劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語
警視庁組織犯罪対策第五課、通称「組対5課」の刑事である椎葉は、拳銃の密売情報を得る、言わば拳銃押収のスペシャリストだ。
その捜査方法はエス(スパイ)と呼ばれる協力者を使った情報収集活動に重点がおかれている。
椎葉は新宿の武闘派暴力団・松倉組に籍をおく男を情報提供者として工作している。
ある日、寝起きの椎葉に一本の不明な電話がかかってくる。
おまえのエスに気をつけろ、と。
劣情と矜持、孤独が交錯する男たちの物語。
隙のない出来る男(もちろんイケメン)とエロオヤジの神バランス。最高です。
かたや、誰にも心を開かない山猫のような受け椎葉。
この二人の関係性が巻を追うごとに変化していく様は、椎葉の心にリンクしてしまい、恐ろしいような何かにすがりたいような、たまらなく胸が苦しくなり引き込まれました。
男と男がすべてをかける愛が圧巻です。
他の方も書かれていますし細かい内容を上げるとキリがないので割愛いたしますが、ハードボイルドかつピリピリするような空気感が作品中にずっと漂っています。