長編シリーズといえば、王道ではありますが、やはりタクミくんシリーズでしょう。
この超有名作品、「古い作品はちょっと……」とか「BLカップルがいっぱい出てくる作品って苦手」とか、様々な理由で読んだことがないという方もいらっしゃると思います。
最初は私も、タイトルは知っていましたし書店でも見かけるものの、手に取ることはありませんでした……。

まずはざっくりとストーリーの紹介をさせていただきます。
舞台は山奥にある全寮制の男子校。高校1年生の時の話から始まります。主人公、葉山託生は人から触れられるのが苦手な人間接触嫌悪症。タクミの過去、嫌悪症の克服、そして崎義一（通称ギイ）との恋……タクミとギイと、そして周りの個性的なキャラたちが織り成す純愛ストーリーでございます。

私がこの作品を読もうと思ったきっかけは、実写化された映画（全5作品）です。
3次元のBL……？と、これまた敬遠されがちですが（むしろ、小説を読むよりハードルが高い？）何せ私は俳優さんが好きですので釣られるままうっかり見てしまったわけです。
（もし、興味があるのでしたら映画から見てみるのもいいかも。）
見終わった頃には見事にタクミくんの世界観にはまり、ついに文庫を購入し始めました。

このシリーズ、私は1巻から買っているわけではありません。
冒頭でも少し触れていますが、この作品は出てくる人物のほとんどはそれぞれ彼氏やら好きな人（男）やらがいたりするのですが、それはつまり、選び放題ってことです！
私は主人公カップルよりサイドストーリーのカップルの方が好みでしたので、その二人がメインのタイトルから集めました。
お気に入りの二人を見つけると、より一層楽しめる作品になることと思います。

そんなことを言われても、登場人物なんてわからない！時間に余裕がない！という方には、映画化されたタイトルの原作小説をオススメします。
1作目から「そして春風にささやいて」、「虹色の硝子」、「美貌のディテイル」……と続くのですが、中でも「そして春風にささやいて」は一番最初のお話ですので、まずはこのお話を読んでみると良いかもしれません。
基本は短編が多いので、馴れ初めがわかればあとはストーリーを読んでみて、気になる作品を読んで頂ければと思います。
（私のオススメは「Pure-ピュア-」です！）

とはいえ、このタクミくんシリーズは「王道BL」です。
全寮制男子校、大企業の御曹司、いたるところにBLカップル……それはそれはファンタジーです。
数巻読んで頂いてもピンとこなければ、読み続けてもあまり面白みを感じられないかもしれません。
王道が苦手な私でも楽しく読ませて頂いていますので、まず読んでみる価値はあると思います。

この作品は、長編ならではの、数年に渡る登場人物たちの成長が細やかに描かれています。
彼らのキラキラした高校生活を覗き見してみませんか。