高座朗さんのレビュー一覧

ただ一度の恋のために 小説

いとう由貴  高座朗 

禁忌の切ない恋&泣いた&方言萌え&主従萌え

久しぶりに男同士=禁忌という作品読んだ気がします。

酒蔵の一匹オオカミ的な蔵人・澤木と、病弱な坊っちゃま・伸之との主従関係。
小さい頃から何かと相手をしてくれた澤木への思慕が、やがて恋に変わっていく伸之。
澤木への想いは隠し事ができない性格ゆえに周囲にバレバレで……。(澤木本人は気づいていないけど)
男同士なんて許さん派の兄が二人の仲を引き裂くんですね。
「男に好かれて、澤木が嬉しい…

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半化粧の恋 小説

鳩村衣杏  高座朗 

文章が上手 

当たり前というか、さすがというか、
創作講座を開催しているだけあって、構成も文章も上手で模範的。
上手な表現と構成の効果で、読みながら登場人物たちの事情や情景が迫ってくる。

大正時代。
財閥と関連する貿易商の堂島家。

景は、15才、堂島家の使用人に就く。
館の火災で負った火傷の跡の為、景はやくざしか就けなかった。
体の半分を覆う赤い火傷跡を隠そうとしない景は、「半化粧の景」と…

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たとえ初めての恋が終わっても 小説

バーバラ片桐  高座朗 

時代背景を活かした心理描写とキャラクターに説得力

“雑踏を歩くときには、いつでも稔の姿を探さずにはいられなかった。稔に年恰好が似た若者の死体が出たと聞けば出向いて確認せずにはいられなかったし、その死体を一瞬稔と見間違えて、心臓が止まりそうなショックを味わったこともある。”


バーバラさんといえば乳首のイメージだったのですが、こちらも乳首でした(笑)
戦後BLは珍しく、闇市舞台に惹かれて購入。親と離れて闇市で何とか食いつなぐ稔が、思惑あり…

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ただ一度の恋のために 小説

いとう由貴  高座朗 

純愛直球でいつまでも読んでいたくなる文章と密度

kindle unlimitedにて
今は問題視されるような周囲からの同性愛否定発言も、引き離そうとする強い力も、二人が地獄に落ちてもいいと思える激情と双璧なので、旧時代的でも現在のBLとは違う惹きつけられるものがあります。

お話はとてもシンプルで、いつまでも読んでいたくなる文章と密度でした。日本家屋の空気感、沢のせせらぎなど目に浮かぶようで心地よく、その中で病弱な坊ちゃんが澤木を慕ってキ…

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熱砂の記憶 神崎&那月シリーズ 2 小説

綺月陣  高座朗 

シリーズ二作目

真夜中の標的を読んで、この二人の先を読みたくなったので手にしました。
図書館には何故かこれだけが蔵書されていたので、前後は電子書籍。
(なので微妙に書き下ろしとかが違うのかも)

で、この作品で、二人の関係がかなり近づくというか、固まっていったように思うんで、読んでよかった。。。
父親に玩具として育てられてしまい、男娼として生きてきた那月。達観した人生観に現れたのは、刑事の史郎。彼は交番…

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スキャンダル 上 小説

水壬楓子  高座朗 

萌ではないが旧作がオススメ

読むなら旧作を読むべき作品かなと思います。
中古市場で入手しました。

もう、ドキュメンタリーで発展途上国の話?くらいの感覚。しかし、文体が読みやすいのであっさり読み進めます。決して内容が軽いんじゃないです。作者さんの書き方というか…

萌を期待する方は読まないことをおすすめします。政治の世界で翻弄される人々…リアルじゃないと信じたいけど。
攻めの性指向は妻の瑞妃も認識しています。そし…

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まだ、恋とは言わない 小説

いとう由貴  高座朗 

女王様受け

経営難に陥った酒蔵の当主が主人公。
資金援助のため亮に体を与えても心は気高く保った女王様なところが魅力的。病弱な弟と酒蔵を守るため堅物真面目で必死に弱音を吐くことなく生きてきた人が快楽や頼る心地よさを覚え、でも恋してしまったことは認められないと取り繕ってグズグズグルグルしているのが切ないやらもどかしいやら…ワンコ通り越してパワーでぐいぐい押し進める亮の威力があってこそでした。ヘリも動かす愛の力!…

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恥辱愛戯 小説

バーバラ片桐  高座朗 

変態だからこそ

バーバラ先生お得意の、怖くない監禁陵辱モノです。ラヴァーズ文庫の「愛炎の檻」とか、ああいうテイストがお好きな方は楽しく読めるのでは。

冒頭、受けが連れ去られ監禁されるまでの流れはなかなかのぶっとび具合。
だけども実際は、受けは変態さんで拘束されて犯されるシチュに興奮してるし、攻めはもともと受けが大好きで、密かにムラムラしてたくらいなので必然的にどんどん甘くなっていっちゃうという、なんちゃっ…

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愛を売る男 小説

あさひ木葉  高座朗 

ハートフル溺愛ヤクザ攻め

【問題】
以下のあらすじを読んで、(A)か(B) の正しい方を選びなさい。

「(攻めの)栃沢は自宅へ連れ帰り甲斐甲斐しく世話をする。
美貌に傷がついた泰巳は無価値な人間でしかないのに、なぜ……?」

(A) 暇だから
(B) 受けにどっぷりと惚れてるから

ってそりゃ、(B)一択ですよね。
おまけに強気なヤクザの組長なのに、受けに甲斐甲斐しく尽くすとか最高なので読んでみました…

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夜に堕ちる執事の純情 小説

バーバラ片桐  高座朗 

スパダリなご主人様と有能執事

電子版挿絵なし、あとがきあり。イケメンで女遊びもそこそこな大金持ちのご主人様にお仕えする、真面目で有能な執事さんのお話。
執事受けが妹を人質にとられ、攻めのライバルから、主人を裏切るように脅されるという不穏な展開にハラハラ。が、攻めも受けもどちらも有能。お互いを信頼しているので、そこでごたついたりはなく。
結構あっさり問題が片付いてしまったのに、若干の物足りなさを感じた。結局のところ双方、子供…

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