高群保さんのレビュー一覧

トリアージ ~金の瞳の異邦人~ 小説

春原いずみ  高群保 

医療ものなら春原さん!

ちょっと甘いけど神評価で。だって好きなんですよこういう医療もの。
(分かりやすく言えば多重人格ものですが、作者の春原さん自身は解離性同一性人格障害と多重人格に一家言あるようです。)

一流の精神科医兼心理カウンセラーの(実は自分は精神的に崩壊していると自覚している)嶌と外国人と間違われるくらいの美貌と怜悧な態度で阿修羅王と異名を持つ凄腕の救急救命医師・齋川のお話。

齋川の上司の依頼で彼…

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JAZZ(4) 小説

前田栄  高群保 

微妙なラストへの行程

私的には……なんですが。

この巻のエピソードはなくても良かったんじゃないかと思うんですよね。
もちろん大事な終着点なので全部がいらないってわけではないのですが、この女性が絡むエピソードは成沢の最後のあがきが必要だったとしても違う形が良かったというか、けして女性が絡むのが悪いのではなく、中途半端な感じなんですよ。
いっそ最後に足掻くならもっと人としてぎりぎりまで堕ちてしまうエピか、あとは三…

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JAZZ(3) 小説

前田栄  高群保 

苦しい恋愛の姿は?

舞台はアメリカから日本へ戻っています。

アメリカではそれなりに自由にやっていた二人ですが、日本へ帰った途端に二人の問題以外にも問題が……
一番はなんと言っても直樹の両親。
特に母親。
もともと直樹の喘息はこの母親が原因。
ありがちな、旦那が無関心ならその分息子へ……の典型的なパターン。
息子は自分の分身だと思っている、浅慮な母親。
そのヒステリーな母親に加えて、ここまではとりあえ…

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JAZZ(2) 小説

前田栄  高群保 

まさに恋愛は狂気

香水JAZZと今回は後半にJAZZの本場ニューオリンズへバカンスへ行く二人の話。

とても幸せな展開に思えるけど、この二人が幸せに包まれることなどないのです。
でも全巻通じて(ラストは除く)一番幸せだったのはこのアメリカでの生活だったらしい。後日成沢がそう語っていた(笑)
でも実際は快適になるまでには修羅場があって、人間の気持ちなど全然理解しようとしない成沢がやっとその気になり、直樹にクリ…

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JAZZ(1) 小説

前田栄  高群保 

香りと共に描かれるJAZZ

全4巻の最初。
二人の出会いと進展。
ラストは舞台がアメリカへ。
これでハッピーエンドになったわけではなく、この先最後まで波乱の展開になりますが。

年下攻めは出会いの時、高校生。
しかもマザコン気味の喘息持ち。
その主治医をなんと嵌めて強姦、とてもその高校生がやることではありませんが、その異様な展開からひたすら執着攻めに。
先生の方もいろいろバックボーンがあり、こちらも壊れ気味な…

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雪の記憶 小説

剛しいら  高群保 

再生の始まり

仕事に没頭する如月を温泉に誘う佐々木。のんびりと雪景色を楽しんでいる二人の前に現れた、記憶をなくした雪生。一人だけで雪の中に倒れていた理由は?

このシリーズは、毎回子供がいろんなものの犠牲になり心傷つき、それを助ける如月。そんな如月を支える佐々木。って具合になっています。
今回も大人の歪んだ愛情に犠牲になり、学校へも通わせてもらってなくて。心だけでなく、肉体的にも傷つけられた雪生。
いろ…

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熱砂の花嫁 小説

弓月あや  高群保 

アラブと花嫁のコンボ攻撃

唯一の家族だった母を、わずか3歳でなくし、実の父に引き取られたけれど、本妻や異母姉にはきつく当たられ、使用人からも暖かい触れ合いはなく育ったまひろ。
そんな冷たい家庭の中で、兄のジョシュアだけがまひろに優しく接してくれます。
ジョシュアしか頼るものがないまひろは、兄のためなら何でもすると思うようになり、それが現実となります。

異母姉がシャムア国の王から第三王妃にと望まれたけれど、それを断…

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夜だけは別の君 コミック

高群保 

程よい甘さ

上流家庭の子息が在校生の大方を占める男子校・
芳花城高校には天守閣を模した学生寮「大奥」が
存在した。
一年生の入江カヲルはある日入寮命令を下される。
が、「生徒会長の伽をする」との慣習があると聞き逃亡し…。

最終的に結ばれている受と攻なのですが、受の
流されなさ加減が実に小気味良いのです。
あくまでも男の子。でも攻に絆されちゃったから、と
言う感じで。

同時収録作は一篇…

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一秒でも世界は変わる 小説

火崎勇  高群保 

熱血な新人デザイナー

憬れのデザイナーがいる代理店に入社できた受の新人デザイナー。でも、その憬れの君がなんともいいかげんな男だった、なんてところから話は始まる。
攻である憬れのデザイナーから、初対面でからかわれて素直になれなくなってしまった受。しかも、攻はあまり仕事に熱心そうに見えないのに結果は出すから、同じデザイナーの受としては打倒・攻の日常を送ることに。
でも、ホントは攻がデザインした作品についてなかよく語りた…

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