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月夜の珈琲館
葡萄瓜
表題作自体はN大付属病院シリーズではございません。 しかしながら併録作によって絶妙なリンクを果たしました。 どう言うリンクを果たしたかはネタバレになりますので 申し上げませんが。 ただ一言。 一文でこの一冊を表現せよ、と問われたら筆者はこう返します。 『毒こそ、甘美で愛しいもの』と。
このN大付属病院シリーズを読み返していると、 柄にもなく医療の進展について考えてしまったり します。 そう、この頃は心療内科と言っても話の通じ方が 本当に悪かったな、とか。 併録作では麻酔医と外科医の少年時代の事が 語られます。まあ、彼等の事ですから一筋縄な 子供ではない訳ですが。 表題作の主題は、評者が感じる所では『癒し』です。 それに相応しい展開も致しております。
帯コピーは併録作『クリスマスの記憶』由来かと 思われます。 軽やかさと深さを併せ持った味わい深い短編です。 表題作ですが今回は豪華キャストですね。 ゲストカップリング【刑事×刑事】にメインカップリング、 そこに麻酔医ともう一人が絡んで、と言う趣向に なっております。 後は選択されたトーンから推測して戴きたく。 このシリーズを読み進める事が出来るかどうかは、 ひとえに一瞬の…
月夜の珈琲館 邦久十也
実はこの掲げられている粗筋、表題作のもの ではありません。表題作の舞台はアメリカですし、 主人公達はN大付属病院とは一切関わりのない 人々です。 しかし、評者は敢えて表題作の一読も奨めます。 関係描写の描写が見事な作品ですから。 短編集の中にN大付属病院シリーズが一作 紛れ込んでしまったこの一冊。 これもまた『月夜の珈琲館』と言うユニットの 持ち味を詰め込んだ一冊なのでしょう…
表題作に具体的な描写は殆ど出て参りませんが、 かなり濃厚な情感漂う作品である、とだけ申し上げて おきます。 後の併録作について言えばそれぞれに閉じる物語 ではなく開かれる物語である、と申し上げつに留め ましょう。 少なくとも登場人物達の日々のひとコマから 切り取られたものである事は確かです。
今回の表題作はカップリングを明記している事から 何がしか思っておいでの方もいらっしゃるかと愚考 します。 実際、激しい事は確かかと思われます。但し肉体的に、 ではなく主に感情の面で。 昨今のBLから見れば多分大人しい部類に入って しまうのでしょうね。 併録作の後者はメインカップリングの出来上がるまでの 修羅場の一幕。BLと言うよりはまだ耽美の文脈の中に あるのかも知れません。…
評者のホワイトハートと言うレーベルに対する印象を がらりと変えさせたシリーズの一作目でございます。 往時は『そうか、講談社でももうここまで描いて良い様に なったんだ』と複雑な気分になったものです。 この方々、紅野隆一さんの小説と邦久十也さんの絵に よって展開されるN大付属病院シリーズは一寸複雑な 構造をしております。 メインカップリングは外科医・青木克己と内科医・菊地 尊臣です…