剛しいらさんのレビュー一覧

青と白の情熱 小説

剛しいら  かすみ涼和 

こねて、練って、焼く。美しい焼き物のように

いや〜…すごく面白かったです。
やっぱり小説って面白いし引き込まれるし、剛しいら先生の上手さが光る。

主人公は、有名料亭の跡継ぎ・修右(しゅうすけ)。
新店舗の器に採用したい、と自ら惚れ込んだ九谷焼の新進気鋭陶芸家・青也に会いに金沢へ向かうが…
…と始まります。
その日から修右は考えの未熟さや価値観の違いを青也に論破されて、そのまま1ヶ月(!)、青也の工房で雑用と飯炊きお兄さんをやら…

0

ペーパームーン 小説

剛しいら  金ひかる 

生の強さ

「ムーンライト」の続編。
記憶喪失で重い心臓病の主人公・浩之は、記憶を取り戻し難しい手術も終えて、以前よりずっと健康になって医師の一樹と同居している。
本作は、そんな2人の穏やかで優しくて愛と思いやりの生活、が始まりながらも、やはり「波乱」が語られます。
とはいえ、読み終わって感じるのは。
単純に「BL小説」の枠内というよりももっと「生と死」に関してのある意味普遍的なテーマ。
死に誰より…

2

ムーンライト 小説

剛しいら  金ひかる 

月夜の人魚のような男

事前情報無しで読み始めて…ありゃ〜……
私の苦手設定でした。
「記憶喪失」。
気分が下がりつつ読んだのですが、さすが剛しいら先生。内に激しさを秘めた静かな愛の行方を描いて悪くない、いや良いといえる作品。

私が嫌いなのは、途中で事故かなんかで片方が記憶喪失になる設定。
これが来ると創作に対しての「逃げ」を感じる。大怪我とか体に受けるダメージ、それに伴う経済的社会的なダメージ、そこはすっ…

1

リメイク 小説

剛しいら  かんべあきら 

剛しいら節。緩急の女王だと思う

「フェイク」の続編。
恋人同士になった映画会社社長の高島と駆け出し俳優の陽平。
本作「リメイク」では殺陣の鍛錬を積むことで時代劇の端役でも光り始めている陽平…から始まります。

「フェイク」では仕事をすっぽかした韓流スターの替え玉だった陽平。
本作「リメイク」もまた。
…という感じなのですが、今回は撮影所で往年の時代劇スター・花田啓二本人に見そめられて自身の代表作のリメイクを提案される…

0

フェイク 小説

剛しいら  かんべあきら 

替え玉を探せ!

映画業界を題材にした2007年発表作品。

繁国(韓国と思われ)のスター・ハンイムソルがイベントで来日するはずがすっぽかしで連絡が取れなくなり、売れない役者の陽平が替え玉として行動することになるが…というお話。

主人公は陽平。
元々ハン・イムソルのそっくりさんとしてTVに出たりしていたので白羽の矢が立った。
招聘元の日本の映画会社の若き社長・高島が陽平につきっきりで繁語やハン・イムソ…

0

総集編 布団 小説

剛しいら  山田ユギ 

しんみりと

座布団の噺家師匠の過去話。
一矢が初助に変わっていくさま力強く脆く切なくしんみりと伝わります。初助を創り上げた生い立ちや彼を通り過ぎていった男達。芸を極める厳しさと時代背景が相まってしんみりとノスタルジーを感じさせます。世の中や人間の心はままならないなぁ⋯と
お互いの切ない重い想いや情熱や情愛が静かに熱く書かれているなと感じました。世知辛い世の中の、細やかな幸福を噛み締めながら皮肉りながら生き…

0

禁縛 小説

剛しいら  嵩梨尚 

禁縛

縄師✕梨園の貴公子

表紙とタイトルがドンピシャ好みだったので衝動買い
禁縛ということは縛ってエロエロなのかしら
なんて、久々にエロ特化を期待して読み始めましたが
エロよりストーリー、
キャラクター、職業の深い心理的なところに
どちらかといえば重点を置いた作品でした。

華々しい世界である梨園
抑圧されて育った受が求めたもの

一流の縄師の弟子であった攻
どちらかといえば…

0

ビター・ヴァレンタイン 小説

剛しいら  蔵王大志 

最高にぶっ飛んでるチョコBL

かなり古い作品なので時代背景や「男がチョコを好きなんて…」みたいな価値観などはちょっと脇に置いたとしても…
ツッコミどころが多すぎる!!!(笑)

オイオイ…と思うところが至る所にあるのに、妙にハマってしまう。むしろそれが楽しくなってくるチョコBLwww

攻めはショコラティエで格好良くて超絶俺様、傲慢強引野郎で令和には絶対生まれないタイプの攻め。
受けとは電車で出会うのですが、勘違い…

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発情系ドラッグス コミック

剛しいら  鹿谷サナエ 

編集者はやり手

まずこの本の編集者、賢いなと思いました。好意に値するよ!実際のところ同時収録されている『悪い子しまショ』の短いスピンオフ作品として『発情系ドラッグス』が表題になっているんですが、確かに後者のタイトルの方が絶対に売上いくよね。私も騙された(?)中のひとりです…前者のタイトルだったら買っていなかった可能性の方が遥かに高い。そして内容もいまいち!話が微妙な上にエロいシーンもいまいちなんで、もういまいち評…

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星の秘密 小説

剛しいら  巴里 

サブキャラクターに惹かれた

秘密シリーズもとうとう3作目。
独立したお話ではありますが、最終巻なこともあって1,2作目のキャラクターが度々ゲスト出演していますので、やはりこれは1作目から順番にがおすすめです。

天涯孤独になってしまった、大学院で血液の研究をしている青年・昴が、夜が似合う謎めいた美貌の男性に話しかけられることから始まる物語。
3作目にしてついに伯爵と呼ばれる純血種の吸血鬼がCPに登場とくれば、さあ一体…

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