純文学を読んでいるような人間愛のあるBL作品
橘田の心を埋めようとした親友の高平と、義弟の倉橋。
とある事件によって再会した三人が行き着く先とは――
一九八九年、とあるマンションの一室で起きた放火殺人。当時十三歳だった橘田と高平は事件に巻き込まれて以来、互いしか知りえぬ思いを共有する。しかし橘田の心の空隙は次第に二人の関係を歪ませ始めていた――。大学進学後、高平との関係を断ち切り、一人事件の悪夢にうなされ続ける橘田の前に現れたのは、義弟の倉橋だった。倉橋もまた橘田の苦しみを知り、心を砕くようになるのだが…。時を経て起きた新たな事件が、それぞれの道を歩んでいたはずの三人の男たちを呼び寄せる。そこに待つのは悲劇か、過去との決別か。
受けの橘田は優しげな容貌でありながら、子供の頃の母の死をきっかけに笑顔を見せることはなくなりました。
現在は警察庁へ入庁し、警視庁捜査一課管理官。
攻めは高平と倉橋。高平は、橘田が小〜高校までずっと共に刻を過ごした存在。現在は所轄刑事課の刑事。
倉橋は、橘田の父親が再婚したことで出会った義弟。現在はフリーライターです。
小説として作品として好みである!という評価のほうが基準になるで、他BL作品とはちょっと違うラインかもしれません。
しかし、彼等の苦しい気持ち、切迫した状況と雰囲気と関係が迫ってくるものがあり臨床感が満ち満ちています。