あんたを征服するって決めた、だから諦めてさっさと抱かれろ…
「魔王」の末裔である眞王には、目が合った人々を「下僕化」させてしまうという特殊な能力があった。そんな力を疎ましく思っていたある日、「勇者」だと名乗る男・神子が現れ、「魔王を征服する」と言う。しかも、その方法がセックスをする事で…!?
魔王様なんていうからもう少しファンタジー色強い感じなのかなと思ってましたが舞台は現代。もちろん魔王様も勇者も現代日本のいち市民。
違うのは、それぞれに魔王と勇者の血を代々継いだ一族であるということさぁ征服されるがよいな一冊なのであります。
全体的になんじゃそらな設定が散りばめられてるのでやっぱり普通のBLよりも読んでる間の萌えの期待値は高まらないのですが、いざ勇者が魔王を征服するために手を出すと、魔王のとろとろな表情にやられます。
相変わらずぶっ飛んだ設定なのにすんなりと読みやすいです。キャラがそれぞれ魅力的だからかな。
お話の内容は劇的なものではなかったですが、新キャラが2人、魔王側の麻道(まどう。魔道士からきてる)と勇者側の聖(ひじり。神子の弟)がでてきました。それと、勇者王の本家がどうたらこうたらという場面があったので、それは3巻に繋がっていくのでしょうか。
眞王のツンデレっぷりがレベルアップしているように感じて、前巻以上にコメディ色が強く大変笑わせて頂きました。
ツンデレなところは受けっぽいですが、眞王ってBLの受けキャラに少しはありそうな女性っぽいところが全くなく、ベッドシーンでも受けてるのに男性って感じがしっかりしてなんか新鮮な感じがします。
これまでは魔王受けがドジっ子すぎて、勇者攻め側が有利な展開でしたが、今回は受けが一勝。その際のエッチシーンが、もうゴロゴロ転がっちゃうくらいエロかったです。
攻めの母親(先代の勇者)に魔王の力を増幅させるような薬を飲まされ、媚薬効果でエロエロ女王様に豹変した受け。いつもより積極的だし感じやすいし殺し文句連発だし、挿入前に「上手にできたらご褒美をあげような?」と言ったかと思うと挿入後にまさかの愛の言葉。
エロ度的には既刊とそう変わらないですが、甘々度はすんごく高かった気がします。本の冒頭からすでに甘々バカップル状態でしたし。ラブい展開が萌えの極致でした。