うえだ真由さんのレビュー一覧

ロマンスの黙秘権~a miracle for you~ 小説

うえだ真由  あさとえいり 

番外編じゃないよ、続編です。

商業誌『ロマンスの黙秘権』の続編同人誌です。まず、厚みに驚きました。148ページ・2段組みでびっしり。内容も量も商業誌(文庫)に遜色ないです。

表題作は、啓(受)が交通事故で幼児2人を死傷させた加害者の国選弁護を引き受けます。

啓は、父親を交通事故で亡くし、その裁判で弁護を引き受けて共に戦ってくれた弁護士・田上を尊敬し、自らも弁護士となって田上の事務所で働いています。父親の件があるため…

3

ロマンスの記憶 小説

うえだ真由 

『ロマンスの黙秘権』大学時代の一場面。

准己(攻)と啓(受)の、大学時代のエピソードを、准己が回想しています。理念を熱く語る正義漢の啓と、自分とは相容れないと思いつつそれを眺める准己。

准己は、弁護士になった今もそういう面ではまったく変わらない啓を見つめながら、あの頃すでに恋に堕ちてしまっていたのだ、と今ならわかるものが、学生時代の自分には理解できなかった想いを反芻しています。

『昔のことを思い出していた』と告げた准己に、啓…

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ロマンスの黙秘権(3) (表題作 you send me love) 小説

うえだ真由  あさとえいり 

『お仕事BL』でもここまで楽しめるんだ、というのを教えてもらったシリーズでした。

あ~、やっぱり好きだ、このシリーズ。私が珍しく、本来は苦手と言える『お仕事BL』でお気に入りの作品です。3部作通して、ホントにお仕事描写多いですね。

もうシリーズ開始から、メインの2人(准己×啓)は、『対立』と言って差し支えないほど、弁護士としてのスタンスも何もかもが違っているわけですが、それでもお互いを尊重して行こうとするところがいいなあ、と。実際には難しいと思いますよ。作中もかなり衝突…

3

ロマンスの黙秘権(2) (表題作 all the way~檀香梅の咲く道~) 小説

うえだ真由  あさとえいり 

シリーズ2作目。

評価は、シリーズ通してのものとして付けました。『シリーズ』としてみれば、『神』以外考えられません。

前巻は准己(攻)視点でしたが、こちらは啓(受)視点。准己のまあ残念な内面は前巻でよく見えたし、逆に今ひとつわからなかった啓についてはこちらで補完されたので、結果としてどちらの心情もわかってよかったです。

相変わらずお仕事してますね~。でも、これだけ仕事しながら、しっかりラブも組み込まれ…

4

ロマンスの黙秘権(1) 小説

うえだ真由  あさとえいり 

『お仕事BL』でいちばん好きな作品(シリーズ)。

これ読むと、『うえださんってとんでもなく上手い作家さんなんじゃ・・・』と感じます。いえ、もともと大好きな作家さんですし、上手いと思ってはいるんですが、なんというかそれ以上に。

本来、私は所謂『お仕事BL』が苦手な方なんですよ。仕事描写ばっかりだと、『BL読みたいんだよ!』とハラ立ってしまうこともあります。ですから、よっぽどでないと『お仕事BL』が好きになることはないんですが、その中でコレは別…

7

イノセント・キス 小説

うえだ真由  大和名瀬 

貧乏攻×箱入り受(作家さんいわく)

うえださんの『ベタ』3部作の3作目。年の差もので、義理の兄弟(?)もの。
ただ、ベタシリーズの他の2作ほどのお気に入りではないですね。『ベタ』さがちょっと甘いような・・・決して悪くはないんですが、あとほんの少し何かが欲しかったかな。なんとなく物足りなかった気がします。

この一帆(受)はかなりの執着受と言えるんじゃないでしょうか。でもまあ、これくらいなら、陰湿・粘着質まで行かない、『一途』で…

1

Missing you 小説

うえだ真由  やしきゆかり 

やっぱりうえださんの『ベタ』はいい。

一瞬『神』と迷いました、ハイ。

うえださんのベタシリーズと言えば『健気受』。確かに優奈(受)は、紛うことなき『健気受』ですが、私は克治(攻)も『健気攻』だと思うんです。

幼いころの事故が原因で左脚が不自由な優奈(受)。事故の責任を感じて、ひたすら優奈に尽くす克治(攻)。お互いを思いやって、だからこそ相手を特別に思う自分の気持ちを言い出せないんです。そこに、優奈を思うあまり『人並みの幸…

5

スノーファンタジア 小説

うえだ真由  あさとえいり 

ベタだからこその素晴らしさ。

うえださんはかなりの好き作家さんですが(でも、全部の作品が好きとは言えない・・・)、これはその中でもベスト3には入ります。ベタ3部作(あと2つは『missing you』『イノセント・キス』)ではこれがいちばん好き。ホントに大好きです。もう作家さんの言われる通り、清々しいほどのお約束・ベタ展開なんですが、それでもいい!というよりだからこそよかったです。

記憶喪失もので、確かにベタベタなんで…

10

この口唇で、もう一度 小説

うえだ真由  やしきゆかり 

究極の不幸受。

瑞(受)の背負うものが、あまりにも悲惨で、『健気』という言葉だけでは括れないほどでした。でも好きなんです。

うえださんは、可哀想な受を書かせたら天下一品だと思うんですよ。『可哀想な受が好き』と自ら言われるだけのことはありますね。しかも、ただ『可哀想』『悲惨な目に遭う』というのなら珍しくもないですが、読む側に必要以上に嫌悪感を抱かせないあたりがすごいと思うんです。

私は『痛い話(私の思う…

6

ファースト・ラブ 小説

うえだ真由  水姫暁乃 

体から始まる。

うえださんのデビュー後間もない時期の作品です。

ひとことで言えば『地味』なんですが、しっとりした雰囲気のあるストーリーでした。一種の王道には違いないんですが、心情描写が細やかで、ありがちなだけで終わってないんですよね。

春季(受)は高校時代の初恋をとても大切にしていて、でも相手(浩之)はノーマルだから、とせめて友達としてそばにいたいと願ってるんです。
浩之がいるから本気にはならないけ…

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