデリアのようでいい
匂いを放っています。
生花店に勤めるしづるには光洋に花の名を教えながらハンギングに向いた
花でもこれだけの大きさにするにはすごく時間がかかる事、丁寧に世話さ
れていると感心していました。
鳥達はしづるが近づいても怖がる素振りも見せません。しづるはバードシ
ョーを見たり、放し飼いのエリアでは鳥にの餌やりをしたり、孔雀に求愛
されて光洋が断ったりと楽しい時を過ごし・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)2段組12頁のボリュームで、2人が
泊りがけで旅行に行くお話になります♪
最後にしづるようにシマフクロウのぬいぐるみを光洋が買い、しづるは光
洋にとインコのモチーフが載ったボールペン、生花店のスタッフへの土産
にするのだとクッキーを買いました。「美味しいと良いけど」とさりげな
く気遣うしづるは本当に人と変わらず、光洋は灌漑深い気持ちになります。
予約している宿はビジネスホテルですが温泉がある施設です。大浴場でし
づるは花鳥園で鳥と仲良くなれた事を得意顔で楽しそうに話します。光洋
がまた来ようと言うと、しづるはおねだり顔でにじり寄ってきて光洋を慌
てさせます。
しかし、しづるのおねだりは光洋ではなく、明日の予定変更だった・・・と
いう終始ほのぼのしたお話でした (^-^)
しづるのおねだりは成功しますが、光洋の妄想が実現するのはお家に帰っ
てからになるのかな!? とか思うと更に楽しかったです♪
コミコミスタジオさんで購入するといただける、A5サイズ、12Pの特典小冊子。
タイトルは『鬼の子の上手なおねだり』。
本誌含めたネタバレがあります。ご注意ください。
時系列は本編終了後。
しずるを鬼住み島から連れ出して4年後、のお話です。
動物には怯えられてしまうけれど鳥には好かれるしずる、という描写が本編でもありましたが、そんなしずるのために1泊の予定で二人が訪れたのは静岡県にある花鳥園。
鳥と仲良くできるか不安がるしずるですが、そんな心配は杞憂に終わり楽しい時間を過ごす二人で…。
というお話。
舞台が花鳥園なので様々な鳥たちが登場しますが、それと共に園内にある花もたくさん描かれていて、花屋さんに努めるしずる、というバックボーンも上手に絡めて描かれています。
お互いに贈りあったミサンガと組紐をつけて、しずるの知らないことを教えつつ、しずるが楽しめることだけを経験させてあげたい。そんな光洋の愛情と優しさに満ちたストーリーでした。
で。
タイトルの「上手なおねだり」ですが。
彼らが宿泊するホテルには温泉があって一緒に入る二人ですが、そこで肌をピンク色に染め、壮絶な色香を放ちながらしずるが光洋におねだりしたことは…。
という、あらん、序盤のさわやかさとは打って変わって濡れ場に一気に突入?
と思いきや…。
なんやかんや言いつつしずるの「おねだり」には敵わない光洋。
そして相も変わらず可愛さ満点のしずる。
そして、お互いを想う二人の仲睦まじい姿。
そんなものが満喫できる、非常に可愛らしいお話でした。
ぜひ、本誌読破後に読んでいただきたい、そんな特典小冊子でした。