金ひかるさんのレビュー一覧

ソネット 小説

ひのもとうみ  金ひかる 

イノセント

読み終えて、やっぱりひのもと作品らしいビターな感じは多分にありながらもこれまでとは違う世界観を感じる事が出来ました。西江彩夏さんの長距離初恋を読んだ時にも感じた初恋の暴走が自らの夢や矜持を意図も簡単に捨て去ってしまう痛さ、相手が大事だからこそ才能や夢を捨てさせてはいけないからこそ一度別れざるを得なくなってしまう若さと稚拙さがありました。広尾の辛辣さはキャラとしても苦手なんだけども、しかし、ひのもと…

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恋する記憶と甘い棘 小説

黒崎あつし  金ひかる 

どちらも受けさまだから問題ないっ!?

王道的テーマの記憶喪失ものラブストーリーでしたが、黒崎先生になると一味違った
テイストになっているようなお話だったかもしれません。
父を亡くし、多額の遺産を受け取った為に起こるトラブル、欲の塊のような親戚に
母親は心労で弱り受け様は母親を守るように一人気を張り詰めていたのです。
そして子供の頃から大好きだった従兄弟の攻め様に助けの手を差し伸べて貰っても
あまりに人を信じる事が出来なくなっ…

2

スイート×リスイート 小説

栗城偲  金ひかる 

トラウマはそう簡単にはね。。。

小さい頃懐いていた年上の幼馴染との再会愛のお話。
栗城さんらしく題名に表わされるように全体としてはかなり甘い作りになっています。
なんといっても年上のパティシエが年下の大学生をずっと好きでいますから。
自分自身がひねくれ者のせいか、当時10歳くらいで15年ぶりに再会した相手がまだずっと好きでいてなんて、うさん臭いとおもってしまって、、、
なので、ここはそれを置いておいて、何より受けの大学生…

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「ノスタルジック」ソネット番外編ペーパー グッズ

主人公達を見送る

この番外ペーパーを読んで本編の評価が上がったほどに、主人公達を見守っていた先生であり、広尾の叔父である島村の視点が入ったことで、彼等の姿にとても共感が得られる形になったと自分は思いました。
SSにしては裏も表もあるぎっしり7ページ分の短編。
それだけでも、何か嬉しい♪

何となく思いつきで柾史に仁科を紹介した島村だったが、それがこんな事になろうとは、叔父としても島田には嬉しい誤算だったので…

1

「ノスタルジック」ソネット番外編ペーパー グッズ

叔父様のノスタルジック

攻め様の叔父であり受け様の担当講師が二人を綴るショートです。
二人が出会うきっかけを意図的に作った経緯が描かれていて
それが思っていた以上に二人を強く結びつけてしまったことを
感慨深く思っているのです。
甥っ子の複雑な家庭環境の為に同じ年頃の子供よりも早く大人になって
しまった甥っ子が受け様に対する時だけは年相応な様子を見せることを
良かったと思う肉親の情が感じられるんです。
そして…

0

スイート×リスイート 小説

栗城偲  金ひかる 

心の傷はなかなか消えないのです

幼なじみの再会ものでちょっぴり切なくて、でもふんわり甘いストーリーです。
受け様の初恋は隣家の幼なじみで6歳年上の攻め様だったのです。
いつも手作りのクッキーをくれて優しく頭を撫でてくれる攻め様が好きで
子供心に一緒にいたいと思った受け様は断定的なプロポーズを幼稚園の頃に
既に攻め様に伝え、その後攻め様が引っ越しでいなくなると決まった時も
大きくなったら絶対迎えにいくからって、微笑ましい…

2

ソネット 小説

ひのもとうみ  金ひかる 

愛される才能

するっと心に入り込むような感じがしなかった作品です。
そもそも、詩をテーマにした繊細な心の表現者のような詩というものに
個人的に馴染みがないのでハマれなかったかも知れません。

何も意識しないで詩を書いていた受け様が、詩を投稿して批評を受けたり
大学のゼミでのレポート作成だったり、卒業後の己の身の振り方だったりと
詩を書く事自体に何かを見いだせなくなり始めた時にかなり強引マイペースな

4

アロー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

どうでも良さげな二人が。

久しぶりに読み返しました。
一読目は、私も名前を混同してしまって、
「あれ?どっちのセリフ?」みたいに何行か前をたどったりして
なかなか物語自体を楽しめる余裕が無かったというか。
それでも、読後しばらくその世界に浸れるのがミチさんの魅力で。

余韻がすっかり冷めて、どんどん色んな作家さんの作品を読んだり
ミチさんのも読んだりしていたのですが、
同人誌がないのをあえて読み返そうと、こ…

7

ソネット 小説

ひのもとうみ  金ひかる 

学生モノにほしかったこういう真面目さ

ひのもとうみさん3作目は、大学生が主人公。
初雑誌掲載の作品だったものの単行本化だそうで、それに書下ろしでその後が一本入っています。
主人公達の情熱のベクトルがすれ違ってしまった為に起きたちょっと切ない展開、受けとなる人物の恋愛にのめり込む不器用な生き方の姿が少し痛さを感じさせる、
全体的に淡々とした、しかし舞台が大学であるだけに、自分ノイメージする芸大=季節イメージは秋~冬・熱くなくて少し…

9

捨てていってくれ 小説

高遠琉加  金ひかる 

良くできた年下わんこ

BLの王道設定、年下わんこ攻めの、ツンデレビッチ受け。
この主人公二人、まず、年下わんこの水梨が年下らしく、素直なところ、ずるいところ、甘えるところ、我慢するところのバランスがよかった。
対する受けの沖屋も、冒頭でこそクールなビッチで、もう本気の恋愛はしないって言っていますが、水梨とつきあい始めてからはちゃんと水梨とだけ付き合ってるし、過去は過去としてちゃんと自力で乗り越えるタフさがあります。…

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