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■ トレインビースト/西野花/織田涼歌/花丸文庫BLACK 厳格な祖母に監視され、羽目を外すことなく生きてきた公務員の柿崎忍。 ある日、忍は大学時代の友人で密かに想いを抱いていた新井から助けて欲しいと言われ、指定された電車に乗り込んだ。 しかしそれは特別な目的を持った電車で…。 忍が乗り込んだのは、痴漢プレイを楽しみたいという欲求を満たすため、佐伯という男が特別に用意した電車。 何も知らず放り込まれた忍は、男たちの欲望に汚されていくのだが…という、痴漢電車という架空の電車を舞台にした話です。 タイトルと表紙、そして作家さんとレーベルで既にご承知の方も多いと思いますが、とてもエロです。ひたすらエロです。今回は特に、AVのようなネタです。 ひとつお断りしておくと、この手の話を読んでいるからと言って、実際の「痴漢」を肯定しているわけでは全くありません。 これは「痴漢」ではなく「痴漢プレイ」です。 BLでは度々登場するこの「痴漢プレイ」ですが、苦手な方も多いと思います。 私も普段は食指が動きません。 それは一般の人が周りにいる状況だから。 例えフィクションだとしても、居たたまれなく感じてしまい話に入り込めないのです。 でも、この作品は違いました。 この電車には一般人がいないのです! こんな企画実際無理でしょ!というツッコミはさておき、これは痴漢行為をしたい人たちがされたい人を相手に痴漢する、疑似痴漢乱交パーティなわけです。 乗っているのはそんな変態さんばかりなので、変な心配をすることなく読めました。 まぁ、罠に嵌められた忍にとっては痴漢どころではなく、欲望丸出しの男たちに襲われているというもっと酷い状況ですが…。 何はともあれ、そんな強引なやり方で今まで知らなかった自分の性癖を知る事になった忍は、佐伯と新井の誘導に逆らうことが出来ず、どんどん堕ちていきます。 最初から怒濤のエロ展開!! 回数も内容も濃厚で、最後まで萌えが冷めることなくたっぷり堪能できました。 それにしても、一体この状況で誰と恋愛に発展するのかと思っていましたが、おさまるところに収まりました。 佐伯や新井のやっている事は冷静に考えると犯罪なのでは…と心配になりますが、最終的には割れ鍋に綴じ蓋ですね。 忍はきっと佐伯や新井よりも度を超した変態さんなので、喰われたように見えても、実際喰われたのは佐伯と新井なのだと思います。 強引な設定と展開で、けして恋愛要素や心理描写がしっかりしているわけではありませんが、意外と話はうまく収まっています。 ずっとガチガチに押さえつけられていた忍の心が、こうした強引なプレイによって解放されていくという構図が分かりやすく面白い。 本当の自分をさらけ出す事が出来る相手に出会いたいと願うのは、恋愛では珍しくない感情だと思います。 忍の場合は極端ですが、ベースとなっている感情に共感できるので受け入れやすいのではないでしょうか。 ということで、痴漢電車な西野花先生の新刊でした! 疑似痴漢電車という、まさに萌えのためにあるミラクルトレイン。 勢いのある展開に加え、萌え満載で疲れが吹き飛びます。 今回は、そんな西野花先生の作品をもう1冊ご紹介。 ■カグツチ閨唄/西野花/汞りょう/リリ文庫 「カグツチ」と呼ばれる、ある能力をもった一族の末裔である奏。 深い山々に囲まれた禰矢琴町に伝わる「カグツチ」の能力は、「蜜取り」という儀式で男たちと交わり、体液を与えることで同時に運を授けるというもの。 男たちを誘惑する能力を持つ「カグツチ」の力が及ばないのは、「鶺鴒」と呼ばれる能力者だけ。 母亡き後ただ1人の「カグツチ」である奏は、「鶺鴒」である将彦によりその能力を管理されていた。 過酷な運命を背負いながらも、密かに想いを寄せている将彦との生活が奏の心の支え。 そんな奏の前に、ある日、東京からやってきたジャーナリスト・都築が現れ、奏は動揺しながらも惹かれてしまい…。 という、因習モノ。山深い町で、「カグツチ」が性交を介して力を与えているという設定です。 「蜜取り」でたくさんの男たちに抱かれる立場にある奏ですが、淫蕩な身体を慰めるには必要な行為でもあり、決して嫌がっているわけではありません。 ただ、普段から男たちの欲情の的になり、自分の性欲にも翻弄されてしまう奏は普通の生活をする事は出来なくて、将彦の庇護の元狭い世界で生きていくしかない。 奏は自分の置かれた状況に時々不安を感じていますが、「鶺鴒」と「カグツチ」という関係があるからこそ、将彦が抱いてくれる。だから頑張れる。 そう思っている奏は、自分の気持ちを打ち明けていません。 そんな中現れた都築は当て馬なのかと思いきや…気持ちより先に身体が反応してしまう奏が流石でした。 前置きが長くなりましたが、何はともあれ、設定とか展開とか、すべてはエロのお膳立てですよ! 「カグツチ」の設定はけしからんくらいエロですね! 「蜜取り」で抱かれて力を与えていますが、奏が相手を喰っていると言った方がしっくりきます。 そして「鶺鴒」は別腹という勢いで将彦に抱かれる奏…。 底なしの淫乱受っぷりが壮観でした。 そんな身体と健気な性格のギャップが萌えます。 都築の登場は必要なのだろうかと思っていましたが、こんな底なしの奏を満たすには将彦ひとりでは無理ですよね。 そう気付いたら妙に納得してしまいました。 ということで、こちらは因習エロの美味しい作品です。 淫蕩な身体に翻弄される受は可愛いですね~。 秋の夜長に、こんなエンタメ萌えBLは如何でしょうか?
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