原田千尋さんのレビュー一覧

波の名前 小説

原田千尋  竹田やよい 

これは角川ルビー文庫向きではない

青春群像劇。

著者がエゴサしている可能性もあるので、あんまり批判めいた事は書きたくないと思いつつも、あくまで一読者の感想ということで…

お世辞にもうまいとは言えぬ文章です。
数行の間に視点がコロコロ変わり、読み辛い事この上ない。誰の独白か分からず、思わず前のページまで遡って読み直した箇所があるほど。
登場人物多すぎるし、皆めんどくせ〜レベルにワケありすぎ。
おまけに人間関係が複雑…

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彼の時刻を止めて 小説

原田千尋  竹田やよい 

セックスより切ない

原田さん作品を初めて読んだのはベトナム戦争帰りの男が主役の話だったのですが、今回は舞台は日本で関わってくるのは第二次世界大戦。

といっても世界観は全く違って、こちらは現代日本舞台とした日常ファンタジー。
ファンタジーというより夢の様な、幻の様な、という表現が近い気がします。
主人公の千郷が祖父の元実家である長崎を訪れ、その先で加納敬吾と名乗る謎の青年に出会います。
戦争資料館に展示され…

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AND FAITH TO FA 小説

原田千尋 

ベトナム戦争帰りの男

耽美系とかそういう意味ではなく別の意味でBLではなく「JUNE」作品だなあと感じる一冊。

テーマはベトナム戦争に行って帰って来た男達の心の深い傷。
ベトナム戦争を描いた文学や映画は沢山ありますがBLでとなるとやはり珍しいテーマかと思います。

舞台はアメリカ、小さな町に越してきた美丈夫な男・クリス[攻]
彼は妻子持ちですが、ベトナム戦争後のトラウマが原因で妻子と別れて彼だけがその町に…

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非BL作品

春に僕を忘れて 非BL 小説

原田千尋  竹田やよい 

逝く人と、残される人。

物語を最後まで読んで、あとがきまで読んでようやく何が言いたかったのかわかりました。笑
というのは、話がふらふらしていて、何が言いたいのか途中さっぱりわからなくなるのですが、最後に超オカルト現象が起こって、「!?」と読者側が思っているうちに話が無理矢理まとまってジ・エンド。とりあえずは、人間、途中放棄せず最後まで生き抜け、という内容でした。全然BLじゃないのでご注意あれ。

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鏡の島 ガラスの船 小説

原田千尋  竹田やよい 

描写不足

プロットは面白いと思いました。
ただ、どの場面でも描写が不足しすぎて、展開が早すぎて、物語世界に入り込めなかったです。惜しい感じがしました。
あと、ラブ心理の描写も不足してたというか、主人公の恋愛感情を書かなすぎて、ラストの唐突感が否めませんでした。

再会モノです。
主人公の兄の死を巡る真相が、八年ののちに明らかになる。
再会するのは高校時代の友達四人グループです。
この四人のキャラも生かしきれ…

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ロンリー・キッズ 小説

原田千尋 

古さが新鮮で、やっぱり古い

約20年前の小説です。
古さは感じましたが、それが逆に新鮮でした。最近の小説のセオリーのなかに収まっていない感じが新鮮。
読みやすく、十分に面白かったです。

沖縄を舞台にした、カメラマンとストリートボーイの恋です。
カメラマンの悲惨な過去の事件が少しずつ明かされ、沖縄の土地で様々な出会いを通して浄化されていく。
道徳観念や貞操観念の薄い人たちが、それぞれのルールで生きてます。
なんていうか――昔…

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