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最近BL界でめきめきと頭角をあらわし始めている漫画家さんと言われ、岡田屋鉄蔵さんの名前をあげて異論のある方はいるまい。 初めて目にしたコミックは黄色い表紙に綺麗系のBL路線とはかけ離れたインパクトのある男二人のイラスト。今までならこの絵柄をみただけで躊躇したであろう雰囲気のコミックを手に取ったのはひとえに自分が良く行くブログの感想がどこも良かったからに他ならない。 そして、表紙からのイメージから寸分たがわずの男らしい肉体のぶつかり合いが目に飛び込んできて一瞬目が点になった。今まで自分が読んできたものと一線を画した絵柄にまず戸惑いを覚え、最初は少し恐る恐ると言った感じで読み進めたのだが、それも物語を読み進めるごとに不思議と気にならなうなってきたのだ。 新人とは思えぬ重みのあるストーリーに画力、短編の寄せ集めで出来た1冊とは違うからか。話しの腰を折られてしまうような物足りなさも感じず、メインではないキャラでも魅力的な人物が沢山いて、それぞれの背景をのぞいて見たくなる。 気がつけばいつの間にかすっかり作品にのめり込んでいて。読み終わったころには、この方ならHPを持っているに違いないと決め付け「岡田屋鉄蔵」の名前で検索をしてしまったほど嵌っていたのだからおかしな物だ。 HPを拝見してみると、どうやら某人気コミックの二次創作をやられていた方だと言う事がわかる、最近まで私にはほとんど興味の無いジャンルだったので全く存じ上げなかったが、その手のジャンルに詳しい方ならアマチュア時代から岡田屋さんの名前を良く知っている人は沢山いるのかもしれない。 また、短い作品を数多くこなすタイプの方ではないようなので、その分、作品を目にする機会は少なくなるだろうが土台のしっかりした中身のあるストーリーを毎回読ませてくれるのではと期待が持てるところも嬉しい限りだ。 デビューコミックとなった「タンゴの男」は続編が決まっていたにもかかわらず、雑誌が休刊になってしまうと言う憂き目に合い続編発行が中止になってしまったのは非常に残念だが、昨年リブレからも読み応えのある1冊を出されている事を見ても、これからの活躍に期待が持てる。 これからめきめきと頭角を現し、お蔵入りになってしまったあの1冊も、きっとそのうち日の目を見る日が来るだろうと私はそう信じているのだ。
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