コメディ、シリアス、アクションどれも楽しめる鬼バトル!
…二本の角、金色の瞳、鋭い爪――けれど体長はわずか40㎝!?
異形の鬼を使役する能力で、歴史を陰から支えてきた矢背家。
一族最年少の鬼使い・鴇守の相棒は小鬼の夜刀だ。
「鴇守の唇を吸うと元気が出る。だって鴇守は可愛いから」。
堂々と言い放っては、乳首を舐めたり下着に潜り込んだり
セクハラ三昧の夜刀。
頭を痛める毎日だったけれど、鴇守に危険が迫ったとき、
夜刀の体に異変が起こり…!?
鬼を使役することができる家に生まれた鴇守(ときもり)は、赤ん坊のころから自分を守ってくれる、小さな鬼の夜刀(やと)と契約している。体長40cmの小さな鬼が使役だと、周りの鬼使いからも馬鹿にされるが、大きな鬼が苦手な鴇守は、今の生活に満足していた。でも実は、夜刀は本当は巨大な最強の鬼で、鴇守が大好き。
かなりシリアスに陥りがちな展開でも、夜刀の清々しい愛と破天荒さがぶったぎってくれます。
コメディとシリアス、萌えとアクションシーンのバランスがちょうどいい感じで、読み物としてすごく好きです。
鬼使いの矢背鴇守くん(受け)と鬼の夜刀(攻め)のお話第2弾です。
前作で成長したかに見えた鴇守くんですが、ある意味夜刀に邪魔されて、鬼退治がなかなか進みません。独占欲と嫉妬心がかなり強い夜刀ですから、今回はさらにヒートアップしてます。
新しく、修復師の右恭も登場してまだ続くようなので、これからがお楽しみなキャラです。絶対鴇守くんの事、好きそう。でも彼は受けの匂いがプンプンしてますが。
相変わらず夜刀が可愛すぎます。二人の会話がすごく可愛くて微笑ましいです。
「鬼の王と契れ」シリーズ完結巻。シリーズ集大成に相応しい感動作です。
ラストについて明言は避けますが、個人的には鴇守の決断は大変納得のいくものでした。
これまで一族の「みそっかす」として自身の未熟さに悩んできた鴇守が、最後の最後で自分に適した生き方を見出し、ようやくヒーローになることができたんだなと思うと感慨深いです。
修復師の右恭のことを思うと切ないですが、仲間のいない世界で孤独に生き抜いた彼もまた、本シリーズに欠かせないヒーローだったのではないかと思います。
時を経て再会した三人がゆっくりと歩いていくラストシーンには感無量。