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■全ての恋は病から/著者:凪良ゆう/挿絵:車折まゆ/花丸文庫 大学生の佐藤夏市はある病気に冒されている。 それは『二十四時間・三百六十五日人肌に触りたい病』。 しかも男限定。 幸運なことに家族の理解は得られたけれど、その欲求はなかなか満たされない。 なんとか巨大なぬいぐるみで癒されることで発散しているが、それにも限界を感じていた時、サークルの先輩・椎名一貴が隣に越してきた。 容姿端麗、成績優秀だが態度の悪い椎名に腹を立てていた夏市は、偶然椎名秘密を知ってしまう。 お互いに人に言えない悩みを解決するために提案した交換条件で、椎名を触る権利を得た夏市だが…。 ふたりとも人には言えない秘密を抱えています。 夏市は人肌に触りたい病。 そして椎名は……ここでは伏せておきますが、かなりの威力です。 夏市の悩みなんか可愛く思えてきますよ(笑) しかもそれが表では爽やかでかっこいい「経済学部の王子」と呼ばれている椎名だから、その衝撃は相当なものです。 オレ様で文句ばかりの椎名は夏市の好みとはかけ離れているけれど、知ってしまった惨状は無視できず、手助けする代わりに椎名を触る権利を得ることに。 でも、それによって予想外な椎名の可愛さを知ってしまい、夏市は惹かれていきます。 遊び慣れているように見えて実はほとんど経験がなく、自慰すら時々しかしないというその初心さ。態度とは裏腹に敏感な身体。 子供っぽい我が儘を言う椎名の世話をする事にも、次第に夏市は楽しさを覚えていく。 この夏市の興奮具合がすごく楽しい! 読みながら自分も一緒にテンション上がっていきます。 家族の理解があるからという事もあると思いますが、夏市は悩みを抱えつつとても明るい性格です。 見た目はごついけど、愛されキャラ。 大きなぬいぐるみをモフモフして癒されるという感覚はすごく理解できるし、そんな姿を想像するともう微笑ましくて仕方ない。 そして、椎名の表の顔とのギャップは予想以上の破壊力があります。 ツンとした女王様なのに、中身がこんな初心なんて反則だ…!! でも、夏市にしても椎名にしても、実際にこのギャップを可愛いと思って、付き合っていける人なんてそうそういませんよね。 椎名と夏市のカップリングは、まさに割れ鍋に綴じ蓋。 ぴったりの相手を見つけることが出来て良かったね!と言いたくなりました(笑) エロがまたすごく楽しい! 夏市の変態具合と、椎名の可愛さに萌えまくりでした。 そして、あとがきで凪良先生が力強く叫んでいた単語にテンション上がります(笑) ということで、凪良先生のラブコメ面白かったです。 ふたりのキャラ設定が上手くて、キャラが生き生きしていますね。 まさに「疲れた頭を癒すエロコメディ」でした! ■あなたのためならどこまでも/中村明日美子/花音コミックス 中編が2話、短編が1話収録されています。 ではまず、各話のあらすじと感想を簡単に。 『あなたのためならどこまでも』 1年間追いかけていた犯人・七海洋一をようやく捕らえた刑事の高千穂巧。 しかしそこは不便な離島で…。 七海は結婚詐欺師。 高千穂という刑事が自分を追っている事を分かっていて、あえてとある離島で捕まります。 逃げられないようにふたりの手首を手錠で繋げた高千穂を、ここぞとばかりに振り回して迫る七海。 ふたりの間に妙な連帯感が生まれて、高千穂の心が揺れるのだが…という、逃亡者とそれを追う刑事の話なのですが、シリアスではありません、ラブコメです! 何度もいい雰囲気になりつつ邪魔が入る展開で、「いいとこだったのに!」と残念に思いつつも、毎回オチが面白いからほっこりする。 他にも話の中に細かいツッコミがたくさんあって、思わずプッと吹き出しそうになるのですよ。 高千穂は黙っていれば美形のインテリ刑事なのにちょっと抜けていて、七海と居るとさらに拍車をかけてヘタレるのが可愛い! そして表情がエロっ! ところどころに出てくるふたりの真剣な顔と、ギャグな所と、そして色気のあるシーンのギャップとバランスが秀逸でした。 話もすごく面白いです。 改めて明日美子先生のセンスの良さを感じる作品でした! 『マジカル執事』 訪問販売員と執事の話。 ショートなのにこんなにキャラが立っているってすごいなぁ。 この執事のようなちょっとずれた思考の変態さん、明日美子先生の漫画に似合いますね(笑) 『のんのん』 『のんのんののち』 『のんのんのん』 山田と石丸は、高校1年生の時に出会って以来仲がいい。 だがふとしたことから、お互いに相手の気持ちが気になり始め…。 恋愛感情なんてなかったのに、相手が自分のことを好きかもしれないと思った事で、意識し始めてしまうふたり。 意識し始めたから好きになったのか、好きになったから意識し始めたのか、その判断は難しいけれど、実際にそういう事ってありますよね〜。 そのやりとりも微笑ましいけれど、この話で一番萌えたのは…女装エッチでした!! なんなのこのエロさ! ちゃんと男なのに、なんでこんなに似合っているのだ! 目を輝かせてお願いしている山田に共感してしまったじゃないですか(笑) はだけた衣装からのぞく胸や背中や腕から放出されている色気に、萌え悶えました。 石丸くんったらもう!! -- ということで、明日美子先生のラブコメでした。 ラブコメなので笑い所満載なのは当然ですが、ちゃんと萌えもいっぱいあって大満足です! そして、どのキャラにも愛着が沸いてくる。 画もキレイだし、笑いのツボも心得ているし、色気満載だし、改めて明日美子先生の巧さを感じる1冊でした。
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