金ひかるさんのレビュー一覧

リアルリーマンライフ 小説

今城けい  金ひかる 

こういう話を読んでみたかった!

人づきあいが苦手で研究に没頭しがちな瀬戸と社交的で仕事もできる益原のカップルです。

クレーム処理のために営業の益原と取引先へ向かうことになった瀬戸は口下手な自分と対照的な益原に苦手意識を持ってしまい、うまく会話することができません。
しかし、取引先で再会した元恋人の充輝に復縁を迫られるもうまく断れずに困っていたところを助けてくれたのは益原でした。
益原は強引に瀬戸を自宅に住まわせ、充輝には自分が…

3

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

気は合うのにまるで違う二人

予想を超えるキュン度でした。

友達親子みたいな家庭(でもそれだけじゃない)で育った塁は
素直でなんでもわりとすぐ行動に移せて
誰とでもすぐ仲良くなれるタイプ。
あっけらかんと見せておいて、その実すごくあれこれ考えるのが好ましい。
そのせいで脈絡もない言動になるのがまた愛おしい。

一方の槙志は、寂しい幼少期を送ったせいで
自分で何でもやれるし決して我を通さず
相手の言動を先読…

8

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

だから心理学専攻なのか

大学生同士のありふれた友情が次第に変化して、これも青春の一コマなんだろうと思える
ようなどこかほのぼのとした作品で、アップテンポでは無いけれど穏やかに胸に入る
そんなストーリー展開でした。

ただ、ほのぼのした大学生同士のやり取りなのですが、攻め様には受け様に言えない事が
一つあって、それが攻め様が心理学専攻をするキッカケだったのだと思える内容。
出会いは大学の入学式後でしょうか、攻め…

4

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

とても、いとおしい。

こういう一穂さんの小説が読みたかったです。
比較的ごく普通の男の子が、一穂さんの言葉で生き生きと魅力的に描かれている本。

誰かがひどく傷ついたり、
辛すぎる過去を抱えていたり、
特殊な状況を描いていたりという訳ではあまりないと思うので(主観)、
物足りないという人もいそうな気がしますが、
一穂さんの文章をじっくり味わうには、自分にはこれくらいがちょうど良かったです。


明る…

5

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

ウラもオモテも。

キラッキラしているな、若人たち!
口絵の青空に負けていません。

大学という新しい生活の入口での照れやソワソワした雰囲気がイマドキの男の子らしい語り口で小気味よく話が進みます。

入学式で『ヒカリ』と間違えて呼びかけられて以来、仲のいい友だちとして日々を重ねる槙志(攻)と塁(受)。

夏休み、里帰りに同行した塁はよく知っているつもりだった槙志の知らない姿を見て少し複雑な気持ちに。

そんな気持ちが…

3

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

青春小説

一枚の写真を思わせる風景と印象的ワンシーンの一瞬をとらえた描写から始まる冒頭。
自分を「ヒカリ」と呼んだ同級生となる青年との出会い。
物おじしないで懐に飛び込むのが上手い楽天的で自由な主人公・塁と、気遣いのできるどことなく遠慮を感じる槙志が友人から恋人になる話なのであるが、
槙志が語りたがらない「ヒカリ」について、それにまつわる槙志の人柄というのが、展開の要点になっている。

槙志は「ヒ…

2

アロー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

熱量の低そうな彼ら、に灯る灯

新刊のイラストが金先生だったので、同じ組み合わせのこちらを再読しました。
同人誌も精力的にお書きになっている一穂先生ですが、これは同人誌が出ていない作品。
比較的レビューも少ないですし、全体に変わった雰囲気の漂う地味な印象がある作品ですが、
読み終わってジワジワと沁みてくる、個人的には好きな作品です。

                   :

ふらりと出て行った前のオーナーから引…

13

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

性春のもやもや

小説の冒頭
「肯定を、したいと思った。強く。」
何ぞやっ?と、もうここで答えを知りたくて先を急いでしまう自分に、久し振りの一穂先生の小説、待て待てとブレーキを掛けてました。
でもやっぱり、ハッとさせられる一穂文を見付ける度、嬉しくなって急いでしまうんですね(笑)

小説は、大学1年同士の日常もの。
明るく朗らかで少し幼い感じの受け・三輪塁(るい)
幼い頃の寂しさから自立と気配りが目立…

5

バイバイ、ハックルベリー 小説

一穂ミチ  金ひかる 

勿論読んで良かった!……けれど

今回の物語は、今の季節にピッタリの春の大学の構内から始まる。
桜の中、入学したての塁は「ヒカリ」と人違いで呼び止められる……
翌日、再度出会った槙志は同じ心理の新入生で、離島の出身。
塁は彼が入るというオセロ研究会に一緒に入る事にし、あっという間に仲良くなっていく……

大学生同士の淡い物語。
BLというよりは、これまた青春小説のような色合いだ。

「肯定を、したいと思った。強く。…

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不条理の関係―平八郎シリーズ 小説

鹿住槇  金ひかる 

救済する必要あんのか!?

村上を!と思ってしまった時点でもう無理でした。

こちらは、朋哉×平八郎をメインCPにした『平八郎シリーズ』のスピンオフです。向こうで悪役(私にとっては悪役でしかない)だった村上(攻)と、同じく(私にとっては以下同文)山沖の息子であり平八郎の甥である翔太(受)がメインです。
本編CPも山沖も出て来ます。

もともと私は、いわば敵役・悪役ポジションのキャラクターをメインにしたスピンオ…

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