海の上を舞台にした冒険ロマン!壮大な世界観と魅力的な男達の長編シリーズ
イギリス海賊の英雄キャプテン・ドレイク――彼に憧れる高校生の海斗は、夏休みを利用して、海賊巡りの旅を計画。
ところがドレイクゆかりの地プリマスで、海斗はなんと、次元の壁に飲み込まれ、大航海時代へタイムスリップ!!ドレイクの信頼も厚い、海賊船の船長ジェフリーに助けられ…!?
エリザベス女王率いる海賊達と、スペイン無敵艦隊がくり広げる海洋ラブ・ロマン。
長くイギリスで暮す髪を赤く染めた高校生の海斗は、海賊達に憧れている。
夏休みに親友の和哉と共に、キャプテン・ドレイクゆかりの地を巡って旅に出るが
プリマスで次元の壁に引きずり込まれ、大航海時代にタイプスリップしてしまう。
面白かったのは、主人公海斗のキャラクター。
常識、衛生面、食べ物、その他あれこれ、多分想像以上に現代人にとっては苛酷な環境。
生意気だけれどまだまだ甘ったれな17歳がパニックを起こしたり大泣きしたりしながら語学力と歴史への知識を駆使し21世紀人の叡智を生かしてピンチを切り抜けていく様にとても心動かされる。
今回は海斗がジェフリーの船に乗って海へ出てからのお話です。
初めての航海で船酔いに悩まされる海斗を、優しく介抱するジェフリーが素敵です。
弱っている時にここまでされたら、ついふらっと身を任せてもいいかな?と思いそうなものですが。
海斗は絆されません(笑)いえ、精神的にはかなりグラついてはいますが、簡単に落ちないところが、海斗の魅力でもあるわけです。
2巻もエロを求める方には物足りないかもしれませんが、冒険活劇の楽しさを存分に味わえて、面白いですよ。
カナリア諸島を航海中、敵国スペインの商船を拿捕したジェフリー達。
捕虜として『グローリア号』に連れて来られた敵船長と話す海斗は、自分が学んできた歴史と現在の状況に、微妙な食い違いがあるのに気が付きます。
海斗の魅力に、落ちてしまったクールな航海長・ナイジェル。
不器用で誤解されやすいナイジェル。猫が苦手なナイジェル。
…今回は何だかナイジェルの魅力に、胸がキュンキュンです。
今回の舞台はロンドン。海賊話だけれど、ほぼ陸地でお話は展開されます。
しかも今回は宮廷。カップルは、現代のイギリスからタイムスリップした海斗と、海賊船船長で伊達男のジェフリー。
華麗な貴族たちのスリリングな駆け引き。
海千山千の侮れないウォルシンガムに、海斗達がどう立ち向かっていくか。そしてエリザベス女王は!!
舞台は海から陸に変わっても、海斗の動向にはハラハラ。もう目が離せません。
そしてついに海斗がジェフリーへの気持ちを自覚して……やっとラブ度が上がってきた感じで、ドキドキしました!
