沙野風結子さんのレビュー一覧

蝶宮殿の伽人 小説

沙野風結子  稲荷家房之介 

生きる指針

新書が発売され、5年後に大幅改稿しての文庫化再販に書下ろしをプラスしたお話。
全体的に前書よりも深みが出ているような印象を受けました。
それに受けである望みの重要度が大きくなっているように感じます。

それは単なる王家兄弟の王位継承問題だけでは無くて、その後の国作りまで望の
責任の重さがより一層解るある意味怖さを感じさせます。
日本で大学生だった頃に中東から来た留学生と通訳が縁で親しく…

3

蝶宮殿の伽人 小説

沙野風結子  稲荷家房之介 

作者さんらしいユニークなアラブもの

08年にアルルノベルスから出た作者さん初アラブの新装版だそうです。
表紙が新しく稲荷屋イラスト描き下ろしで、少女を少年にしたり主人公の過去を変えたりなどの改稿と、短編【蝶宮殿の魔人】が入っています。
自分、アラブ苦手なのですが確かにお約束の様な傲慢強引俺様・媚薬等もたくさん盛り込まれています。
背景をかなり踏み込んだものにしているところが作者さんらしいオリジナルアラブになっているのではないの…

4

蝶落~雲居の巫女~ 小説

沙野風結子  高階佑 

好き嫌いわかれるお話と思う

これは好き嫌いわかれると思います。
レーベルが花丸文庫BLACK。
これを見ただけでお話の内容が理解できるような・・・血はあまり流れませんが他は色々・・・。
島という閉鎖された空間での神(神という名の怖れられるもの)と神託を行う巫女(男だけどね)
幼馴染みの二人が艱難辛苦を乗り越えていくわけですが、神の残酷さ人の欲深さがひしひしと伝わる作品です。
私的には得意分野ではなかったけれど、高階…

1

上海散華 小説

沙野風結子  小山田あみ 

壮大すぎる・・

このお話ってダリア文庫の上海物の花シリーズの100年前くらいの話、つまりご先祖様達のお話になるんですね。レーベルが違うからか誰も触れられていませんが、ここに出てくる中国の2つの秘密結社は同じものなので。そのスケールの大きさに脱帽です。「花シリーズのリンフェイのご先祖様がドSの敬語攻めの変態で、しかも人の性行為の観賞が趣味とか・・・そっくりじゃん!」とか「ご先祖も同性愛者だったのにどうやって子孫が?…

2

プラチナBOX2011 グッズ

ここに続きがn[g

こちらは、プラチナ文庫の全サ小冊子の感想になります。
他の作品は未読なので、いとう由貴さんの作品レビューのみ書いています。

※未読の方はネタバレがありますのでご注意下さい。


■いとう由貴「誘い」より


『happy happy day』


前回(セレクトフェア2011小冊子)のレビューに書きました弟(攻様)のキスマークのお話の続きになっています。

弟...

0

融愛 Melt Down 小説

沙野風結子  水名瀬雅良 

ガチ兄弟!!!

私も抵抗なく読めるようになれて良かった!と思いましたw
なんといっても弟×兄、というのがポイントです。

兄として守ってきたつもりでいた弟に
実は体を汚しながら守られていたなんて……。
その弟にいつしか欲情をむけられていたとは。

当て馬の会社の先輩・時谷が、ほどよく押してくれて
「良い当て馬だ!」とニヤつきました。
満員電車で触っちゃうとか♪

嫉妬と独占欲丸出しの翼久が力…

3

融愛 Melt Down 小説

沙野風結子  水名瀬雅良 

身体を汚しながら、兄を守ってきた弟

実の兄弟モノです。
弟・翼久(よく)× 兄・海理(かいり)

母親に育児放棄され、子供の頃から助け合いながら生きてきた兄弟。
飢えや寒さに耐えながら、母親が帰ってくるまでお互いを励ましながら待ちます。

でもいよいよ母親が帰ってこなくなって何度か行き詰まりそうになるんですが、その都度母親がお金を置いていってくれている。
そのことで兄の海理は自分たちはまだ見捨てられていないと喜ぶんです…

3

輝血様と巫女 小説

沙野風結子  高階佑 

因習モノ

攻め:姉の元許婚 戒滋
受け:男巫女 水哉

水哉の身体におしるしが現れ、巫女に選ばれてしまう。
その上幼馴染で水哉の想人・戒滋が巫女の対となる輝血様に選ばれた。
神事に向けて皮を剥いておくようにと言われ…という話。
因習モノ大好きな私にはたまらない話でした。
巫女に選ばれてから閉じ込められ、食事を運ぶ無口な世話役と戒滋しか人との関わりが無くなってしまう環境がいいですね。
濡れ場の…

1

青ひげ公の婚礼 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

ミステリアス

青ひげ公の城をモチーフにした作品で、サスペンス的でもあるし、ミステリアスでもあり、
オペラの青ひげ公の城のように、プロローグから始まり第1の扉からラストの第7の扉までを
オペラと同じような雰囲気で描いている作品でした。
もっとも、青ひげ公の城とは違い、受け様が知らないうちに攻め様に異常な執着をされ、
拉致監禁されて、最後は殺される運命だというような設定が初めから有る事です。
それに、攻め…

7

青ひげ公の婚礼 小説

沙野風結子  乃一ミクロ 

偽りが本物に?なのだろうか

題名の通りにグリム童話の「青髭」をかなり土台とした、しかしエンドはハッピーで終わらなくちゃいけませんから「美女と野獣」のような終わりを持ってきたと思われる作品。
題名に「婚礼」ってあるし、あらすじを見ると「花嫁」だし、地雷をにおわすキーワードが二つも・・・ドキドキ・・・
しかしイラストの乃一ミクロさんもちょっと今までの雰囲気とは違って大人っぽい感じに、そして決して可愛い男子っていう外見じゃない…

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