とにかくスピード感があって一気に読めるエンターテイメント作品!
グラフィックデザイナー・平間シンゴは、かつて親友でありながら自分を無理やり抱き、絶縁状態になった男・神蔵響と再会する。やつは渋谷中央署の刑事になっていた。ロシアの血が入っている超絶美人、無鉄砲に厄介ごとに首を突っ込んで、あっさりと窮地に陥る天然トラブルメイカー・シンゴ。凶暴かつ横暴、プラス傲慢。時々排他的で冷めたトーンを垣間見せるものの、8年間の絶縁と拒絶を無視して、強引に距離を詰めてくる響。シンゴが巻き込まれた事件を機に近づく、あやうい二人の距離の行方は!?
メインストーリーは、凶暴かつ傲慢な俺様刑事・神蔵響と美人なのに天然でトラブルメイカーなグラフィックデザイナー・シンゴの再会ラブです。この二人が絶縁状態となった背景には、父との不和や兄の不可解な死をきっかけとした響の若さ故の破壊行動にシンゴが巻き込まれてしまった、という互いにとって苦くて辛い過去があるのですが、シンゴが巻き込まれた事件を機に8年間で開ききった距離が徐々に詰まっていきます。
今巻もトラブルに巻き込まれてはいますが、それよりも複雑な家庭事情が明らかになった響の側面が描かれていて、響の中でシンゴの存在が「サル」から「何よりも優先すべき大切なモノ」へ変化する愛情倍増ぶりがわかりやすく伝わってきます。
それでもまだ明かされていない「過去」がいくつかあるうちのひとつが高3の時におきた響の兄の殉職事件。
おそらく、この事件が響の並外れた強靭さとそれにともなう心の歪みを生じさせたんだと思います。
そして、それはシンゴとの間に埋められない溝をもたらすことに。
前半は2巻で出てきた響とシンゴの友人・貴水が関わった事件でした。今までのトラブルよりもちょびっとだけシリアス度は高かったかな?という気はしましたが、ご安心あれ、今回も響がきちんと助けに来てくれます。
そして貴水がいい味出してます。飄々とした彼の、隠された優しさがとてもよかった。
この話で一番萌えたのは、さくらさんの響への想いを通してシンゴが響への想いを自覚し始めたところでした。響に対して素直になれないシンゴが、ちょっとずつ響へと寄り添っていく過程がなんとも萌えます。
今回も通常運転、トラブルを背負い込むシンゴ。
トラブルを持ってやってきたのは妹であるヒカルちゃん。トラブルメイカーなのは最早血筋なのか…。
ヒカルが掴んだネタが波紋をよび、シンゴと響は巻き込まれていきます。
過去シンゴを傷つけてしまった原因である唯一の家族だった兄の死。
今回ヒカルが掴んだネタは、かつて兄が調べていた人物が関係していました。
やっと恋人になった二人に感無量!火のないところに煙はたたぬ。
火とも呼べぬ熱がやっと炎を揺らしましたが、もっともっと熱く燃え上がる様子をもっと堪能したい!
ストーリー自体はシリアスで、警察の上層部からの圧力で響が拘留、尋問を受け、シンゴもハラハラなのですが、この2人の関係に限っては心理的なすれ違いもなく終始甘々のラブラブ。恋愛面では安心して読めました。シンゴが響に甘えてて可愛い!
5巻はソファーにキッチンに、とエッチの場所がベッドから範囲が広がっており、大変楽しかったです。なんでシンゴくんパンツ穿いてないの、ねぇ。初フェラも!響の総評に笑ってしまいました。
タイトルは『タフEXTRA(1) Unlucky man』と(1)の表記がありますが、『タフ』シリーズの6巻目にあたります。
誕生日祝おうと一生懸命さが空ぶっちゃうのも、どれも響を思えばこそな行動が本当に可愛いです。
可愛いしか出てこないですが、こんなにシンゴに愛されてる響は幸せ者!
そして、シンゴも響に愛されてるのが更にわかるお話ばかりでした。
署内でもモテモテの響、うら若き婦警さんに虎視眈々と一緒に出掛けることを迫られるも、彼の脳内で描かれている温泉はただ一つ。
そう、シンゴと温泉でまったりすること。そのために、できる男・響が練った作戦は…。
響が準備万端で意気揚々と出かける二人ですが、でもそこは『タフ』シリーズなので。
そんなに甘くありません☆
色々な邪魔が入るけれど、でも、シンゴとのラブラブな夜をもくろむ響の孤高な闘いに爆笑です。