不幸の美しさと、痛みの甘さ
所属していたサッカーチームから突然契約を切られた竹中。
少し前に恋人とも別れ、自棄になった竹中は学生の頃自分を裏切った大嫌いな先輩・山崎に身を任せる。
出口の見えない日々の中、脳裏に蘇るのは、やるせなく、ほろ苦く、もどかしかったあの頃の記憶だった……。
サッカー選手の竹中が契約解雇されてしまったところを待ち構えていた不細工顔の山崎先輩に誘われるところから始まります。
自暴自棄になった竹中は先輩の部屋で数日間、酒とセックスの日々を過ごし…。
一巻は過去を振り返るシーンが多くて、元恋人・吉村さんとの出会いや逢瀬、竹中の中学生時代の初恋とそれにまつわる暗い思い出、山崎先輩とサボリ仲間になっていく様子など、自分の性癖を自覚した竹中の痛みと閉塞感に満ちた青春時代を中心に描いているので、全体として鬱屈とした雰囲気に終始しています。