JUNE時代の大作!
額に嵌め込まれたラピス・ラズリ。 第三の眼を持つパルミラ王国の王太子シャオランは、傍系王族の叛逆により家族を失い、ひとり逃亡を続けた。 そして“恐怖の男”と呼ばれる傭兵アッシュとなって過去を捨て、同じ呼称を持つイライジャの傍らで生きて行くことを選ぶ。 だが、CIAやKGBの国家的謀略に巻き込まれ、母国の刺客からも追われる身に。
主人公のアッシュ(本名はシャオラン)は、神秘の小国パルミラ王国の王位継承者でしたが、クーデターで両親を殺され、妹を手にかけた過去を持つ傭兵。彼自身は王位に一切の執着を持っていないのですけれど、現権力者からは暗殺集団を差し向けられるのと同時に、パルミラの位置によって生じる軍事的な思惑からアメリカとソ連(+東ドイツ)の諜報機関からも追われています。
アッシュは『虎』と呼ばれる凄腕の傭兵、イライジャと行動を共にしています。タイトルの『恐怖の男たち』というのは、この二人の仕事ぶりから付いた通り名なんですね。
イライジャを想うことで人間らしい感情を芽生えさせるアッシュですが、ただ嫉妬や恋心を体の不調と捉える辺りは本当に真っさらなんですよ。
本当に可哀想なくらいに。
それは彼の出自と、それによる奇形が大きく関わっていると思うとよけい切ないです。