剛しいらさんのレビュー一覧

赤色サイレン 小説

剛しいら  神崎貴至 

膝の上に乗る美形医師!緊急事態!赤色灯とサイレンが心で鳴り響く

剛しいら先生の2005年作品。
救急救命士の資格を持つ救急隊員・風祭信吾と、腕のいい外科医・羽所郁生の恋。

救急隊の間では、地域の総合病院で必ず急患を受け入れてくれるのだが外科処置の腕が今ひとつ、と思われている羽所病院。
今日も交通事故の被害者を運び込んだのだが、今日は初めて見る医師が待っていた。
それが大学病院から戻ってきた羽所院長の息子だという。
信吾はその医師が気になって気にな…

0

匣男 小説

剛しいら  吉村正 

淫靡そのもの

以前から「読まねば」と思っていたんですけれど、この本9年前の作品なんですね。
あらためて剛さんは凄いと思いました。
「スゴイ!」って言うより「……凄い」のよね。

旧財閥の直系で、子どもの頃から家業(と言っても、大財閥なので仕事は様々あるんですけれどもね)を継ぐことを運命づけられている風宮。
なのに覇気がない。自分の意見が言えず、廻りの言いなり。
結果として、破産寸前と言われている造船…

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普通の男

大好きな「顔のない男」の番外編、「普通の男」のレビューです。

飛滝(攻)への辛口評論を読んで憤る音彦(受)。そんな音彦をなだめる飛滝が次に出演を決めたのは「普通過ぎる人々」というその評論家が嫌う監督の映画で…という内容でした。

役になり切って別人になる飛滝の前に、姿を現し、何度も恋を仕掛ける音彦。
ただ、台本としては飛滝は音彦と恋愛関係になってないので、一体どうなるの?
というのが…

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はめてやるっ!(文庫化) 小説

剛しいら  石原理 

最近の作品にない激しさがイイ

任侠ヤクザものBL面白かったです!シリーズもののようですが、とても濃い内容で一冊で満足しました。
内容はかなり際どく、ギリギリ感がありましたが、最後は雨降って地が固まる感じで、読了感が不思議と爽やかでした。だいぶ前の作品ですが、今読んでも古臭くなく、読み物部分とBL部分のバランスも良かったです。どちらかというとBLより、男色、衆道寄りのテイストで、自分はハマりました。こういう激しさは、最近…

3

愛玩人形 小説

剛しいら  小山田あみ 

愛されて愛するを知る、人間らしく。

超女系家族の由緒ある家柄で、何軒も観光ホテルを経営している財閥である姫丸家の黒一点・琴耶(ことや)は、家業とは無関係の創作人形師。
本人はアセクシャルな雰囲気で、性格も大人しい。
姫丸家の大切な行事である雛祭りに、従姉妹の知美が連れてきたのがフランス人のジェラール。
彼はホテルとレストランを経営する一族の御曹司でCEO、つまり姫丸家のライバルでもあるのだけれど、ゲイのジェラールは琴耶に一目惚…

1

肉体の華 小説

剛しいら  十月絵子 

ダリルがかわいそう過ぎる

ストーリーがしっかりしている。途中から悪役の隣国王様に恋するダリルのことが気になったが、彼の結末はかわいそうすぎる。主人公にかけたの呪いを解けるために悪役は死ななければならない設定だけど、別にその呪い解かなくても良くない?主人公の名前バカップルはもう十分幸せだから。ずっとかわいそうだったダリルに、改心した悪役王様と幸せになって欲しかった。

0

シンクロハート 小説

剛しいら  小山田あみ 

シンクロするのは隠している心

「エリート警部x犯罪心理分析官のセクシャル・スリリングLOVE」の帯通りの、2時間TVサスペンス的なお話。
私は元々こういうの好きなので非常に面白かったです。
攻めの陵(みささぎ)は、絵に描いたような3高のイケメンエリート。
一方独特なのが、受けの犯罪心理分析官・空也(くうや)の造形。
BLの多くでこういうカップリングの場合、分析官はクールビューティなツンデレ眼鏡のイメージ。
だけど、ア…

1

戀人 小説

剛しいら  石田育絵 

リアルみに感心

『相棒』の続編。
この2作は主人公の天羽・川崎の恋模様よりも『子ども(または天羽も含めた『若いヤツ』)の自立』がテーマなんじゃないかと、今作を読んで思いました。

前作で仄めかされていた『川崎が過去に起こした少年淫行』の相手である篤弘から川崎に電話が入ります。彼がバイトをしている保育園に子どもを預けている母親が殺されたのです。
篤弘は義父から性的虐待を受けていた過去があり、その事件がきっか…

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命いただきます! 小説

剛しいら  麻生海 

罪と罰をこえて

それほど長い話ではないけれど、ズシっと読み応えのあった作品です。さすが剛しいら先生。
内容は、元極道・今居酒屋の店主の坂東と、実家が大きな寺、でも飛び出してフレンチのシェフになった巽、の恋の物語。
巽は元々味覚が天才的で、パリに留学してフレンチのシェフに。東京に戻ってレストランを開くも経営難であえなく閉店。
次のあてもなく困ったところを、父の住職の勧めで新橋で居酒屋「華雅」を営む坂東を訪ねる…

2

相棒 小説

剛しいら  石田育絵 

穴があっても素晴らしい

強引だし、色々「ありえなーい!」と叫びたくなってしまう所があるんです、このお話。
これ、かなり昔に書かれたBLだと(これは17年前だものねぇ……)良くあることなんじゃないかと個人的には思うのですが。
「穴だらけ」って言ったら確かにそう。
でも、それを補ってあまりある魅力が私にはありました。

剛しいらさん(昔はゴジラさんと呼んでいたなぁ)は、私をBL小説世界に誘ってくれた作家のお一人なも…

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