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私がBLにハマったきっかけは、水城せとなさんの『窮鼠はチーズの夢を見る』だ。 その頃私は携帯からエロ漫画をダウンロードすることに凝っていた。最初は面白かったけど、すぐ飽きた。 でもポイントは残ってる。「2000円コースだと500ポイントお得」みたいな宣伝文句に簡単に釣られるアホな私は、余った大量のポイントを抱え、どうしようかと困ってた。 そこで、いつもランキング上位にいるこの作品を、何気なくダウンロードした。 イッパツで虜になった。これが運のツキだ。 それから水城せとな作品を読みまくった。 『いつか好きだと言って』で泣き、『バイオリニスト』で号泣し、『1999年七の月~上海』で鼻水を垂らす頃には、すっかり水城せとな信者になっていた。ちなみにこれ全部、携帯からのダウンロード。紙で読みたくて買い直したけど。無駄遣いもいいとこだ。 水城せとな作品は悲劇的結末が多い。ファンはドMじゃないとやってられない。ビクビクしながら読み、絶望し、トラウマになる。で、更にトラウマをいただこうと、いそいそと次作に手を出す。イカレポンチだね。 で、ついに『同棲愛』に出会った。 これはヤバかった。二巻の終わりぐらいから、ググッとハマった。 性懲りもなく携帯から読んでたけど、ダウンロードする時間がもどかしくて仕方がない。 イライラして、「ダメだ!紙で読みたい!」と本屋へ走った。梅田の書店を何軒か回ったけど無かった。そりゃ無いわな。古い作品だもの。 血走った目をした挙動不審な私は、本屋の片隅で携帯を開き、Amazonから全巻注文した。 でも届くのを待てない。電車で帰宅しつつ、携帯開いてちまちまとダウンロードを繰り返した。途中で充電が切れ、携帯を床に投げつけたくなり、思いとどまった。落ち着け私。 で、帰宅して、ダウンロードした『同棲愛』を夜っぴいて読み、死ぬほど泣いた。嗚咽した。携帯のボタンに涙をこぼし、水没の危険に脅えた。 その一ヶ月ほど前に彼氏にフラれてやけ酒を飲みながら泣いてたんだけど、それ以上の涙の量だった。失恋のショックから救ってくれたのはありがたいんだけど、かわりに同棲愛ショックはくるとは。 携帯を閉じて放心した。心にぽっかり穴が空いた。約一週間、思い出しては涙ぐんでた。 穴を埋めるため、ネットを開いた。こういう穴は同類と分かち合うことで埋まるはずだ。さすがインターネット、同類はすぐさま見つかった。 リアルの友人にはせせら笑われるだろう私の症状に理解を示してくれた腐女子の皆様によって、私は同棲愛ショックから立ち直ったのだ。 ありがとう腐女子のみなさま!ありがとうインターネット!ありがとう水城せとな先生!
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