幼馴染同士の京都の雰囲気がよく味わえるシリーズ
京都の格式ある名旅館「井筒屋」の若き当主が亡くなった。彼を密かに恋い慕っていた侑央は悲しみにくれる。一方、葬儀で帰省してきた当主の弟・千秋は、次男として当然経営を継ぐと思われていたが、旅館を売却すると言い周囲を驚かせる。かつて一途に兄を想う侑央の想いと秘めた欲望につけこみ、関係を持っていた千秋だが、今度こそその心ごと自分のものにするため、侑央にある提案を──。乱れる心と身体は誰のために…書き下ろしあり!
老舗旅館の若旦那・荘一が亡くなった葬儀のシーンから始まります。
隣の侑央は、荘一がずっと好きだったのです。そこへ東京から帰ってきた次男の千秋。
旅館の跡継ぎを引き受けるという条件を出して侑央をモノにしてしまう、したたかな千秋。
物語の雰囲気そのままにゆっくり時間が流れていくような、柔らかい気持ちを与えてくれました。