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79/123(合計:1222件)
一穂ミチ 金ひかる
江名
ネタバレ
こういう一穂さんの小説が読みたかったです。 比較的ごく普通の男の子が、一穂さんの言葉で生き生きと魅力的に描かれている本。 誰かがひどく傷ついたり、 辛すぎる過去を抱えていたり、 特殊な状況を描いていたりという訳ではあまりないと思うので(主観)、 物足りないという人もいそうな気がしますが、 一穂さんの文章をじっくり味わうには、自分にはこれくらいがちょうど良かったです。 明る…
クリボウ
キラッキラしているな、若人たち! 口絵の青空に負けていません。 大学という新しい生活の入口での照れやソワソワした雰囲気がイマドキの男の子らしい語り口で小気味よく話が進みます。 入学式で『ヒカリ』と間違えて呼びかけられて以来、仲のいい友だちとして日々を重ねる槙志(攻)と塁(受)。 夏休み、里帰りに同行した塁はよく知っているつもりだった槙志の知らない姿を見て少し複雑な気持ちに。 そんな気持ちが…
茶鬼
一枚の写真を思わせる風景と印象的ワンシーンの一瞬をとらえた描写から始まる冒頭。 自分を「ヒカリ」と呼んだ同級生となる青年との出会い。 物おじしないで懐に飛び込むのが上手い楽天的で自由な主人公・塁と、気遣いのできるどことなく遠慮を感じる槙志が友人から恋人になる話なのであるが、 槙志が語りたがらない「ヒカリ」について、それにまつわる槙志の人柄というのが、展開の要点になっている。 槙志は「ヒ…
snowblack
新刊のイラストが金先生だったので、同じ組み合わせのこちらを再読しました。 同人誌も精力的にお書きになっている一穂先生ですが、これは同人誌が出ていない作品。 比較的レビューも少ないですし、全体に変わった雰囲気の漂う地味な印象がある作品ですが、 読み終わってジワジワと沁みてくる、個人的には好きな作品です。 : ふらりと出て行った前のオーナーから引…
橘盾
小説の冒頭 「肯定を、したいと思った。強く。」 何ぞやっ?と、もうここで答えを知りたくて先を急いでしまう自分に、久し振りの一穂先生の小説、待て待てとブレーキを掛けてました。 でもやっぱり、ハッとさせられる一穂文を見付ける度、嬉しくなって急いでしまうんですね(笑) 小説は、大学1年同士の日常もの。 明るく朗らかで少し幼い感じの受け・三輪塁(るい) 幼い頃の寂しさから自立と気配りが目立…
今回の物語は、今の季節にピッタリの春の大学の構内から始まる。 桜の中、入学したての塁は「ヒカリ」と人違いで呼び止められる…… 翌日、再度出会った槙志は同じ心理の新入生で、離島の出身。 塁は彼が入るというオセロ研究会に一緒に入る事にし、あっという間に仲良くなっていく…… 大学生同士の淡い物語。 BLというよりは、これまた青春小説のような色合いだ。 「肯定を、したいと思った。強く。…
鹿住槇 金ひかる
kirara
村上を!と思ってしまった時点でもう無理でした。 こちらは、朋哉×平八郎をメインCPにした『平八郎シリーズ』のスピンオフです。向こうで悪役(私にとっては悪役でしかない)だった村上(攻)と、同じく(私にとっては以下同文)山沖の息子であり平八郎の甥である翔太(受)がメインです。 本編CPも山沖も出て来ます。 もともと私は、いわば敵役・悪役ポジションのキャラクターをメインにしたスピンオ…
メインCPのラブという点ではハッピーエンドで文句はないです。 ただ、前巻のレビューでも書きましたがとにかく脇が酷過ぎる。これで終わっていいのか?と思うくらい(だからって、他にどうしようもないんだろうけどさ)。 表題作は、前巻からの続き・完結編です。 これはもう前巻収録分も含めて、ここまでドロドロを極める(と言うのもなんですが)必要あったのか?と呆れてしまうくらいグチャグチャです。…
なんというか、このシリーズは所謂鹿住さんのイメージだろう『王道・ライト・H薄め』とは一線を画する作品です。 特にこの表題は一体何なんだろう。 最初(デビューから続くシリーズ)がコレで、何でこの先はああいう作風になるんですか!?とまさに驚愕です(もちろん王道・ライトが多めで目立つってだけで、意外とそうじゃないのもあるんですけどね)。 18年も前の作品ですしそういう時代だったのかなあ…
私は時々(ホントに何の脈絡もないことが多いんです)『○○さんが読みたい!』と思い立って、まるで何かに憑かれたようにその作家さんの作品(ほぼ既読)を読み耽ることがあるんですが、しばらく前に鹿住さんの周期が来てたんですね。 それで、もう何年越しかで書いていた鹿住さん作品のレビューをこの機会に纏めてみようかな、という気になりました。 こちらはほぼ20年前の作品です。1編目の初出はさらに5年…