前巻で思いっきり宮廷政治に巻き込まれ、敵の策略にかかってしまった海斗。
無実の罪で投獄されてしまい、それをジェフリーとナイジェルが知略を巡らせて助けるお話になっています。
女王陛下のお気に入りから一気に牢獄送りです!!この怒涛のような展開にハラハラ。
牢獄で行われた海斗への仕打ちは、痛くて辛くて(泣)そして意外な裏切り者の存在が…
ジェフリー・海斗・ナイジェルのお揃いの焼き印場面は、三人の絆の強さを実感し、切なくて泣けました。
前巻で無実の罪で投獄されていた海斗でしたが、無事釈放され、そろそろロンドンからプリマスへ戻ろうかという辺りからスタート。
貴族の陰謀策略も面白かったですが、やはり主役は海賊たち。大海原が舞台となるとイキイキし、読んでいても気持ちがいいです。
フランスの使者であるアルトヴィッチはなかなか良い男。この時代は、皆、自分の利益を追求することに貪欲です。
生きることに懸命にならないとあっという間に失われるので当たり前なのですが、そんな人ばかりでちょっとくたびれていたんです。なので、アルトヴィッチが心地よい人物でホッとさせられました。
「プリマスに戻ったら、初めての一夜を共にする」
海斗がついに、ジェフリーの寝台へ!7巻にして初めての一夜です。
しかし海斗とジェフリーが幸せになると、葛藤に苦しむのがナイジェルです。
微妙なバランスを保っていた三角関係がグラグラと揺れます。ナイジェルの苦悩がもう!切なくて胸が痛くなりました。
前巻ではラスト海斗が攫われ、阻止しようとしたナイジェルが怪我を負い…となっていました。
ジェフリーはナイジェル、仲間と共に、ビセンテの手中に囚われた海斗を助けにグローリア号で出立します。
7巻でのジェフリーと海斗が幸せすぎたので、この展開は辛すぎます。
人生はいつ何が起こるか判りません。一寸先は闇です。
一瞬一瞬を後悔がないよう、大切に生きていかなくてはいけないと感じました。
そしてナイジェルの衝撃の告白を受け、動揺するジェフリー。唯一無二の親友だった二人の関係にもヒビが入ってしまって。
ビセンテに拉致された海斗は、とうとうスペインに上陸。
スペイン側も個性的な人物が揃っていて、かなり魅力的に描かれています。
今回はジェフリーとナイジェルの登場は少しですが。そのかわりビセンテの魅力が炸裂。
このシリーズはいい男たちが多すぎて。目移りしてしまいますね。
長いシリーズですが、どの巻も面白く、ここまで中弛みしないのは凄い。
今回は、海斗が異端審問にかけられることとなります。
とにかく教会の権威が凄まじいので、王であろうともおいそれと口を挟めないようで…
聖職者に扮して潜入することとなったため、スペインで目立たないためにジェフリーは髪を切るわけですが。(もったいない、カツラにしてかぶりたい!)この時の挿し絵がもう、素敵過ぎて悶絶!
スペイン編です。
審問を無事しのぎ、毒殺もしのぎ、ビセンテやレオ、スペイン王の助けで死線をくぐりぬけきた海斗。
その海斗を救出するために、スペインに身を隠すジェフリーたち。
前巻同様伏線しっかり引かれてるんですね。弱った体の静養のために海斗が訪れたお屋敷で幽閉されている大公夫人は、自分らしく生きることに貪欲で、そして潔い。
ビセンテや王にとっては敵ともいえる夫人ですが、自分の内面に目を背けることを良しとしないのが意外に好きでした。
前巻で自分が結核にかかったことを知り、ジェフリーたちに害が及ぶこと、ジェフリーと共にいられなくなることを恐怖する海斗。なんかもう、可哀想すぎます。
お話の後半、ジェフリーたちの為に命を投げうつ覚悟を決めた海斗に涙が出ました。
このシリーズは、自分自身よりも愛する人のことを優先させることが出来る強い人間が多いですが、この巻はそれが顕著でした。
前巻でビセンテが海斗の病と決意を知り、ジェフリーの元へ彼を帰す苦渋の決断をしました。
そのまま、懐かしいグローリア号でイギリスへ向かっているところからお話はスタートです。
ジェフリーに触れたいのに、病気をうつしてしまわないか不安で、触れる事が出来ない…あんなにも会いたいと願っていたジェフリーが近くにいるにも関わらず、距離をおかなければならない姿に胸が苦しくなります。
そしてジェフリーへの隠し事に心を痛める海斗。お互い相手の事を激ラブ!なのですが、
色々な事情ですれ違う様は切なくて胸キュン。両片思い好きには堪りません。
