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ここ数年監禁、調教などのSM要素の濃い作品が増えてきましたが「犬」という存在は特殊かもしれません。 「犬」には、依存しすべてを委ねる快感が存在すると思います。 対象者を人間扱いしないという点では、男性向けコミックにもありがちですが、犬視点でかつその扱いを受け入れ、その立ち位置に納得し、主人に忠誠を誓うというのは、女性ならではの犬解釈ではないでしょうか。 榎田尤利先生の「犬ほど素敵な商売はない」では、主人公三浦は寂しい金持ちにペットのようにかわいがられるという誘い文句から会員制デートクラブ「PetLovers」に勤めはじめます。 そこで、寡黙で孤独な轡田のところに、ペットとして派遣されますが・・。最初は犬扱いに屈辱感と恥辱を感じますが、金のために轡田に膝をおります。 最初はいやだったはずなのに、犬としてうまく振る舞えたときに轡田に心からほめてもらえペットとして大切に扱われることにやがて喜びを感じるようになります。 依存し、命さえ委ねられる安心感です。乳児が母親にすべてを委ねているように、何もかも放棄し主人に依存するのです。 大人であれ、自立せよとせき立てられるためか、年々思春期を迎える時期は早まっているといわれています。その分を取り戻すように、すべてを委ねられる存在に強く憧れるのかもしれません。 犬として、主人を思う心は、母親への信頼感かもしれません。実際の母親ではなく、象徴としての母性なのだと思います。 榎田作品は犬である存在を受け入れていく課程に重点をおいて書かれていますが、玄上八絹先生の「しもべと犬」は近未来が舞台です。犬になる課程は省かれ、最初から犬の遺伝子を組み込まれた人造人間として登場します。 遺伝子に組み込まれているので、出会った最初のその時から主人を慕い忠誠を誓います。主人に喜んでもらいほめてもらうことが生きていくための目的であり、ひたすら主人を慕っています。 しかし、「しもべと犬」ではその主人にいつまでも愛してもらえない悲哀が綴られます。自分のすべて、命さえも預けさせて欲しいとたった一人の人を想いつづけるひたむきさに、胸を打たれその分、やっと主人と心を通わせられることができるラストは凄烈です。 日々アグレッシブな生活を過ごしている女性にこそ、こういう犬作品を読んでいただき一時安穏な時間を味わって頂きたいとおもいます。
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