てんてん
juuisan ni oshikakenyoubou
本品は『獣医さんに押しかけ女房』のコミコミ特典小冊子です。
本編後、四ノ宮視点で新米スタッフとなった深森のお話です。
四ノ宮が長く地域の「獣医さん」を務めた祖父から設備ごと動物
病院を引継いでまる年が過ぎました。
近所の患畜だけでなく、スタッフもほぼ丸ごと引き継いだので、
同期からはやっかみ半分の嫌味も言われましたが、恵まれていた
との自覚もあり、仕方がないと聞き流していました。
ただ獣医の様なケ池員が必要な職種においては若さは武器ではなく
弱点でもありました。当初は精鋭揃いのスタツフのほうが飼い主に
頼られていましたが、最近は飼い主に不安そうな顔をされなくなっ
てきています。
そんな中なしのみや動物病院ですが、最近加わった新米スタッフは
様子が違います。新米スタッフは大型犬を苦手にしているのに、
犬たちに大人気で、飛びつかれたり舐めまわされてたりしているの
です。
待合室の掃除をしていて、会計待ちのスモモ(ニューファンドランド)
にじゃれつかれ、顔面を舐めまわされたようです。四ノ宮は彼が
犬たちに好かれるのは純粋な人間ではないからだと思っていますが
正体を知らない他のスタッフの前では言えません。
今日の昼食の出前は四ノ宮の希望で軽めの麺類、蕎麦屋になります。
四ノ宮は鴨南蛮、深森には親子丼をすすめ、スタッフはたぬきそば
を注文します。
「たぬきそば」と聞いた深森は顔色を失くし、そんな深森を見た
スタッフは「うどんならきつねがいい」と言い、深森はぷるぷると
身体を震わせ始め・・・
A5判カラー表紙(文庫カバー同イラスト)12頁というボリュームで
深森の勘違いが楽しいお話です♪
四ノ宮はこれ以上放置していると危険なことになると、食後のデザ
ート様に柿があるから撮ってくると、顔を洗う際にシャツの胸元を
濡らしていた深森を連れだす事に成功します。
裏口から委員を出た四ノ宮は数歩歩いたところで特大のため息ととも
にしゃがみこんでしまいます。会話のすれ違いぶりがか可笑しすぎて
噴き出すところ寸前だったのですよ(笑)
深森は人間がたぬきを食べると知って青ざめていますが、タオルを
握りしめて葛藤している深森が可愛すぎて、今は仕舞われている狸耳
と立派な尻尾が見える気までしてきます。
周りを確認した四ノ宮は素早く深森の唇にキスすると、「味見?」と
不思議そうに言われて、色気のなさに脱力しますが、深森の美味しさ
は四ノ宮だけが知っていればいいのです。
人間の言う「食う」にはいつくか異なる意味があるのだと教えてやる
いい機会だと四ノ宮が笑う
・・・というほのぼのでラブラブな可愛いお話でした (^-^)v
深森の天然ぶりはたぬきだから、というだけじゃないですよね(笑)
それだから四ノ宮も深森が可愛くてしかたがなくて、そんなやりとり
がラブラブ感をあげていて楽しかつたです。