おまえを独占するなんて、叶わないと思ってたイラストレーターの天羽(あもう)と超人気モデルのジョゼは同居中。天羽は美しいジョゼを愛し、ジョゼが他の男と寝ても、帰らない日が続いても、召使いのように従順に受け入れていましたが……。8月25日発売、新井煮干し子先生の新刊コミックス『渾名をくれ』。ジョゼはおれの神様だった――まさかの展開に、天羽は!? それでは「801 AUTHORS 108」第1022回、新井煮干し子先生どうぞ!
Q. 作品紹介をお願いします!1人の人間がある対象を信仰するとはどういうことか、という話です。
「信仰」という行為が持つ自己中心性が対象に何を強いるのか、その対象が生身の人間だったら落としどころはどこになるのか、が描きながら主に考えていたことです。
Q. メインカップルはどんな攻×受ですか?人前に出ないイラストレーターの天羽×天真爛漫で素性の知れないモデルのジョゼ です。
天羽のジョゼに対する思いは執着というかほぼ信仰で、「ジョゼにありのままでいてほしい」という願いが彼の原動力になっています。
Q. 当て馬や重要な脇役は?ジョゼの後輩モデルの剣(つるぎ)です。 当て馬でも相談役でもない第三者として出てきてもらいました。
Q. 今作のこだわりポイントはどのあたりでしょう?一番初めに大まかなテーマを決めた時点で「ジョゼを今まで描いたキャラの中で一番美形にしよう」と考えていたので、ジョゼを描くときはいつも緊張してました。
Q. 苦労した点、また楽しかった点など聞かせてください!「美形ってどんな服着てるんだろう…」という点ですね…。とにかく堂々とまつ毛を長く描けるのが楽しかったです。
Q. 今作にまつわる裏話ってありますか?裏設定というか、逆に設定してないものといえばジョゼのフルネーム、本名です。
当初「学生時代天羽と席が前後なので『ア』から始まる名前」とか考えてたんですが、そのシーンが没になったのでそれすらもなくなりました。
Q. 執筆中の、思い出に残る日常エピソードをご披露願います!「原稿作業中、『
「もののけ姫」はこうして生まれた。』(もののけ姫制作ドキュメンタリーDVD)を延々見ているので自分がもののけ姫制作スタッフの一員になったかのような錯覚に陥る」という妄言を続けていたら複数の友人が「もののけ姫作ったもんね」と言ってくれるようになりました。
Q. 今、何かハマっていることは?『
シン・ゴジラ』が死ぬほど面白くて永遠にシン・ゴジラを見ていたいしシン・ゴジラの話をしてたいです。
Q. 発売に関して今のお気持ちはいかがでしょう?1人でも多くの方に手に取っていただければなあと…それだけです。
Q. ちるちるユーザーにメッセージをどうぞ!新井煮干し子と申します。ここまでお読みくださってありがとうございます。
単行本の帯に「神様」、こちらのインタビューで「信仰」と、わりとスケールの大きい単語が並んでいますが内容は極めて登場人物の少ない、限定された世界の話です。今回のインタビューでご興味持っていただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
担当編集:onBLUE編集部 K成さんよりイラストレーターの天羽にとって、同居人であるスーパーモデル・ジョゼは神様。
自分の意志よりも、神様が思うままに行動しようと思っていたのに、神様であるジョゼの恋心が自分に向いてしまって……?
「信仰の話を描きたいんですよ」と新井先生から切り出された時に、一も二もなく賛同しました。
新井先生と好きな作品のお話などをしていると、キャラ萌えの話から最終的に信仰や崇拝、神様などのお話に行きつくことが多かったからです。
そのお話が本当に面白くて大好きなので、「執着や信仰のあるキャラが好き」という新井先生の萌えを
全力で発揮できる物語を描いていただきたいと思いました。
お互いが相手への愛を抱いているのに、愛し方が同じじゃないからすべてをわかり合うことができない。
きっとそれは愛し合う2人の間で少なからず絶対に起きていることだと思いますが、信仰というあまりに純度の高い愛ゆえに特別な物語になりました。
2人の関係の結末はとても人間的で、いとおしいものです。
ぜひぜひお手に取って、2人の関係を見届けてください!
「ジョゼを今まで描いたキャラの中で一番美形に」という新井先生の意気込みが詰まった、美しいジョゼを眺めるだけでも眼福です!!!
コミックス『渾名をくれ』特典情報(C)新井煮干し子/祥伝社