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私はあまり「オヤジ」というものには萌えないんです。 どっちかっていうと若いスーツの男性やら学生やらが好物。 腐歴が浅いから、まだまだハマりきれないのかもしれないです。 もしくは、オヤジ作品をあまり読んでないせいもあるのかも。所謂食わず嫌いな状態です。 BL界では、いたるところに素敵な萌え萌えな「オヤジ」がいるのだろうけれど、その扉を未だに開けられずにいます。 そんな私がはじめてオヤジに萌え~となったのが、かの有名なヤマシタトモコ『くいもの処明楽』。 店長・明楽をはじめとする幼馴染がみーんな個性的でとっても可愛い! しかし、この作品では主人公・明楽と年下の店員・鳥原の恋愛がメインなので、ほかのオヤジ達はあまり出番がありません。 あとがきで、1ページずつ各キャラクターの紹介があるのですが、それだけで十分魅力的なオヤジ達。 それでもやはり、店長であり主人公の明楽の可愛さが一番! なので、今回は明楽について語るとともに、この作品の紹介をしたいと思います。 私がこの作品に出合ったのは、商業BLを読み始めて間もない頃でした。 山本小鉄子さんや日高ショーコさんなど、綺麗で可愛い系のBLを好んでいた私が初めて手にとったヤマシタトモコ作品でもありました。 最初はまったく萌えなかったんです。ノリとテンポについていけないというか… そのままお蔵入りしていたのですが、いろんな作品を読んで、再びこの本を見てみると、あら不思議、これがめっちゃくちゃ面白かったんです!! 以前苦手だったノリもテンポも絶妙だし、なにしろキャラクターが魅力的。 なかでも店長・明楽高志(32)。 三十路過ぎのくせに、バイト店員である鳥原泰行(26)に振り回される姿が可愛くて仕方ないのです。 アホ日本代表と言われるくらい、落ち着きのない軽いバカなオヤジである明楽が、鳥原の言動ひとつひとつに真っ赤になったりうろたえたりする姿は、まさに恋する乙女。 普段はクールな鳥原のマジ告白で、気になって気になって、どんどん惹かれていく明楽。 もともとノンケで女が大好きな明楽。いつもバカなことばっかり言っているのに、本当は鳥原に惹かれている自分のことを恐れていました。 この年で、男同志の恋愛をすること。いわば道を踏みはずすということ。 もしも鳥原とダメになったとしたら自分は元の道に戻れるのか。 私は鳥原とちょうど同じくらいの年代なので、一回くらい失敗しても、まだまだ人生これからじゃんっていう思いがあります。 でも明楽は32歳。30歳を超えた大人っていうのは、一度の失敗でもそれからの軌道修正は難しいと感じるのでしょうか。 「いいかクソガキ 戻れねぇ年なんだ 今サラ新しいこと知りたくかねぇよ」 それが明楽の心情そのものだったんでしょうね。 鳥原と両想いになってからも、明楽はまだ鳥原との交際を恐れていました。 身体を重ねるといよいよ戻れなくなる。 「本当はバカみてーに簡単なことだよ だっておれのこと好きなんでしょ?」 鳥原のこのセリフにより、明楽は道を踏み外す覚悟を決め、鳥原と身体を重ねるのでした。 鳥原も同じノンケだけど、明楽より6歳も年下であり、もし明楽とダメになったとしてもまだまだ軌道修正できると明楽は考えたんでしょう。 でもそれでも、自分が鳥原のことを好きだから、鳥原との恋愛に身を投じました。 この普段何も考えてなさそうなバカで軽~いダメオヤジである明楽が、実は心の奥ではこんなにいろんなことを考えて、恋愛を恐れていたということがわかって、明楽がかなり可愛く思えました。 そしてダメオヤジな自分と、若いしモテる鳥原の違いを考えて戸惑う姿もとても愛しかったですね。 鳥原もなんで明楽みたいなどーしようもない男を好きになったのかなぁと思ってたんですが(しかも鳥原も明楽もノンケなのに)、鳥原はすっごいネガティブ男で、逆に何にも考えてなくて楽天家な明楽が魅力的だったんでしょうね。 付き合いはじめてからも、確信がほしいからやりたいとか、自分と付き合ったことをいつか後悔させるんじゃないかと悩んだり、明楽が結婚の話題してるときに不安になったりとか。ネガティブ全開の鳥原。 しかし、そのネガティブは吹き飛ばしたのが、以前鳥原が明楽に言った「(好きならいーじゃんっていう)バカみてーに簡単なことだよ」という明楽の言葉でした。 ダメダメオヤジだけど、いざと言うときは年上らしく、鳥原を救ってくれるのでした。 この作品を見てると、鳥原のほうが明楽のことが大っ好きなんですよね。 三十路すぎなのに、あのお茶目さ(笑)。作品中にも何コマも出てきますよ、可愛いシーンが。 私のお気に入りは鳥原に腹の肉をつままれているシーンが好きです。可愛すぎる(笑)。 そして何も考えてなさそうなのに、やっぱり年相応にいろんなこと考えてて、時には年上らしく、鳥原を引っ張っていってくれる。 そんなギャップが明楽高志の魅力だと私は思いました。 冒頭でも話しましたが、この作品に出てくる明楽の幼馴染のオヤジ3人。 この方たちのお話も是非見てみたかったんですけどね。 中でもオーナーの牧さん。 高学歴なのに腕には入れ墨が入っていて、強面のなのにかなりの世話焼き。 明楽にとっても鳥原にとっても兄貴的な存在です。 彼のことがかなり気になるんですよねー この作品を通して「オヤジ」というジャンルの扉を開きかけた私。 でもまだまだ足すら踏み込めてません。 今後は新たなオヤジ萌えを求めてどんどんいろんな作品を読んでいこうと思います。
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