祭河ななをさんのレビュー一覧

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

母の傀儡からの脱却

2作目は、その大半が藤島と透の過去のお話です。
藤島がどうやって透と出会って
なぜ透を命を賭してでも助けたいと思うまでに至ったのかが
藤島自身によって克明に語られていて、かなりしんどいです。。。
特に、最近良く耳にする「モンスターペアレンツ」そのものの母親の存在は
憤りさえ感じるものでした。

でも『Little Wish』や『赤い花』では
そんな母親からの本当の意味で逃れられた事…

2

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

ミステリー小説のよう

記憶喪失の透と、透を保護する藤島が、過去にどういう接点で繋がっていたのかが最後の最後まで気になるストーリー。
感情を押し殺したように語り接する藤島。
自分のすべてを犠牲にしても透を守ろうとしている藤島は、透の世話こそするが親密になろうとはしない。
透には大きな秘密があり、それを藤島が隠しているのは明確なのだが、それをどうしても暴けない。
過去の透がどういう人間だったのか教えてくれないくせに…

3

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

まるで昼ドラ!

二人は甘々~な暮らしをしているので、「さて、どんな展開になるのか?」と思っていたら、藤島の過去から始まります。
こんな家庭、本当にあったら怖い!
肉親愛にしか価値を見出さない母、その母から歪んだ愛情を一心に注がれる藤島。
そして妻への仕返しに血の繋がらない子供を認知する父。
すごい…ドロドロの家庭です。

藤島が育った家庭環境と、二人を結ぶ過去がこの話でやっと判明します。
驚きでした…

6

First Love 小説

神江真凪  祭河ななを 

派手さはないけど好き

小説ってやっぱり、内容だけじゃなく、文章との相性が大事なんだなァ…と、分かりきったことを改めて思いつつ読みました。
初読みの作家さんでしたが、繊細で流れるような描写が心地よくて、海の中でたゆたってるような気分でした。杉原理生さんの文章を読んでるときと似たような感覚でした。

再会モノです。
高校時代に付き合ってた二人が六年ぶりに再会し、再び付き合う、という。
受けは人付き合いが苦手でエキセントリッ…

4

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

痛みを乗り越えたところに萌えがある。

木原さんの作品を読むと、たいてい痛くて苦しい思いをします。
なんでBLのためにこんなに涙を、と思うくらいじょばじょば泣きます。
けれども、それを乗り越えた先で、二人がしっかりと手をつないで立っている、
その光景を見たいがために苦しみを乗り越えるのです!私が!

さて、三部作の最終巻は透の記憶が戻ったところから始まります。
ずっと透の視点で話が進んでいくのですが、
その間藤島が何を考え…

5

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

痛い、切ない、愛のカタチ

COLD3部作ついに完結のCOLD FEVER。

前作で甘々な2人を堪能させてもらいましたが、それが一変。
透の記憶が戻ったところからストーリーが始まります。
目が覚めると6年経っていた。そうなんです、透は記憶を失っていたときのことを全く覚えておらず。自分がケーキを作っていたことも、藤島と付き合っていたことも一切覚えていません。

切なすぎました。
透は”6年間の自分”と”今の自分…

6

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

前半ドロドロ後半甘々

COLD3部作2作目COLD LIGHT。

タイトルの通り前半ドロドロな後半甘々でした。

まず前半。
COLD LIGHTでは透と藤島の過去がわかります。まさかこの2人がこんな関係だったとは。
そして昼ドラの上をいくドロドロさでしたw藤島のお母さんがすごかった…。この1冊はこのお母さんが重要と言っても過言じゃないです。藤島がケーキを食べさせてもらえなかった理由もわかります。

そして後半、とい…

1

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

甘いまま 終わるわけない このはらー

前作LIGHTで、ようやく愛し合うようになった二人。
最終巻FEVERでは、透の記憶が戻って、愛し合って、共に生活していた6年間を全く忘れてしまうところからお話が始まります。
記憶のない6年間に何があったのか、全くわからなくなって、荒れまくる透視点で話が進むので、前作のケーキの甘さとは大違いな、荒涼とした痛々しい展開です。
最終的には、二人は、元通りとはいきませんが、「この人と離れて生きては…

14

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

三冠ならず、だって、痛いんですもの

最終巻です。あまりに痛くてこちらの胃も痛くなっちゃったので萌評価。いえ、前2巻も痛かったんですが、今巻のDVは尋常じゃありませんから。

雑誌掲載分もビブロス版も読んでいるので分かってはいたものの、透くんの記憶が戻っちゃいました。
せっかく想いが通じ合って、明るい未来も見えたのにまたそれを忘れちゃうなんて・・・記憶をなくしていた6年の間に少しずつ築いてきた新しい人生と藤島との愛情が、目覚めた…

2

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

ケーキの甘みは痛みを中和するための小道具…?(妄想)

最終巻で透の記憶が戻ることは前情報として得ていたが、まさか初っ端からとは思わなかった。
しかしおかげで「過去の記憶を取り戻し、全生活史健忘状態にあった6年間の記憶をなくした透」を語り手とする本作は、『COLD SLEEP』とまさしく対をなす構造になっている。

『…SLEEP』で過去の自分に違和感を持ち不安におびえつつも新たな人生を歩み始めた透は、『…FEVER』では「現在の自分よりも愛され…

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