物語はラウルとヤン・グリフスの話から始まります。
前巻で無事イングランドに帰還したものの、病の進行を止められない海斗。
日に日に弱ってゆく彼を支えるのは心強い仲間たちです。
ジェフリーは勿論、ナイジェル達「海の兄弟」、元気の出る料理を作るジョー、一番の相談相手リリー。
彼らの心強さと、絆にもう涙がにじんできます…。
ナイジェルも海斗を想うあまり、ある行動に出てしまいます。
それでも大切な人を失いたくないという気持ちが胸に迫り、本当に愛の形は千差万別だなあと感じました。
とうとう現代編へ。
過去にジェフリーの残り香が混ざるマントを置いて来た海斗に泣けました。
15巻の初っ端の部分なのに。涙線がもうよれよれ。
時空を超えた事は海斗の運命を大きく変化させましたが、和哉の人生や性格も大きく変容させたのだなぁと思った二人の再会。
海斗が突然消えた事により、微妙に病んでしまったように私には思える和哉。
彼の海斗への執着があくまでも友情なのか、激しい恋情に変わるのかが非常に気になります。
ラウルとヤン、海斗と和哉、ジェフリーとナイジェル、それぞれの場所での展開が描かれています。
海斗やジェフリーとまるっきり違う次元で行動しているラウルとヤンですが、少しずつヤンの背景がはっきりしてきたので、一番気になるのは、この後ラウルとヤンがどんな事件を巻き起こすのかというところです。
一方海斗は順調に回復しているものの、ジェフリーのことが気になって仕方がないので、和哉のサポートを得て現代で彼の足跡をたどろうとします。
必死な海斗を過保護なくらいに支える和哉の、片思いとも言える気持ちがこのあとマイナスに働かないで欲しいと願うばかりです。
はじめにスペインサイド、さいごにイングランドのお話があり、大部分は現代の海斗と和哉のお話です。
対イングランド戦に向けて準備を進めているスペイン。
海斗の予言で和平派の策略を知ったのに、彼らを追放することができません。
結局、ほぼ海斗の「占い」に沿った布陣で戦争に行くことになりそうです。
再会した和哉の病みっぷりが全開。
前巻のラストから、ちょっと時間軸が混乱したんですが、過去のスペイン組も怒濤の展開で、先行きが気にかかります。
ジェフリーを助けるために東奔西走するナイジェル。
背に腹は代えられぬと袖の下も使いこなします。
生真面目なナイジェルもいいですが、大切な人のために柔軟に変化するナイジェルも格好よかったです。
最後に海斗が過去に戻ってくる場面では、感動で胸がいっぱいになりました。
海斗、おかえりなさい!!でも喜びもつかの間、ジェフリーを心配する海斗が痛ましかったです。
この19巻でようやく離れ離れだった二人が再会を果たし、ついに涙腺が決壊してしまいました。
カイトが戻ってきたことを知ったジェフリーが、生きる希望を再び取り戻してくれたことが嬉しい。
また、獄中のジェフリーの姿を見たときの、震えるような言葉の羅列がカイトの心情を表していて、読んでいるこちらもカイトとともに泣かずにはいられませんでした。
そしてなんといっても、いよいよアルマダの海戦が差し迫ってきているこの緊張感。次作は舞台が海に舞い戻るそうで、非常に嬉しい&楽しみです。グローリア号よ、ふたたび!
出だしはスペイン組の航海。
陸軍や徴兵された者たち、海に不慣れな者たちの招く不幸の一端は、やはり自分大事の貴族たち。
一歩また一歩と進む、もう二度と諦めないだろうジェフリーの姿には心が熱くなります。
海斗の前でぶざまに転ぶことなんて出来ないと、懸命に走るジェフリー。
こんな時まで格好つけて、でもそこがジェフリーらしくて、すごく好きなシーンです。
そして、再会の乾杯のおりのキットの言葉もジワっときました。
最近の巻は辛いことが多くてなんだか切ない涙でしたが、今巻は幸せな感動の涙でした。
ついに狼煙が上がり、スペインの大艦隊がイングランド沖に現れる。
決戦の日が迫る中、出撃前の一昼夜。
ジェフリーは拷問から解放され海斗の元へ帰ってきましたが、実は勃たなくなっちゃってるんですよね。
それを気遣って、海斗はどうにかジェフリーに自信を取り戻させ、そしてふたりの絆を目に見えるもので表したい、これ以上先延ばしにするのは怖いと思っているんですね。
色々と積極的に工夫をこらし策を弄し、ジェフリーを誘う海斗が可愛らしい。
その甲斐あってようやく訪れた身も心も一つになれた喜び!
