沙野風結子さんのレビュー一覧

落園の鎖~狂犬と野獣~ 小説

沙野風結子  小山田あみ 

カルト・狂気・バイオレンス・エロス

現在、ワタクシが強力プッシュ!!!の沙野風結子先生作品です。
あぁぁぁぁぁーーーいつもながら、いやいつに増してグロテスクでハードだわー。

近未来――。
エコロジー・農業を軸としたカルト、ソイルロードに潜入する靫真道は
公安部の狂犬刑事。
潜入したさきで、かつて自分を犯した男、峯上と遭遇する。

ソイルロードは40年前に極左組織のカリスマだった男、岩城玄太郎と
その双子の孫、光と…

3

獣の妻乞い 小説

沙野風結子  実相寺紫子 

なに…?獣姦だ…と…?でもハンカチのご用意を!

蛇恋シリーズでもブットビ展開に度胆を抜かれましたが…。
思うに、沙野先生のスゴいところはタブーに近い挑戦をしながら、
エロスとともに誰かを強く思う気持ちをきっちり書きだすバランスの良さです。

序盤は正直、単なる人外系ファンタジーのもふもふテンプレかと思いましたよ。
しかし、そこから徐々にダークな世界が映し出されます。

犯罪率が高まり、凶悪犯罪者が闊歩する近未来。
孤独な少年・尚…

10

堕楽の島 ~狂犬と野獣~ 小説

沙野風結子  小山田あみ 

相変わらずブレない男前受・靫真通

靫の男前度がさらにアップ。
BL界に数多くの受はあれど、ここまで雄々しい受キャラもなかなか居ないかと。(笑)
前々作のレビューでも書きましたが、相手が周でなければ、靫は間違いなく攻キャラとして登場したはず。
それくらい、凛々しいです。かっこいいです。惚れてまうやろ…!(古い)

お話の内容は、まさかの宗教団体もの3連発。
靫の所属する部署上当然なのでしょうが、正直、3作とも展開が似通っ…

3

堕楽の島 ~狂犬と野獣~ 小説

沙野風結子  小山田あみ 

シリーズ完結は定着と中和がポイント

狂犬と野獣の過激コンビが完結を迎える作品です。
リズムを操るテロ活動で1作目からかなり過激な展開でしたが、これで終わり。
サブリミナル効果をモチーフにしたかなり興味深い作品で、どんどん惹きこまれました。
1作目の破壊のリズムから始まり、人間の喜怒哀楽や欲望と願望を増幅させるリズム、
そして今回の第3のリズムが揃う事で、受け様は攻め様を奪われる事になる展開です。

1作目から登場の悲しく…

6

獣の妻乞い 小説

沙野風結子  実相寺紫子 

狼の嫁さん

ぶっとんでいて 面白かった。
ファンタジーです。
皆様もおっしゃってる通り 狼とSEXやっちゃう話。
すらすら読めました。
むしろ もっと増やして欲しかった。
犬(狼)かわいいです。
ホロリとする所も満載です。
私が激萌えした場面は 「精液タオルを舐めながら 自分で催す所」です。
犬(狼)。 まさに 犬(狼)。
かまってちゃんですよ!
狼の謎がたくさんあり 事件も起こり なぜに…

2

籠蝶は花を恋う 小説

沙野風結子  佐々木久美子 

遊郭モノの魅力を存分に

そのタイトルと表紙に惹かれ迷うことなく手に取りました。
赤襦袢を纏った儚げな少年に心惹かれて・・・
内容もその表紙のままにとても切なく健気なお話でした。

遊郭で生まれ育った受けとそこに遊びに来た客。
受けは遊郭という希望を持つのはとても難しい世界で育ったせいか、そこから出ても望むものは本当に少なくて、その健気さが切なかったです。
ストーリーは王道なんですが、丁寧な描写と、大正時代とい…

1

獣の月隠り 小説

沙野風結子  実相寺紫子 

人狼同士の切ない物語

読み終えてから結構日にちが経ってしまったのですが、何とか思い出しながらレビューします。

「獣の月隠り」…前作「獣の妻乞い」にも登場していた月貴と睦月の物語です。前作ほど大号泣することはなかったのですが、精神的にきついのは本作でしたね。
同じ施設で育った仲間同士で戦わされ弱い者は廃棄処分。日に何度も注射を打たれ、激痛を伴う人体実験の被験体にされる子供たち。最初の数ページでゾッとしましたよ。

3

蛇恋の禊 小説

沙野風結子  奈良千春 

エロスのバリエーションは増えたが、心理描写がやや雑に

「蛇淫の血」に続くシリーズ。
先に言っちゃうと、子蛇だった凪斗のその後は「赫蜥蜴の閨」で垣間見られます。
それを見るかぎり、凪斗はどうやら岐柳組四代目を立派につとめているようであります。
ヨカッタヨカッタ。

このシリーズ、極道BLの中でもひときわ硬派な上に
エロもなかなか容赦ありません。

今回も、凪斗と角能の濃厚エロスはもちろんですが
近親相姦・凌辱・触手・自慰と、エロスのオ…

3

赫蜥蜴の閨 小説

沙野風結子  奈良千春 

これ、なんてBL!?意表をつきすぎる設定と展開

このシリーズ、非常に好きです。
一瞬、ヤクザBL?の一言で片付きそうなのにもかかわらず、なかなかどうして、
やるなぁ…面白いよ、これ。
ま、つっこみどころはそれなりにあるんだけど、容赦のない凌辱シーン描写に神評価をつけたい。

受けの光已がですね、BLにありがちな甘い感じじゃない。
攻めの熾津臣は関西弁バリバリの武闘派ヤクザで、そりゃもう男×男のまぐわい…
しかも完璧なまでの凌辱で、…

4

蛇淫の血 小説

沙野風結子  奈良千春 

谷崎潤一郎と「セーラー服と機関銃」をBL風に味付け

かなり変わったヤクザBLと言いましょうか。
予想外の展開に驚いた。

フツー、ヤクザBLってすでに極道か、一般人の高校生が極道に惚れるかどっちかですが、コレ、一般人からヤクザになってしまうんですよ。
それも惚れた男のために。

その惚れた男のために手彫りの刺青を入れ、それと共に自分の中にある血が覚醒していく、そのプロセスがなんとも清々しい。

刺青と言えば、谷崎潤一郎の短編小説に「…

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