玄上八絹さんのレビュー一覧

俺の初恋にさわるな 小説

玄上八絹  平眞ミツナガ 

拗らせた二人

幼馴染である矩文(攻)への憧れを拗らせすぎて、自身に対する恋愛感情を打ち明けられてもピンとこないどころか頭ごなしに否定してしまう主人公・実晴(受)と、それでも一途に実晴への愛情を表現する矩文のお話。

実晴は22歳という設定ですがもっと幼く感じました。矩文に憧れて育ったといっても間近で彼を見てきたはずなのに、思い込みが激しくて現実が見えていない。自分の気持ちも恋愛感情なのだと気づくまで結構ひど…

1

俺の初恋にさわるな 小説

玄上八絹  平眞ミツナガ 

前向きに卑屈

隣に住むイケメンサラリーマンの幼なじみ×和菓子職人の卵。

受けは、初めて会ったときからイケメン王子様な攻めが大好き。でも自分は男だし、綺麗でも金持ちでもないし、キラキラな攻めにはふさわしくないと思っています。
受けの夢は、いつか攻めが綺麗で優しく気立ての良い女の人と結婚して可愛い子供を作り、いい家を建てて仲良く暮らしているところを透明人間のように眺めたい、というものです。
それがなぜか、…

2

トイチの男 小説

玄上八絹  三池ろむこ 

本番部分よりもちょっとした触れ合いに萌える

先にスピンオフ作品『虹の球根』を読んでしまっております。
そちらはこの作品よりも前の時間軸なので、どちらが先でもあまり問題ない感じでした。
というか『虹の球根』が先の方が、かなりニマニマ出来ると思います。
そして玄上さんを表するのに良く使われる文章の独特さというものは、今回ほとんどわたしは感じませんでした。
かなり読みやすいです。

**********************
受け…

3

千流のねがい 小説

玄上八絹  竹美家らら 

せつないけどちゃんと幸せになれる

わんこシリーズとリンクしていて、
本作品の『きつね』はわんこシリーズの『犬』と同じ、
某研究所で細胞から人工的に作られた生命体である『人形』です。
主人公の凛を作った人形師(研究所員)・一水は
わんこシリーズでも出てきていました。

本文380ページと破格の厚みがありますが
「しもべと犬」で私を散々困らせた独特の文体はほとんど見かけず
すらすら読めました。
ここでは詳細は伏せます…

3

プライベートフライデー 小説

玄上八絹  鈴倉温 

健気でした

「しもべと犬」で、良い意味での衝撃を受けた玄上八絹さん。
こちらの作品は特殊設定とか無い、普通のリーマン同士の恋愛もの。
「背中を抱きたい」という作品のスピンオフですが
本作だけ読んでも、特に問題ありませんでした。

あらすじとしては、そこまで変わった内容ではなかったのですが
「しもべと犬」で、
変わったお話を書く作家さんだという印象を強く受けたのと
キャラも状況もちょっと独特なと…

3

茨姫は犬の夢を見るか 小説

玄上八絹  竹美家らら 

一途わんこ×2=健気さ半端無い

「しもべと犬」の続編。
今回のメインCPは、表紙の禪(ぜん)×犬姫(いぬき)なのですが、
前作CP智重×信乃もサブCPとして、メインと遜色ないほどの出番がある上
信乃視点が全体のうちほとんどの分量を占めてるので、
前作ファンもかなり楽しめます。
癖のある独特の文体は「しもべと犬」ほどじゃないですが散見されます。
でも、だいぶ慣れたかもw

アクション部分は前作を凌ぐスリリングな筋立…

4

恋には金がいるらしい 小説

玄上八絹  ヤマダサクラコ 

ネタバレありご注意

逃がし屋×運び屋。受けは親はなく、病気の妹を抱え、将来的に妹の臓器移植費用を稼ぐため医者になるべく医大に通っている大学生。攻めにも金の要る切実な事情があるので、双方が金を必要としているカップルです。
受けは諸事情から攻めに身体を売る羽目になるのですが、攻めに「経験は?」と聞かれて「ないような、あるような」と答えます。実際やってみたらうしろが柔らかかったため、攻めには経験済み認定されます。でも本当…

4

しもべと犬 小説

玄上八絹  竹美家らら 

愛情のすれ違い

すれ違いのある意味王道とも言える組み合わせ。
ご主人さまと犬と呼べるような関係ですが、設定はもっと複雑です。

「犬」と呼ばれる人工の生き物である信乃と、非公式に存在する警察部署に所属する刑事・智重。
信乃の忠誠心はまさしく犬と呼べるもので、智重のためなら死もいといません。
それ以上に読んでいて悲しいのは、信乃が自分を「替えがきく」生き物として最下層だと思っている事。

けれど感情が…

3

茨姫は犬の夢を見るか 小説

玄上八絹  竹美家らら 

読む人はかなり選ぶ

以前、某誌の編集さんがおっしゃってました。少年漫画なら1巻まるごと延々アクションシーンもアリだけど、少女漫画でそれは許されないと。随所にこまごまと情景や心理描写etc.を挟んでやらないと、読者に飽きられてしまうのだそう。ではBL小説ではどうなのか? やっぱ読者の大部分が女性だと、ラブ1アクション9みたいな配分では少々厳しいかな、一般受け、という点では。 

 わたし自身は結構ノリノリで読みま…

1

しもべと犬 小説

玄上八絹  竹美家らら 

愛が栄養

久々に号泣してしまいました・・・かなり恥ずかしい。それも泣きのスイッチが入ったのがかなり変則的で、おさらいのつもりで2度目に読んだ時だったので自分でもびっくりしました。多分1度目は、とにかく結末が知りたくて先へ先へと急いだので、登場人物それぞれのの微細な心の動きを掬い上げてシンクロするまでに至らなかったのでしょう。独特の文体の癖になじむまで多少もたついたというのもありますが。

 主人公は警…

4
PAGE TOP