剛しいらさんのレビュー一覧

仇なれども 小説

剛しいら  今市子 

激動の幕末・維新を背景に

8年前、長妻藩(架空の藩)の藩校には、いまだ衆道(男色)の風習が残っていた。
新入生の錦は、城代家老の妾腹の息子であり、一際人目を引く美童であった。
一磨は、そんな錦を狼藉者から守るため、周囲には、二人が衆道の契りを交わした仲だと見せかけてガードしてやることに。
信頼と好意はいつしか淡い恋心へと形を変え、心身の成長とともに激しい恋に変わっていくのにはそう時間は掛からなかった。
しかし、お家…

3

騙す躰奪う心 小説

剛しいら  三城遥稀 

面白かった!

特殊工作員、っていうからどんなの? っと思っていましたが、なかなか面白いです。
舞台はアメリカ、セックスを武器に諜報専門の任務をこなす男・アン。
アンというコードネームはキライだが、本名は工作員になった時に捨ててしまったので名前を持たない。
自分というキャラを持たないアンは、作戦ごとにどんな人物にもなりきれる役者のような工作員。
新しい任務は、聖士という名前で日系人になり、不動産を買う目的…

5

命いただきます! 小説

剛しいら  麻生海 

料理人×料理人

経営がうまくいかず、自分の店をつぶしてしまった年若き元フレンチシェフの巽。
父の薦めで訪れた店で、巽は一人の男と出逢う。
居酒屋『華雅』店主の板東は元ヤクザの若頭で、背中に鮮やかな弁天を背負った一風変わった板前だ。
板東の腕前に惚れ込んだ巽は、頼み込んで住み込みでこの居酒屋で働くことになるが……

元ヤクザの板前×元フレンチシェフ(現従業員)
なんだか感情移入できないうちに読み終わって…

2

やってやるっ! 小説

剛しいら  石原理 

シリーズ完結編

『はめてやるっ!』『おとしてやるっ!』と続いてきたシリーズの三冊目にして完結編です。
面白かったです。
誘い受けの若頭の辰巳さんは相変わらずカッコ良くて、惚れ惚れしました。
両脇に狛犬のような巨大な男二人(安藤と中村)を従えて颯爽と立つ、若き美貌の極道辰巳。グッとくるものがあります。
今作ではいきなり、その両翼をもがれます。
まず元右翼で人斬りで飛行機嫌いのw中村が、濡れ衣によって警察に拘留され。…

1

時のない男 顔のない男3 小説

剛しいら  北畠あけ乃 

シリーズ三作目

顔のない男シリーズの三作目です。
一冊目と二冊目は面白かったんですが、この作品は微妙でした。
攻めは天才俳優。役に入り込むと、私生活までその役になりきってしまう。
受けは新人俳優。ごく普通のイイ子です。

主人公が成長してなくて、しょーもないことでむくれたりするのがイヤだった。
前作までは、天才俳優のイビツさや穴を、『ごく普通』の感性を持つ受けが自然とフォローしたり埋めたりしてるみたいな感じがして…

1

狼伯爵~永久のつがい~ 小説

剛しいら  タカツキノボル 

深くてライトな?人狼もの

アメリカの田舎街で獣医として働く良宏は、ある日銃で撃たれた狼の手当した。
人に慣れている上妙に賢くて、自分でテレビまでつける狼を不思議に思いながらも、一緒に過ごすうちに情がわいてくる良宏だったが……
ある朝目覚めると隣で寝ていた狼は美貌の男に姿を変えていた。
カイルと名乗る男は自分が百年以上の時を生きる人狼で、良宏もその同族だと告げるのだが……

剛さんの作品で、なおかつ人狼と聞いては買…

2

緑の記憶 小説

剛しいら  北村小梅 

大人になりたくない少年

シリーズ三作品目という事ですが。
前作『水の記憶』『炎の記憶』を読んでいなくても充分、楽しめます。
ちなみに私は前作を読んでいませんが、支障はありませんでした。

主人公の精神科医・如月(33歳)は、10歳年下の恋人・佐々木と同居して一年。
まだまだ新婚状態でラブラブです。

二人の出会いは10年前。
彼らは十年越しの恋を実らせたカップルなんですね。
作品中に佐々木の成長を待ち続…

4

雪の記憶 小説

剛しいら  高群保 

再生の始まり

仕事に没頭する如月を温泉に誘う佐々木。のんびりと雪景色を楽しんでいる二人の前に現れた、記憶をなくした雪生。一人だけで雪の中に倒れていた理由は?

このシリーズは、毎回子供がいろんなものの犠牲になり心傷つき、それを助ける如月。そんな如月を支える佐々木。って具合になっています。
今回も大人の歪んだ愛情に犠牲になり、学校へも通わせてもらってなくて。心だけでなく、肉体的にも傷つけられた雪生。
いろ…

4

海に還ろう 小説

剛しいら  金ひかる 

海辺の町で生まれた恋

その海辺の町に青海が越してきたのは4歳の時だ。
漁業を主立った産業にした小さな町は、古くからの祭が残る。
ひっそりとした町もその時は観光客が来て賑やかになる。
都会から町に越してきて初めて出来た友達の勇作は、青海からみると野生児みたいな男の子だった。
時間は二人の関係をかけがえのないものに育てていく。
そして事件が起こったのは二人が中学生になった時、青海が祭の稚児に選ばれた時だった……

2

夜に咲く花 小説

剛しいら  麻生ミツ晃 

妖しい雰囲気の漂うお話

ミステリ仕立て。
ただ明快な回答とか解決とかに至る、そういうわかりやすい結末ではなかったです。
架空らしいですけど、“夜に咲く花”と、昼間は清楚な水樹の夜の変身をかけた・・・ちょっと妖しい雰囲気のお話でした。

祖父を「大殿様」と呼ぶような旧家生まれの神宮寺は、長身で美男で東大卒、何不自由なく育ったお坊ちゃまだが、祖父にいきなり大金を渡されて、「それでなんかやってみろ」というようなことを言…

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