ポッチ
omega no chouhi wa amai neya de haramu
コミコミスタジオさんで購入するといただける、おなじみ特典SS小冊子。A5サイズ、12Pの造りです。
小冊子のタイトルは「ファラオによるローマ皇帝の取扱説明書」。
時系列は本編終了後。
本誌のネタバレを含むため、本誌読破後に読まれることをお勧めします。
本誌絡んだネタバレがあります。ご注意ください。
ネフェルのために早朝からいそいそとココナツミルクパンを作るルシウス。
ローマ皇帝がこんなことを…。
と止めに入る侍女たちを制し、ネフェルのために今日も今日とてパンを作る。
それがルシウスの楽しみなのだ。
そんなルシウスの好きにさせているのが、ファラオ・ネフェル。
ファラオに傅くローマ皇帝、の様相を呈していますが、この二人はこのスタイルが一番しっくりくるというナイスカップルです。ネフェルは「ファラオ」という立場に誇りを持っているため態度も実に不遜なのですが、それが彼の孤高さを醸し出し、かつルシウスに対する愛情は本物なので愛情と優しさがにじみ出ているので気持ちがほっこりします。
子どもも生まれ、国は安泰を取り戻し平和そのもの。
愛する番とともに幸せに暮らす二人―。
の姿を描いた小冊子なのですが、この小冊子の萌えどころはそれだけじゃないんです。
ファラオ・ネフェルが見る、「夢」。
そこでネフェルが見たのは、ルシウスの実父と、義理の叔父になり彼らを追い詰めたガルバの2人の過去の関係、そしてそこに起因するルシウスの過酷な過去の境遇。
それらが、ほんのさらりとですが描かれています。
本当にちょっとなんですよ、行数としては。
でも、ガルバの、かつて激しく愛した男に裏切られた悲しみ、そしてそこからルシウスに向けることになった執着心。
そういったものがきっちり読み取れて、切なくも激しく萌える描写でした。
本誌を読んだ時もガルバが気の毒で仕方なかったですが、彼メインのスピンオフも読んでみたいな。華藤さんらしい、壮大なロマンあふれる作品になる気がするのだけれど。
ルシウス×ネフェル、そして二人の可愛い子供たちの、その後が読めたのはすごくうれしかったのだけれど、それに輪をかけてガルバのエピソードが読めたのが非常に良かった。
これから買われる方には、ぜひとも手に取っていただきたいナイスな小冊子でした。