崎谷はるひさんのレビュー一覧

はなやかな哀情 小説

崎谷はるひ  蓮川愛 

忍耐と幸せ

切なくて何度も胸が締め付けられました。
慈英が無意識に臣を頼っていて、それが臣にとって傷つける言動であってもちゃんと寄り添ってあげる姿に臣の成長を感じました。
しかし、恋人にこんなことを言われたら悲しい…慈英はやく思い出してと何度思ったことか。
CDも聞きましたが本とは違う良さもあり、神谷さんの声がとても臣さんで素晴らしかったです。三木さんも声も記憶喪失前後で声質が違うのもさすがです。
シ…

3

少年人形 小説

崎谷はるひ  佳嶋 

不健康な共依存

崎谷先生の作品がとても好きで色々と読みましたが、この少年人形の不健康さがとてもやみつきになります。
不健全ではないんです、不健康なのです。
色々と過程なども描かれていて、それでも不潔さを感じさせません。(個人差はもちろんありますが)
内容的にはひどく偏るところがあるので万人受けするとは思いませんが、ただのBL作品ではくくれないような病的であり芸術的な作品だと思います。

3

Suggestion暗示 小説

崎谷はるひ  やまねあやの 

ユキオという名前

元会社員で保父のタマゴである秦野は、真柴に行きずりから襲われ・・・
「ANSWER」の続きであります。

真柴は井川悠起夫と交際をしていましたが、結婚という名のひどい裏切りが秦野への行為の真相であったのです。
「ユキオ」という名前が真柴にとって虫酸が走っていたようです。

しかし、いまでこそ、愛のある情交を重ねる二人だが・・・。

方や、華奢で小柄で童顔で色白の秦野
方や、長身で…

1

戀愛-koiai- 小説

崎谷はるひ  タカツキノボル 

こんな会社…ヤダ

崎谷はるひさんの(しかも最近の)作品を久しぶりに読みました。結構あっさり目で読みやすい作品だと思います。

崎谷さんの書く受はタイプは違えど思考がすごく乙女だと常々思っているのですが、今作の主人公・達巳も例に漏れず…ダメ男に惚れて「恋は盲目」状態から11年も抜け出せない女そのものでした。

親友でもあり会社の同僚でもある二人のお話で、そのうち一篇にTwitterで業務連絡をするやり取りがあ…

1

不埒なファシネイション 小説

崎谷はるひ  タカツキノボル 

シリーズの総仕上げ

「不埒~」シリーズの総仕上げとも言える短編集です。一冊の65%が表題作(「~スペクトル」「~パラダイムシフト」の続編)で、直隆と真幸の同棲生活の後日談…主に真幸の家族との確執が解消されていくスタート地点までのことが描かれています。残る25%が「~インセンティブ」の後日談、10%が「~モンタージュ」の後日談という構成で、直隆と真幸シリーズのファンなら要チェック!な作品になっています。

表題作の…

0

不埒なパラダイムシフト 小説

崎谷はるひ  タカツキノボル 

二人のパラダイムシフト

「不埒なスペクトル」の続編で、同棲を初めて一年弱が経った二人のラブラブな新婚さんっぷりが真幸視点で描かれています。

パラダイムシフトとは「当然だったはずの思想や価値観が劇的に変化すること」だそうで、前作よりも人間としてバランスの良い、最高の旦那様にアップグレードした直隆と、ペシミスティックな考え方から脱却しようと頑張る真幸の在りように、とても安心するというか…うん、なんか幸せな気分になりまし…

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不埒なスペクトル 小説

崎谷はるひ  タカツキノボル 

実は残念な攻が良い

シリーズ前作「~モンタージュ」は未読、「~スペクトル」三部作はすべて読みました。スピンオフのほうが人気で長く続くって面白いですねぇ。

崎谷はるひ作品は重い…というかクドい?印象が強くて、かなり吟味した上で選んだ数冊しか読んだことがないのですが、この「~スペクトル」シリーズはコメディーっぽくて素直に面白いと感じました。

完全無欠を気取っているけど実は残念な人の直隆と、清々しいほどの襲い受…

1

しじまの夜に浮かぶ月 小説

崎谷はるひ  おおや和美 

再読で評価が上がった

ブルーサウンドシリーズは1~3のCDを毎年1度は聴きなおし、小説も何度か読み直すくらい好きなシリーズですが、この作品だけはなぜか当分読み直すことなく置いてありました。
先日思うところがあって、真っ先に朝倉薙というキャラクターのことを思い出した自分が居て、読み返してみました。芋づる式に「ケネス!」と叫んでいる自分もいましたが・・・(笑)
自分を敢えて汚く見せて「誰も自分を見ないでくれ」という意思…

2

あるいて、あした 小説

崎谷はるひ  明神翼 

なんと見開きでイラスト

1998年初版ノベルス「明日のために靴を磨こう」の文庫化です。

イラストを描かれた明神翼先生が体調を崩され、挿し絵の枚数をかなり抑えられたとあとがきで書かれておられましたが、その分インパクトを求められたのか、なんと見開きでイラストがどーんと使用されていてその迫力にビックリしました!2ページつながった挿し絵って初めて見ました。明神生先生の絵がお好きな方には必見ではと思います。

作品は、す…

1

チョコレート密度 小説

崎谷はるひ  ねこ田米蔵 

身勝手すぎる攻めにイライラ

以前からオススメされていたのですが、今更ながら購入。
が、鬼畜執着攻め好きの私ですが、攻めが何考えてるのかさっぱり分からず、あまりに自分勝手な態度や言動にイライラさせられました。
特に一番最初に致すシーンは、薬を盛られて、快感でのお仕置きというより、恐怖のお仕置きで、怖かったです。
もっと本気で逃げた方が良いのでは、と受けが可哀想になりました。
好きな相手に心ないこと言われたら誰だって傷付…

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