フランク
katakoi no spica
柊吾と抱き合ったあと、まどろみから覚めた弓矢視点のお話です。
それこそトロトロにとろけるほど溺愛されまくってる様子が伝わってきます。
連休に旅行を予定している二人。
サイドテーブルには旅行ガイドが積み重なっているのだけど、目覚めた弓矢が手にしたのは星空の写真集。
それを見て「宇宙へ行きたいの?」と微笑みながら聞いてくる柊吾。
二人で写真集を眺めながら、弓矢は「いつか、一緒に宇宙に行けたらいいな。」と言うんです。
ここまでなら、ただの恋人の睦言を書き留めた甘々すぎるお話で終わってたかもしれないけど違います。
科学技術の進歩が著しい今、個人で宇宙できるようになる日も、そう遠い未来ではないかもしれない。
そんな時代がきたら、もしかしたら、当たり前のように誰もが自分を偽らず、自由に恋ができるようになるかもしれない。と弓矢は思うんです。
でも、宇宙を自由に旅するよりも、いまのこの世界を変えるほうがずっと難しいし、生きているうちには叶わないだろうけど……と思ってしまう弓矢。
私はここが何とも胸に突き刺さりました。
今月で平成が終わって、令和という新しい時代が始まる今。
時代が変わるからって人々の意識が変わるわけでは決してないし、人々の意識や偏見って突然変化するわけではないけれど、少しずつ少しずつ変わっていけばいいなぁって願いました。
そしてそんな胸の内を秘めつつも「新婚旅行が宇宙だったらどこがいい?」「やっぱり乙女座のスピカかな」とあれこれ夢物語を話す恋人たち。
その様子はなんとも愛と夢に満ちていてとにかく甘いのですが、甘いだけではなく、自分たちの力ではどうする事もできないほろ苦い現実を織り交ぜることでとても印象深いSSになっていると思います。
事後の乙矢視点のお話。
この特典、感想を書くのがすごく難しいなぁって思いました。
なんだろう…この読んだ後に満たされる感じは…。
二人の独特の空気感がすっごく出てて
その空気感がとても心地良いんですよね。
話の内容は宇宙旅行のことで、特別なにってないんですけど
宇宙について話してる二人がとても愛おしい気持ちになるんです。
乙矢が見ていた夢の話もすっごく好きで
作家様の言葉の使い方にファンタジーを感じるのかな…。
語彙力のない私には上手く説明出来ないのですが
切なくてきゅんとする特典でした。