祭河ななをさんのレビュー一覧

First Love 小説

神江真凪  祭河ななを 

十代の潔癖と繊細さ

モデル瀬良×日本史の教師の聡史(同い年)
高校生の頃は、黒髪地味眼鏡受けでしたが、成長後はコンタクトにチェンジ。
眼鏡姿は、もう見られないのかと思いきや、カラーで1ページも眼鏡かけている聡史と瀬良のラブい過去の高校時代のイラストが!
この近い距離感に密着感、聡史の照れ具合、瀬良の幸せそうな顔、非常に萌えました。
祭河さんの絵に、思っている以上に弱いのかも。かなり、必見です。

高3で別…

2

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

束の間の甘い夢にたゆたう

藤島の母親の性格が壮絶で、全ての元凶はこの人から始まったと結論づけたいです。
藤島の意思の弱さも中にはあったかもしれませんが、幼い頃からの洗脳教育で、恐れを抱いていた母親に逆らえるかというと、そう簡単に逆らえるものじゃない。
救ってくれるヒーローなんて誰もいない世界がただ悲しくて、リアリティーを感じさせました。

思いもよらない藤島の過去よりも、更に妻がいて子供もいたという事に驚かされまし…

3

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

現実のはじまり

私は、甘い夢が覚めて、ようやく現実が始まったという印象を受けました。
シリーズ中で一番好きなのはこの巻で、この透です。
捻くれてねじ曲がった愛情不足の彼がそのまま愛しいです。
大好きなお兄ちゃんに裏切られてから、心からずっと血を流し続け、愛情を求めてさすらっていた気がします。

前回読んだ時は藤島に同情しきりだったんですが、藤島が残酷な気がしました。
過去の記憶喪失中の透をまだ追ってい…

9

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

あり得たかもしれない未来

一番最初に手に取った木原作品です。
美形でもなんでもない年上男の可愛さに、初めて芽生えた話でもあります。
性格がいじましい、ちょっとした所作が可愛い、不器用さが愛しい。
じっとよく読まないとわからない感じが、藤島への慕わしさを生むのかもしれません。

こんな風に生きられたかもしれないもう一人の透の姿かなと思いました。
どこかの世界で、ケーキ屋勤務の透×ケーキ好きの藤島が生きているという…

2

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

COLDシリーズのプロローグ

COLDシリーズ第一巻、全体のプロローグ的作品ですね。記憶を失った透の視点で語られるため、読み手の側は、何も分からない、異質で不気味な世界に突然投げ込まれたような寄る辺なさや孤独、不安を彼と共に体感することになります。藤島の寡黙さは、さらにそれに拍車をかけます。透は、そうした不安感の中で時に藤島に反発しつつ、また途中明らかになった過去に怯えつつも、手探りで前に進もうとし、藤島が不器用ながらそれを支…

3

天国が落ちてくる 1 小説

高遠琉加  祭河ななを 

ふたりのドタバタした始まり

業界物が好きというそれだけで購入したのですが、いまでは宝物の本の一つです。
3巻を揃えてからの一気読みをお勧めします。
祭河さんの描かれるイラストも登場人物と同じように繊細で、とてもイメージに合っていました。

俺様なタイプが好きなのでエキセントリックなカオルの言動にもときめいていたのですが、それだけではないカオルを知ってから更に好きに。
でも、基本的に俺様というか、自己中心的なのは変わ…

2

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

知らない方が幸せなこともある…

主人公・透は自動車事故のために記憶喪失になってしまう。
そんな彼を迎えに来た男・藤島は、自分達は以前バイト先で知り合った友人だと告げる。
6歳も年の離れた、寡黙な男と自分との間にはどうしても共通点を見つけられず、世話になっているという負い目も手伝って、うちとけることもできずに悶々とする透。
彼は、失った記憶を取り戻そうともがくのだが、やがて、意外な形で「過去」を知ることになる。

自分が…

1

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

まるで 薄氷を踏むような

透が自身の気持ちをはっきりと自覚する一方で、藤島にはまだ隠し続けている「過去」がある。

前作で謎のままだった“ふたりの過去のつながり”が明らかになる。
いつ透の記憶が戻るかわからないまま、恋人として過ごす甘くて幸せな日々。
藤島にとって、それは薄氷を踏むような思いだったはず。
この幸せがいつまでも続けば良いのにと思わずにはいられないけれど、それが許されないだろうことも知っているのだから…

4

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

魂の慟哭が 胸に突き刺さる

のっけから冷や水を浴びせるかのようなプロローグ。
ある朝突然、記憶を取り戻したかと思えば、まるでその代償のように藤島との6年間は忘れ去られてしまう。たぶん…とは思っていたけれど、最悪の展開。
それまでの盤上の石が、ものの見事に色を変えていく。

誰も愛さず、誰からも愛された記憶などなく、それなのに“偽者の自分”はちゃっかりとうまいことやってたらしい。
透にとってその事実は、他の誰でもない…

18

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

怒濤の展開に怯むなかれ

シリーズ最終巻、決着編。ある日、目が覚めた透は鏡に写る自分の姿があまりに記憶と違い混乱する。更に事故に遭い6年もの月日が経っていることを知り愕然とするが…。

ハイ、いきなりです。恐れていたその「ある日」から、いきなり始まります。
透の驚愕もよーくわかるが、思わぬ出だしにヒエ-と私も愕然としました。ボーゼン……。
覚悟していた透の記憶再喪失(正しくは戻ったというべきなんでしょうがBL的には…

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