祭河ななをさんのレビュー一覧

COLD FEVER 小説

木原音瀬  祭河ななを 

萌とはぜんぜん違うこの気持ちは何?

痛くて辛くてしんどくてなんでこんな思いをして本を読んでるんだろうと思ったけど読んでよかった。
なんでしょうかこの二律背反は。
二巻で落ち着いてこれから幸せになるんだろうっていう二人に襲いかかる大きすぎる壁。

記憶が戻ったことによって、今までの「透」は完全に消えてしまった。
戻ってきた透は、周囲を傷つけることでしか自分を確認できないような人間。
それでも透を受け入れようとする藤島に、透…

3

COLD LIGHT 小説

木原音瀬  祭河ななを 

辛い過去と幸せな今

透をかばった傷も癒え、藤島の退院の日がやってきた。
自分の気持ちを告げ、恋人としての関係を望む透に藤島の反応は複雑だ。
そして今語られる二人の過去。
その先にあるものは……

不器用な藤島の想いと、どうにもならない情況が切ない。
すべてを支配する母親と、そこから逃げ出せない藤島。
彼の唯一の救いが透だったのだろうけれど、それすらも上手くいかなくなる。
贖罪の気持ちと愛は違うのかもし…

2

COLD SLEEP 小説

木原音瀬  祭河ななを 

ここまでならば優しいお話

色々な所のレビューを見てしまったせいでなかなか勇気が出ずに積んであったシリーズをやっと手に取りました。
一巻は……まだ平和かなあ。

記憶を失った透に藤島はひたすら色々なものを”与えよう”とします。
生活も、物も、カメラも。
そのくせ極端に無愛想で、無口なな藤島は何を考えているのかさっぱりわからないし、自分が、相手が誰かもよくわらからない状態での透の混乱も最もだと思う。
この緊張感のあ…

3

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

攻めが好きになる3作目

子どものときから愛情をまったく与えられなかったため、トラウマだらけである反面、
スマートで器用、要領が良く、パティシエや写真家という分野で才能を発揮する男が透で攻めです。
裕福で、人が羨む類の家の一人息子だが、実は両親は不仲で、複雑な環境、異常な母親に支配されて育った男が受けで藤島です。

コールドフィーバーとは木原さんの造語なのでしょうか。
COLDシリーズは三巻あり、書名の意味を知り…

16

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

辛く痛い話ですが

COLD シリーズの完結編です。
これというきっかけもなしに、突然透の記憶が戻ったところから始まります。
過去のことは思い出したけれど、逆にこの六年間のことは何一つ覚えていません。
透にとっては、何もわからないまま六年経っていて、なぜか大嫌いな男と同じ家で暮らしていて、そしてこの六年間の透は、暴力的な自分と違って、穏やかで周囲に好かれていたらしい。
透は苛つきます。

藤島はこの六年間…

9

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

明らかになる過去

COLDシリーズの2作目。
前作は透視点でしたが、今回は藤島視点で、悲惨な過去がすべて明らかにされます。
母親に捨てられ、引き取られた家で虐待された幼い透の不幸。
一方、いい家に生まれ育ち、物質的には何不自由なく育った藤島も相当に不幸です。
子供にとって母親というのは本当に大きな存在なのに、それが優しさの仮面を被った変態的暴君だったら……。
実の母親が透を虐待するのを目の前で見ながら、そ…

2

COLD SLEEP(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

記憶、なくしてよかった。藤島さんを嫌いだった自分を全部忘れてよかった

大好きなコールドシリーズ3部作の1作目。

いきなり「ここはどこ?私は誰?」な状態になってしまった透の不安は、読んでいる方にも伝わってきて、この藤島の正体はなんなんだろうと思いながら読んでました。
藤島はやっていることはものすごく親切でありながら、なぜかよそよそしく、透に興味もない写真の専門学校に行くことを勧めてきたり、何か隠していたり、嘘をついていたり。
でもよそよそしい藤島はケーキが好…

3

メガネの貴公子 小説

須坂蒼  祭河ななを 

メガネ業界のシンデレラストーリー

メガネといえば鬼畜を連想しそうですが、これは甘甘のほんわかストーリーでした。
攻め様はあくまでも紳士で(書き下ろしでは変身してますが)、受け様はひたすら純真・健気で、時々キュンキュンしながらサラサラっと読めます。

北海道のすずき眼鏡店の店主は23歳のひなた。
おじいちゃんから継いだ技術と、眼鏡に対する情熱で、お得意様から信頼を得て、お店の切り盛りをしている、まだ恋をしたことのない男子です…

3

COLD FEVER(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

透のことがすごく好きになりました。

遂に最終巻です。
ここまでの2作は途中少しくらい休憩入れながら読んでもいいかなって感じで読めたのですが、この巻は最後まで一気に読まずにはいられませんでした。
この物語が「激痛」と評価されていた部分が次から次へと出てきて。
少しは覚悟をしていたつもりでしたが、それがここまでいくつも波状攻撃になって押し寄せてくるとは思ってなくて。
けれど、それゆえなのかどうなのか。
これまでの2作よりも惹き…

9

COLD LIGHT(新装版) 小説

木原音瀬  祭河ななを 

甘い日々が続くほどこわい…。

なんといっても藤島の母親の印象が強烈でした。
藤島の生い立ちについてもそうだし、その後の藤島に対する溺愛っぷりっていうか過保護っぷりっていうか。
それ以上にもう「異常」としか言えないような執着みたいなのとか。

藤島と透の出会いについても今回のお話でわかり、その後の彼らの関係が少しずつ深まっていって。
けれど、藤島が母親に対する畏怖もあって透のことを助けることができなくて。
関係はこじ…

3
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