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ボーイズラブ小説って、有害なんでしょうか? 堺市の図書館で、ボーイズラブ小説を購入していたことに、ひとりの「市民」からクレームがついて、一時はボーイズラブ小説を閉架書庫に移して、18歳未満への貸出を禁止するなどの騒ぎに(今は改善されたそう)。 ところで、一時排除が決定された「有害指定」本のリストが、ネット上でみられます。これがちょっと面白い。http://blog.goo.ne.jp/teramachi-t/e/2811daaaeef1224638be521f3e226efa ついうっかりダウンロードしたあと、印刷してしまったら、トナーがなくなってしまいました。印刷するひとは、覚悟を決めてくださいね。ダウンロードもだけど。 禁書、っていうことで、どんなにエロエロ~なのかと期待していたら、意外な結果に肩透かしです。だって、有害率も高くて、冊数も2位の作家さんは、鹿住槙さんなんだもん。がっくし…。鹿住さんって、わたしのイメージでは、往年のコバルトシリーズみたいにほのぼので、男子高校生が放課後にカップヌードル食べながら、じゃれあっているような感じ(って、『放課後のカップヌードル』って題名を思い出しただけでした。これも有害指定)。 鹿住さんの代表作といえば『ヤバイ気持ち』。これも有害指定だけど、いちおうベッドシーンもあるものの、女子高生が援助交際している時代に、こんな同級生同士のぎこちないベッドシーンなんて、可愛いと思いこそすれ、…駄目なんですかね? 堺市では、団鬼六先生の小説が開架にもあるようですが、基準がまったくよくわからん!! それに、渡辺淳一大先生の小説のほうが、よっぽど、おやぢで有害なのでは…!? エッチしながら心中ですよ(『失楽園』、読んでないけど)。 7位はなんと、秋月こおさんです。作者が元熊本市議でも、フジミシリーズも駄目だって。好きなのに。やっぱり、指揮者×バイオリニストの愛と苦悩の日々っていう、完全な音楽小説になりかけているのを防ぐためか、毎回1冊に1回ある、あのサービスエッチがいけなかったんでしょうか? 確かに悠季の喘ぎ声がだんだん安っぽくなってきているのは、わたしも気にはなっていたんですけど…。 友人によると、「フジミはさぁ、やっぱりあのワーグナーのシーンが、有害なんじゃないの?」。秋月先生の初体験は、血だらけなことが多いんですけど、確かにワーグナーをかけながら無理やりセックスを迫ったらいけないですよね。でも、ロリコン漫画を読んでいると幼女に実行したくなるという理由で禁止がいいわたされることがありますが、その論理でいくと、ワーグナーかけながら性関係を無理に迫りたくなるような乙女はいないと思うので、大丈夫じゃないんでしょうか?(そういう意味ではないですか?)。 氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」シリーズを読んで、古文を好きになったり、平安時代の勉強をしたりしたわたしとしては、秋月さんの「ロマンセ」シリーズなんかも、歴史に関心をもつ入り口としてはいいんじゃないかと思うので、とても残念です。 実際に、堺市の図書館にリクエストを出して本の購入を依頼したり、貸し出しを受けたりしているのに、ほとんど未成年はいないそう(朝日新聞2008年11月14日)。おそらく30代、40代の女性が多いんじゃないかな。そりゃそうですよね、ティーンエージャーがリクエスト出してまで図書館でボーイズラブ小説読むかって聞いたら、まだ羞恥心が勝ちそうだし。活字離れが進行するなか、ボーイズラブ小説でもいいから読んでいるうちに、活字好きになるなら、それはそれで立派なのでは。それに、子どもへの影響が心配な父兄には、実際に援助交際やったり、不順異性交遊(死語)に励むこともなく、腐女子やってる子たちのほうが、「ご心配」なことは少ないんじゃないかといってあげたいです。いったい何を心配しているのか、よくわからないけれども。 青少年への悪影響という意味では、心配してしまったのは、木原音瀬さんです。人間存在を問いなおすような、木原さんの小説にある「毒」に、若いうちに触れてしまったら、あっぱらぱぁ~と生きられなくなっちゃいますよね(笑)。で、木原さんの小説は、18冊購入されていて、禁書は12冊。基準がよくわからないけど、『さようなら、と君は手を振った』が入っています。これは駄目ですよね。恋愛にはまって、子どもよりも男に溺れるお父さんの話だもん。若いうちからこんな小説を読んでいたら、何もかもを捨てて恋に生きる、恋愛体質の女性になっちゃいます。『セカンド・セレナーデ』も、ろくでもない性悪と知りながら受けを愛す攻めの話でした。悪いダメ男を好きになってもそれはそれで幸せだと思っちゃう大人になるかも(両方冗談です、念のため)。 でも、『B.L.T』は禁書に入っていないの。どうして? 会社員が男子中学生に痴漢をはたらいて、連れまわすというお話なのに。『片想い』や『プレイス』が駄目で、『B.L.T』はOKという基準が、まったくもってわかりません!! あと、『箱の中』と『檻の外』は、ダ・ビィンチのBL芥川賞をとっている作品なので、図書館に入れてあげて欲しかったなぁ。名作なのにさ。リクエスト、なかったんでしょうか? わたしは手元にもっておきたいし、作家さんに印税もいれてあげたいので、基本的にはボーイズラブ小説もコミックも購入する派なんですが、某中古本サイトで異様な高値がついていたり、そもそももう出回ったりしていない絶版本が、図書館にあるのはいいものだなぁと思いました。木原さんの本には、かなりお金をつぎ込んだんだけど、『黄色いダイアモンド』とか、まだ買えていないし。自分が住んでいる行政区域の図書館の品揃えに、そもそもがっくりきているので諦めていますが、絶版本は保護して欲しい。そういうことができるのは、図書館だけなんじゃないかと思います。 最後に。烏城あきらさんの、許可証シリーズが禁書なのが解せないです。やっぱり、全編風呂場でのセックスシリーズだったから、駄目なんでしょうか? 勤労小説で、本当に面白いのに!!
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