人ならざる者たちの気高い愛の物語
赤い瞳、年をとらない身体――。
誰にも言えない秘密を抱えて生きてきた、調香師の香具山紲(かぐやませつ)は、都会を避け、軽井沢の別荘地でひっそりと暮らしていた。しかしそこへ、過去に最悪の別れ方をした元恋人のルイが姿を見せ驚愕する。
「次に私の前に現れれば殺す」
別れ際、酷い言葉を残したルイは、今も紲を憎んでいるはずだった。あれから百年近く経った今になってルイが現れたのは、裏切りにも似た過去の紲の決断を裁くためなのか、それとも……。
人間よりも麗しく、獣よりも狂おしい、人ならざる者たちの気高い愛の物語。
受けの紲は調香師で、実は100歳を迎える淫魔。
淫魔ゆえに精液摂取が必要不可欠なため、蒼馬の番として共に生活しています。
淫魔は貴族悪魔にとっては性奴隷として喜ばれ、人間には無闇矢鱈に劣情を誘ってしまう厄介な性質を持ちます。
攻めは貴族悪魔で300年以上生きる吸血鬼、ルイ。
過去には紲の恋人でしたが65年前に別れ、次に会った時は殺すと宣言した苛烈な面も持ち合わせています。
傲慢で選民意識の強い吸血種族でありながら、下級悪魔である紲を求めずにいられない恋する男。
もう一人、攻めではありませんがメインとして登場するのが、豹の姿を持つ貴族悪魔の蒼馬。
300年以上生きる豹族の長で、共存共栄のために紲と契約しているため恋愛感情のようなものは持たない、友人のような存在です。