てんてん
torazoku koutei no hateshinaki jiai
本品は『虎族皇帝の果てしなき慈愛』のフェア書店特典ペーパーです。
本編後、ファリドがイリヤに嫉妬するお話です。
雪が解けたことあり、最近のヴィスナーには近隣だけでなく大陸の様々
な国が皇帝との謁見の求めてやってきます。
ファリドの父である前皇帝は息子に大陸制覇の夢を抱いていたようです
が、ファリドは他国からの侵略を受ける気も、わざわざ他の地へ侵攻す
る気もありません。ファリドは既に自身の生において何より大切なもの
を得ているからです。
昼休憩の前、ファリドは近くにいた文官に午後の予定は特にない事を確
認します。初老の文官は長い付き合いで、他の側近よりもファリドのこ
とをわかっており、皇妃の元に行かれるならといくつかの手紙を渡され
ます。
それは地方から届いた感謝の手紙でした。皇妃の提案による農作物の生
産方法により冬の間でも穀物が取れるようになり、今後は冬の間の地方
の生活が随分楽になると思われます。
愛らしいだけでなく、優しく賢いファリドの妃は、ヴィスナーの民の
事を常に考えていてくれます。ノエルもきっとこの手紙を喜ぶだろうと、
自然にファリドの口元も上がっていました。
午後からは休みを取り、昼食を一緒に取ろうと心身つの扉をあけたファ
リドでしたが・・・
A4版片面にてファリドのノエル愛と言うか独占欲が半端ないお話です♪
ノエルは奥の寝台で休んでいて、ゆっくりとファリドが近づくと小さな
寝息が聞こえてきました。柔らかな橙の神に手を伸ばそうとすると、
ノエルの毛布がモゾリと動きました。
よく見るとノエルと同じ毛布の中に小さな虎姿のイリヤがいました。イ
リヤは暖を求めてノエルにもっと近づこうと動き、他意はない事とわか
っていてもファリドは面白くありません。
そのままイリヤを摘まみ上げると、無表情で後ろに控えていたパテリシ
ナに渡し、パテリシナは眠っているイリヤを抱いたまま、寝室を出てい
きます。
部屋の扉が閉じられるとファリドはゆっくりと寝台に上がり、ノエルの
隣に横たわります。おそらく午前中は元気に駆けまわるイリヤに付き合
い、着かれてしまったのでしょう。
穏やかな寝顔はとても可愛らしく、見ていてとても幸せな気持ちになり
ます。ファリドはこの寝顔を護る為ならばどんなことでもできると思い
ながらファリドもゆっくりと瞳を閉じる
・・・という独占欲バリバリなファリドの様子がとってもおかしいSSでした♪
息子にさえも嫉妬するってどうなの!? と思いますが、獣人としてはそれが
正しいのかな!?
ノエルの幸せが感じられるほのぼのしたお話でした (^-^)