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月夜の珈琲館
葡萄瓜
心を絡ませ合う人物はいずれもほぼ間違いなく スーツ姿と言う一冊です。 心情の駆け引きで進む表題作と心情以外でも 駆け引きをする併録作。実は両方読まないと 作品に内包された熱さが判らない様になっています。 この作者さん方唯一の商業連載作であり、また 漫画部分を交えぬ構成であり、又唯一の新書と 言うONLY尽くしのこの一冊。 技術者達の不器用な恋愛と技術への情熱を 織り交ぜた一冊…
表題作は『電脳の森のアダム』に収録されている 作家シリーズの一編です。 だからと言って『電脳の森のアダム』を読まなければ 理解出来ない訳ではありません。 ただ、登場人物の位置関係を理解する為に一瞬 空白が生じる程度です。 併録作も『電脳の森のアダム』に収録された作品の 続き物と言う位置付けですね。 こちらも細部で戸惑いは生じるかと。 こういう位置付けの一冊が出来るのも、シ…
表題作を読み解く為には併録作『セントジョンズ ワートの庭』をじっくり読み、その後過去作品を お浚いした上で対峙する必要があるでしょう。 話の構成がややこしい訳ではありません。 話の骨格が骨太過ぎるのです。 でもこれもまたBLと言う文脈の結晶の一つ。
一足先に申し上げますと収録作全編に渡り キャラクター崩壊と言うべき現象が発生して おります。 ただこれは作者の御乱心と言う訳ではなく、 物語世界の円熟に伴う登場人物の寛ぎの 結果と認識する事が出来ましょう。 この巻からシリーズを遡ってみるのもまた 面白い読み方かも知れません。 後書きではこの後もシリーズの商業出版が 継続する見込みだったとの様子が伺えますが、 現時点ではこれ…
表題作が元々書かれたのは後書きから 逆算すると1999年頃の事である様です。 そう言う部分を含めて読むとこの作品は 又新しい表情を見せる事でしょう。 そして表題作の後日譚とも言うべき 「泳げない魚」によって更に物語の世界は 転回します。 お約束の様でお約束ではない、そう言う方向に。 その中で収録されたN大シリーズは 医学生の心象風景を描いたもの。 さらりとした痛みのある一編…
月夜の珈琲館と言うユニットはさりげなく 多くの抽斗を持っている、と感じる巻です。 そして、男性同士の恋愛を描くには必然性が あるとさりげなく提示もして居ます。 併録作の後者はCD化作品発売に合わせての 再構成リミックス版。 ドラマCDと構成は等しいとの事です。 以下参考の為キャストを後書より転記します。 (敬称略) ********* 菊地尊臣(内科医):三木眞一郎 青木…
ネタバレ
表題作を読んだ後、暫く放心してしまった評者を 責めて下さいますな。 表題作はシリーズ前巻収録の『青木克己の夜の 診察室』の続編に当たるのですが…良くも悪くも BLである必然性から遠ざかっている話です。 表紙通りの展開は決して期待なさらぬ様お願い 致します。別の視点から視れば稀少な教材に なり得るのですが。 併録作の前者は注記の通り前巻収録作品の続編。 後者は精神的要素濃厚…
表題作はメインカップリングの攻がとても可哀想に なる話です。キャラ崩壊と言うよりもキャラ解体と 言うべき話かも知れません。 そして恐ろしい事に表題作はまだ受難の前半だったり 致します。この後半は…読まれるおつもりがあるならば 次巻『青木克己の夜と朝の間に』でお楽しみ下さい。 併録作の前者はメインカップリングの出来上がる前の話。 そして後者は外科医元同級生の波乱含みの一挿話です。
実は表題作にはN大付属病院シリーズに繋がる 伏線が一本張られております。 何処がそれに当たるのか探りながら読むのも 一つの楽しみ方であろうか、と。 そしてもう一つ。表題作中ではあるキーワードが 自乗に作用している、と評者は読み取りました。 そこを踏まえて読むと又違った表情の展開に 視えるのでは、と愚考します。 併録作はN大付属病院シリーズに張られていた 伏線一本の種明かしです…
表題作に濡れ場がない為敢えて受攻区分無しと 致しました。 単純に色恋沙汰を読みたいならば併録作の方を お奨めします。それでも相応に重みはありますが、 表題作の重みに比べると恐らく幾分はましかと。 表題作は読み込めば読み込む程重みを感じて しまうでしょうし。