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■ 恋惑星へようこそ/砂原糖子/南野ましろ/Dear+文庫 ゆるい高校生活を送っている池上未知也は、先輩の西ヶ谷に誘われ南の島で夏休みを過ごす予定になっていた。しかし、先に行っていた西ヶ谷から届いた小包により事態は一変。中に入っていたのは謎のスライム状の生き物で、自分は西ヶ谷だと言い出した。謎の生物は、普段は人間の姿になり人類に紛れ生きているのだと言う。生理的に受け付けない不気味な見た目に戸惑いながらも、トラブルで人間の姿に戻れなくなった「宇宙人」を未知也はしばらく匿うことになってしまった。そんな中、犬猿の仲だった同級生・瑞野と一緒にバイトをする事になるのだが…。 という、宇宙人と高校生の話です。 人間の姿にもなれるけれど、元の姿はスライム状の軟体生物の宇宙人。 実はすでに人類に紛れて生きているという設定は、ノリと勢いで、特に違和感を抱くことなく頭に入りました。 未知也は少しお馬鹿で単純な性格の高校生で、宇宙人の見た目に文句を言いながらも巻き込まれていきます。 でも、未知也と違い宇宙人は知能が高そうなのに、宇宙人の未知也に対する言動はぎこちなさがあって、ふたりの関係はなかなかスムーズにはいきません。 それは、宇宙人が密かに未知也に想いを寄せているから。 ずっと人間の世界に紛れて生きてきた宇宙人ならもっとスマートに事を運びそうなのに、そうじゃない。 宇宙人ネタですが、恋愛の中身は不器用な高校生同士の話でした。 恋愛面では特に深い心理描写やエピソードがあるわけではなく、全編通してラブコメです。 そして、宇宙人ネタもBLでは相当イロモノですが、注目ポイントは触手ですよ! スライム状の宇宙人に襲われてしまう未知也…! 攻が操っている道具とか植物などが触手なのではなく、攻本体が触手になっているという設定です。なんだか新鮮。 私は触手モノを特別多く読んでいるわけではありませんが、今までの経験では大概の触手は植物や蛇などでした。 そもそも攻がスライムなんて、異世界ファンタジーでもなかなか登場しませんよね〜。 触手から見た未知也のいろいろな部分について知りたくなりました(笑) 構えず気楽に読めるコメディです。 コメディなので多少突っ込みどころがあってもノリと勢いがあれば大丈夫! いや、エロがエロければ大概の事は乗り越えられる!!…のかもしれない(笑)深く考えず、触手を楽しめばよし。 かわいらしいイロモノBLが読みたい方にオススメです。 -- さてさて、「触手」はお好きですか? 今回は、「触手」つながりでもう1冊、こちらの作品を紹介したいと思います! ■ 王子隷属~仙孤異聞~/矢城米花/陸裕千景子/シャレード文庫(2007,2008年) 蔡紹維は綺国の第1王子だが妾腹であるため、弟の勇圭が次期王となる事が決まっている。紹維の存在を不穏分子とみている家臣もいるが、紹維は勇圭を大切に思い、勇圭も過ぎるほどに紹維を慕っていた。ある時、隣国との戦いの最中、都の守りを任されていた叔父・義寿が反乱を起こし、父である綺国の王が殺され、兄弟は追われる身になってしまう。そして、魔物が棲みついていると言われる山に迷い込んでしまったふたり。魔物に襲われこれまでかと思った時、紹維がお守りとして持っていた白玉から仙孤が現れ、命を助けられる。しかし、朱炎流と名乗ったその仙孤に紹維は無理矢理犯され、勇圭を守る見返りに奴隷となる契約をする事に。その契約を隠したまま、紹維は義寿を打つため勇圭と共に動き出すのだが…。 という、人間と仙孤の話。 舞台は三国時代の中国あたりの雰囲気の世界で、そこでは魔物や神の使い、呪術などの存在を人々は受け入れています。 内乱の話に、人外の世界の復讐劇が大きく絡んでいく形で話が進んでいきます。主人公の紹維は、武士としての能力やカリスマ性を持っている勇圭とは対照的に頭脳派で、性格も大人しい青年。 一方の炎流は、人々から崇められるような存在である仙孤であるにも関わらず、口が悪く荒っぽい性格で、欲望のままに行動する仙孤。 真面目な紹維にとって炎流は理解しづらい、横暴で乱暴な男だと最初は思われていますが、徐々にその邪気のない性格が分かってきて考えを変えていく。 ふたりが惹かれ合うまでの気持ちの変化が、黒牙との戦いの中で養われていきます。 登場人物の心理描写も、内乱の行方も、伏線や過去のエピソードが最後まで配置されていて、ダイナミックな展開に読んでいてワクワクさせられました。 意外なところに潜んでいた伏線に驚いてみたり、納得してみたり。 全体的にエロ盛り沢山な展開ですが、それが話の流れから浮いておらず、しっかり読み応えのある作品にまとまっています。 窮地に陥っても、その場しのぎのご都合主義で解決するのではなく、理にかなった展開になっているのですが、それは濡れ場も同様。 輪姦されそうになった紹維が挿入寸前で助け出される!という、出来すぎたシーンもありません(笑) エロ萌え的には都合良い展開で、たっぷり弄り回される紹維を堪能できます。無理矢理シーンがいっぱい!(肉体的に痛い描写が苦手な方は厳しいかもしれません) そんな中、「触手」も大活躍!! 王道(?)の植物触手あり、蛇触手もあり。 さすが多くの触手作品を出されている矢城先生、触手描写がステキで萌えツボを揺さぶってきますね! 王道の触手エロをじっくり堪能できますよ! 作品の世界観ともよくマッチしていて、違和感なく「触手」を堪能できる1冊です。 感触も形も様々。拘束するだけではなく、いろいろな事が同時に出来る触手の可能性は∞! これまで興味のなかった方も、体験されてみては? 新たな萌えの扉が開くかもしれません…!
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