久我有加さんのレビュー一覧

華の命は今宵まで 小説

久我有加  花村イチカ 

困難に打ち克つ

大正初期を舞台とした、主従関係にある二人の基本あまあまなストーリーです。

透が使用人として使えるのは、後継ぎがおらず、金銭的にも逼迫し、爵位返上は免れない状況にある小一森家。
透は両親亡き後引き取ってくれた小一森の現当主光範に対し、ひとかたならぬ恩義を感じている。そんな中、小一森家に養子として光範の甥だという青年、実道が迎えられた。美しく、聡明で、優しい実道に主人として以上の感情を抱いてし…

5

あの日の君と、今日の僕 小説

久我有加  左京亜也 

男前受け

高校時代の告白を大人になってまで引きずっている2人の再会ものです。

受けの築島はノンケでしたが、優しくて男前な人なので自分のことを好きすぎる渋川をほっとけなくてだんだん絆されていきます。要所要所で強く出られない渋川の代わりに関西弁でバシッと決めてくれます。

攻めの渋川は美形なのにあまり他人に興味がなく、築島にだけ一生懸命でヘタレになるところがとても可愛いのですが、渋川に任せていると2人…

1

あの日の君と、今日の僕 小説

久我有加  左京亜也 

甘酸っぱい…!

全編を通して甘酸っぱい雰囲気が漂う再会ものです。
高校時代、告白され振った相手と10年後、職場で再会し…というあらすじ。2章に分かれていて、前半が受け視点、後半が攻め視点です。

攻めの渋川は、イケメンで仕事も出来と完璧なのに、受けに対してのみ好きすぎて情けない感じになっちゃう…という残念攻め。
基本的に感情の起伏が少なく他人に興味が無いのに、高校時代に好きになった受けに対してのみ強い感情…

5

わけも知らないで 小説

久我有加  やしきゆかり 

攻めの魅力に尽きる。

久我先生といえば関西言葉ですが、今のところ先生の作品は、

1標準語×標準語
2関西弁×関西弁
3関西弁×標準語

の順で読んできていて、標準語×関西弁は未体験ゾーン。はたして、遭遇できるのでしょうか。できますかね…?ちなみに本作は3番目のパターンです。

この作品を知った瞬間、タイトルに飛びつきました。ちるちるに登録したての頃、マイページのメッセージ欄にスネ○ヘアーの「訳も知らな…

1

青空へ飛べ 小説

久我有加  高城たくみ 

若いきらめき、その後の大人の情熱。

しっとりとした落語界BL「頬にしたたる恋の雨」で大好きになった久我有加さんの、スポーツBLです。
テーマは「野球」!
現実の野球選手たちを想像するとどうもBLとは結びつきませんが、本作は切なさ一杯詰まってる。
というのも、甲子園に全てを賭ける高校球児たちのあの残酷な夏を過ぎて、一握りの側に入った少年と、彼との別次元の圧倒的な差を悟って野球を諦めた少年が再び出逢う!これは萌える。

プロ野…

3

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

噺家同士、切磋琢磨していける魅力的な関係の2人

 噺家同士の2人のお話。
攻め様の真遊は六代目真寿市の息子で、古典落語で笑いがとれずコンプレックスとなり、今では落語から離れてテレビ等で活躍している華のある男前。
受け様の小藤は古典落語を得意としていて、人見知りで不器用で寝食以外は落語の事を考えてるような落語バカ。

 テレビのバラエティーで初共演した時の印象はお互い悪かったのに、若手の落語会に一緒に出ることになり親しくなるにつれて惹かれ…

2

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

芸人シリーズ若者編

落語シリーズ3作目。現代が舞台です。
2作目のCPと同じ一門同士のCPですが、直接関係はなく、単独で読んでも大丈夫です。

テーマは「恋とコンプレックス」と言ってもいいのかな、同じ「噺家」という職業だけど、その活躍の舞台が片やTVのバラエティ番組やラジオで、片や本格派の古典落語を追求していて。
お互いが自分にない才能や煌めき、芸の華を羨んで、憧れて、初めは反発するんだけど引力のように惹かれ…

7

酸いも甘いも恋のうち 小説

久我有加  志水ゆき 

小藤くん、かわいいです

上方芸人シリーズに連なる作品。
落語編の3冊目は、舞台が現代になりました。
シリーズ物とはいえ、落語の一門の名前や芸能事務所などの設定が前作を踏まえている位の繋がりなので、この1作だけ読んでも全然大丈夫です。

TVのバラエティもそつなくこなすと二世落語家のハイスペックボーイと、現代生活とは全く無縁にひたすら古典落語の道を究めようとしている無自覚地味ボーイ、この二人の若手落語家が、お互いに…

1

幸せならいいじゃない 小説

久我有加  おおや和美 

どっちが譲る?

中編2話+SS1話

「幸せならいいじゃない」直登視点
脚本家の直登(受)は仕事につまると毎晩コンビニでゲン担ぎに好きでもないオムライスおにぎりを買っています。店員の北見(攻め)にたまたま外で会った時、もっと体にいいものを食べた方が良いと言われ、定食屋に連れて行って貰います。
社会人だからと奢ってあげたお礼にと食事を作ってくれると言いだし、直登の部屋で食事を作ってもらうことになります。食事…

4

におう桜のあだくらべ 小説

久我有加  佐々木久美子 

人情ものってやっぱりいいですね

本作は「頰にしたたる恋の雨」の関連作、というか前日譚の位置付けですが、「頰に〜」に出てくる真寿市師匠がまだ駆け出しの頃の、真寿市(当時は真太)の兄弟子真吾の恋模様です。
より昔(明治中期)の時代で、言葉も柔らか。今のTVで見る芸人さん達の使う言葉とは色々と違います。
見た目は地味だけれどじっくりと噺を聞かせる上手い真吾と、華やかで明るい芸風、出てくるだけで目を引くような椿丸、そんな個人の持って…

6
PAGE TOP