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レビューを読むとネタバレになってしまう絶品のストーリー2009年度コミックランキング5『猿喰山疑獄事件』 レビューを読むとネタバレになってしまう緻密なストーリー展開の同作品。発売当時はコアなBLユーザーの心を射止め軒並み高評価を受けたが、実売的に振るわなかった。しかし、もともと力のある作品であるので、現在でも散発的に高い評価を受け続けている。 同作品からユーザーを遠ざけている理由は、ひとえに絵柄によるところが大きいが、一度読んでみると、ストーリーの面白さに引き込まれることは確実だ。 オリジナル原作のコラボ大成功! 新しい時代の扉を開いたか2009年度コミックランキング3位『セブンデイズ FRIDAY→SUNDAY』 小説家のオリジナル原作をコミカライズして大ヒットした作品の後半部。宝井理人の作画と雰囲気が絶妙にマッチして、得も言われぬ空間、雰囲気を生み出した。これまで小説のコミカライズ化はたびたび行われていたが、どうしても最初に読んだ媒体の印象に引っ張られるためにユーザーにとって痛し痒しというのがホンネだろう。小説家がストーリーを担当し、作画は漫画家して同時進行していくコラボで大ヒットしたのは今後に大きな影響を与えるかと思ったが、このような形で発表される作品は非常に少ない。編集者、作家の調整が非常にやっかいなのが原因だろうか。 爆発的大ヒット! BL最強シリーズのひとつとして確立2009年度小説ランキング1位『交渉人は振り返る』 2011年に完結した「交渉人」シリーズの3作目。これまでちるちるに書かれたレビューをおさらいすると、おそらくファンの気持ちが最高潮に達していた頃であろう。そしてこの3作目の高評価によって「交渉人」シリーズの評価は揺るぎないものとして確立された。それだけ感慨深い1作といえる。ストーリーも一級品だが、それをエンターテイメントとして表現しきった榎田尤利のあふれる才能には脱帽である。 2009年度は、近年稀に見る大ヒット作が生まれた年であった。 『俎上の鯉は二度跳ねる』 と 『卒業生』である。 どちらも前作の続編となっているが、実は前作で物語の決着がほぼついている作品だ。そうした作品は往々にして蛇足になってしまうケースがあるのだが、この2作は前作以上に多くの感動を与えた。 さらに両作品は、BLでは好き嫌いの分かれる絵柄、かつ内容展開も王道のエンターテイメントストーリーとはちがい、キャラクターが紆余曲折を経て型通りのエンドにいたらないという作品だった。にもかかわらず、圧倒的な支持を得たのは、ユーザーが既存のBLコンテンツに対して物足りなさをどこか感じていたのだろう。 フィニッシュに至る必然性のストーリー、その説得力こそが、さらなる萌えをもたらす。BLユーザーは、この両作品にその気持ちを託したといえよう。 小説は、2008年度に引き続き、木原音瀬が無類の強さを見せた。ランキング1位は榎田尤利に座を譲ったが、ランキング2位~4位を総ざらい。そして5位には再び榎田尤利が入る。そろそろ新しい才能が台頭が待たれるところだが、翌年度は一転して小説戦国時代に突入するのだった。
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