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■ 幾千の夜 第二夜/木下けい子/ミリオンコミックス 幼馴染みの宙と哲弥だが、哲弥の大学進学を切っ掛けに距離を置いていた。 そんな中、高校卒業間際に家を飛び出した宙は哲弥に助けを求め、勧められるまま居候することに。 哲弥は優しいし、ずっとここにいろとも言ってくれる。 でも、その距離は近いようで遠く、哲弥にキスをされてもその真意が分からないまま宙は不安を感じていたのだが…。 「幾千の夜 第一夜」の続編です。 宙を守りたいと思う一方で自分がいつか宙を傷つける存在になってしまうのではないかと恐れた哲弥は、大学進学を機に家を出て宙から離れていたのですが、助けを求める宙の電話を受けてその手を再び取る。 これで上手く行くかと思ったら…あぁぁもどかしい! 互いの気持ちを伝えて恋人同士になっても、そう簡単にはわかり合えません。 宙と離れ、恋人も出来て、新しい生活を送っていても、哲弥の心の中にはずっと宙がいた。 一方の宙も、自分の中にある哲弥への特別な想いを自覚していて、もう哲弥から離れたくないと願っている。 それなのに、どこかふたりの気持ちは噛み合いません。お互いに求め合っているのに、すれ違ってしまう。 宙を守ってやりたいと思っている哲弥と、ずっと一緒にいるために自分が成長しなくてはと思っている宙の生活は、すぐに破綻を迎えます。 第一夜では、気持ちを自覚していない宙の側の問題だと思っていたのですが、第二夜では哲弥の方が空回って自滅していました。 もちろん上手くいかなかった原因は宙にもあるだろうけれど、でも、宙は元々見た目よりしっかりしているし、家を出たことで自立心も芽生えている。 それなのに、哲弥はいつまでも宙を守るべき存在だと思っていて、今の宙を見てない。 相当長い間抱えてきた宙への気持ちをコントロール出来ないのは分かるし、頼りなさげな宙を見てハラハラしてしまうのも分かります。 でも、宙だって成長しているし、それにまだ君大学生ですから! 精神的にも経済力的にも、宙を抱え込むなんて哲弥にはムリなのです。 ようやく互いの気持ちが繋がったのに、幼いふたりの恋はすぐに行き詰まってしまうのでした。 続巻は2年後くらい?と思っていたので1年で出てホッとしました……が、またすごく気になる所で終わっているし!しかも次の再会は社会人になってからですか?! 早く…早く続きが読みたいです、木下先生…。 第一夜は宙が中学3年生くらいから高校3年生までの4年間余りが描かれていて、その間で宙はかなり成長していました。この第二夜の半年くらいの間でも、宙はどんどん大人になっている。 でも哲弥はそれに気付かない、気付こうとしないからふたりの気持ちがすれ違ってしまうのですよね…。 木下先生のマンガには心掴まれるシーンが何度も出てきます。 今回もまた、ドキッとさせられる表情がいっぱいでした。 数年後のふたりがどうなっているのか、どうやってふたりの気持ちが再び絡み合うのか、続きが気になって仕方ない! ■僕はすべてを知っている/高久尚子/Charaコミックス 包茎整形専門のさいかわクリニックの跡取り息子である犀川千博は、毎日仕事で見る問題を抱えた性器たちにうんざりしていた。 ある日、街で見かけた男性・浅野歩が絶世の美チンの持ち主だと見抜き、浅野の股間に一目惚れ! 犀川は美チンを見るべく浅野に近づくけれど、下半身目当てだと思われてしまい…。 という、あらすじを見ていただければ分かると思いますが、コメディです。 タイトルと表紙だけ見て買ってしまった方は「えぇぇぇ?!」と叫びそうな勢いで激しくコメディです(笑) 設定からして、犀川は「包茎整形」のお医者さんですから! この犀川が専門バカと言えば聞こえはいいですが(いいか?)、とっても変態さん。 ゲイとかそういう枠を超えて、美しいチ○コを愛しています。 しかし服の上からでも分かるって一体どういうことなんですか(笑) 形状はともかく、色とかどうやって分かるの!…という突っ込みはおいといて、浅野の下半身に一目惚れしてしまう犀川先生。 切っ掛けは下半身でも、次第にちゃんと浅野自身に惚れていくのですが、下半身に惚れられたと知って浅野がいい気分になるわけがないですよね…。 当然のことながらショックを受けます。 そんなこんなの気持ちのすれ違いや、嫉妬や猜疑心から起こるトラブルを乗り越え、ふたりの絆は深まっていくのでした。 犀川の変態さも、ちょっと天然な浅野も可愛かったです! 診察台の上の浅野に萌えまくり。 まさかの内容に吃驚した高久先生の新刊でした(笑) 「君の下半身は世界一美しい!」というインパクトある帯がステキ! 帯は本編読む前に見たのである程度予想はしていたものの、高久先生が商業誌でこんなに突っ走った話とは…! 驚きはありましたが、犀川と浅野のキャラも立っているし、テンポもよくてコメディとして面白かったです。 脇で登場していたさいかわクリニックの医師・金沢と、当て馬だった患者・加賀がすごく気になります。金沢くん、喰われちゃえばいいのに…。 スピンオフがあるといいなぁと思います。 高久先生の作品は、マンガも挿絵も何故かとても萌え心鷲掴みにされます! それはBL本でとても重要な魅力ですよね。 そしてなにより、今回のコミックスは高久先生自身が楽しんでいる空気が伝わってきて、読んでいて私もワクワクしました。 これからも楽しみにしています♪
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