kurinn
omega no junjo
父王との謁見後に弟の王太子であるファイサルに玄関ホールで呼び止められます。
父王の怒鳴り声を聞かれていたようです。
ファイサルに息子のバドゥルのバース性の検査をすれば、きっとアルファだから父王が喜ぶだろうと言われます。
ラシードにとってバドゥルは、どの性であっても可愛い我が子であるには変わりないのです。
ましてや父王を悦ばせる存在ではありませんでした。
父王に畏敬の念はあるものの、王の権威で息子の家族までコントロールする事が不満でした。
帰宅してレイとバドゥルを捜すと、庭に出来たばかりの砂場で遊んでいるのを見つけました。
2人の顔を見るとホッとして、以前自分がどう過ごしていたか思い出せないほどです。
ラシードは我が子の成長を感じながら早くにレイを見つけていたら、もっとバドゥルに寄り添えてレイにも苦労をさせなかったと後悔しました。
そんなラシードにレイは「初めて会った時からずっと優しくしてくれたから、つらいことも乗り越えられた」と微笑むのでした。
ラシードは過去を悔やむよりいま目の前にいる2人にありったけの愛情を注ぐべきだと思い、自身の幸運を噛み締めたのでした。
バドゥルやレイはもちろんのこと、家族を得たラシードがとても幸せそうでした。