今回はそんな主役二人の愛は盤石、それよりも見所はプリマスに近づくスペイン艦隊とイングランド勢の攻防。
荒れるイングランド海峡を舞台に始まったばかりの戦いの様子がジェフリー、アロンソ、ビセンテ、ヤンと複数の視点で息詰る迫力で描かれる。
イングランド勢とスペイン勢それぞれの運命の糸は複雑に絡み合い、史実との異同にカイトも読者も翻弄されながら物語は進む。
スペイン方の悲惨な状況とはまた違うが、イングランド方にはイングランド方の問題があり、策を巡らせ、政治的な駆け引きが行なわれる。
BL色は薄いけど、時々垣間見える、カイトとジェフリーの強い絆にキュンキュンします。と同時に、ナイジェルのカイトへの諦めきれない想いが切なくて、胸が痛くなります。
そして、気になるのは、ビセンテとアロンソの2人です。こちらの、友情としての熱い絆にも萌えるけど、この先スペイン軍がどうなるのかハラハラします。
物語も佳境に入り、手に汗握るシーン目白押しの現在。激化する海戦、多くの血が流れます。
ほんのつかの間、じゃれあいお互いの体温を感じあうだけの、ジェフリーとカイトの戯れ。
軽やかな言葉の応酬と、ただ抱き合って眠るだけのその姿が幸せそうで、その瞬間だけは血生臭さや悲しみはなく、胸が締め付けられると同時に安堵しました。
カイトの葛藤がとても辛い。親切にしてくれたアロンソ、そして…自分を好きだと言ってくれたビセンテ。
泣く資格はない、感情を必死に押しとどめ自分の仕事を全うしようと動きます。
ジェフリーとナイジェルの10代~カイトと出会う前20代前半を描いた短編集。
一生懸命一人前の大人になろうとしている若木のような彼らは、本当に眩しくて可愛らしい。
全部で4編入っていて、どれもジェフリーとナイジェルの少年時代~海斗と出会う前のお話です。
BLではないのですが、二人の<友達以上恋人未満>と言えるような甘酸っぱい関係が書かれています。
幼い二人がすごくかわいい。
拉致されてスペインに連れて行かれた海斗が、エル・エスコリアル宮殿で不眠症のフェリペ二世の為に寝物語を語る……ということで、描かれるイングランドでの出来事。
不器用だが実はまっすぐで情熱的なビセンテの優しさ、勝ち気で健気なレオの可愛らしさ、寵臣アロンソ・デ・レイバの陽気で強かな男らしさ。
これを読むとスペインの斜陽や戦いで傷ついていく人たちのことが哀れでなりません。
カイトが彼らと個人的に知り合い優しさや戦う理由や想いを知ると余計辛くなります。
好きになりたくないという気持ちがよく伝わってきます。
怒涛の本編とは違って、幸せな気分になれる短編集。収録されているのは5編。
とにかく主役の二人が甘ったるい!
本編が息詰まる展開なので、このタイミングで、こういった短編集はよかったです。
脇キャラたちから見た二人とか、なかなかおもしろかった。
長編ということもあって、大きなはなしの流れの脇で、多くのキャラたちも、それぞれの人生を生きてるっていう部分をかいまみれたところがよかった。
出版社:徳間書店
レーベル:キャラ文庫
シリーズ:FLESH&BLOOD
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サークル:サブローサ <サークル>
シリーズ:FLESH&BLOOD
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海賊船船長,26歳
キャビンボーイ,17歳
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